約 3,642,996 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3195.html
ゆっくりちんちんを求めて 初SSです。投稿するか悩んでいたら1ヶ月経ってました。 俺の好きな彼女のゆっくりが、見つからないので考えてみました。 文章を書くのが苦手で初めての投稿なのでなので読みにくい箇所があったらすみません。 虐待ぬるめ(野生の習性?)、長文・会話量に注意 オリジナル設定だと思います...というか存在が今までなかったかもしれません。 ゆっくりみすちーとゆっくりちんちんは、別物です。 設定の許可のとりかたを知らず勝手な引用に思われたらすみません。 以下、本文という名の駄文 私自身は、ゆっくり研究に携わって長いがゆっくりちんちんの実物を見たことはない。 かなりの情報はあるのだが捕獲例がないのだ。ただ、目撃例の文献や新聞記事は存在する。 それによればゆっくりちんちんは、鳥形の饅頭が帽子の様な物かぶった種であるらしい。 私は、ひよこ○んじゅうなるものを知らないが、大きなひ○こまんじゅうが夜雀の帽子をかぶっているのを想像するといいらしい。 一説によれば、個体数の確認ができないまで減少したか、絶滅したのかもしれないという説もある。 情報をまとめてみると現在わかっていることは、以下のようなことで 【証言者からの提供された絵?】 - ,'´ ,.ヽ ....,,,,__i'・ > _人人人人人人人人人人人人人人人_ ! 、ー‐- ! >チンチンチンチンチンチンチンチン< ゙、ヽ ノ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ゛'' '--"´ 泣き声は、目撃者の全員が鳴き声は「チンチン」で夜に見かけた。 通常種か捕食種かは不明 水に対して強い耐性を持っているのか川や湖を泳いでいた。 空を飛んでいたり八目鰻の魚で捕食する姿を確認されている。 他の種類と八目鰻を交換しようとして、横取りされていた。 ゆっくりちるのやゆっくりれてぃとゆっくりるーみあと群れを作っていた。 ゆっくりゆゆこに襲われた時を見た。 とろいゆっくりのるーみあに頭をかじられている時に遭遇した。 すりすりしてる時に折れてしまっていた。 別種なのか、普通の饅頭型の夜雀の帽子をかぶっているゆっくりが「ちんちん」いっていた。 川の上流から、死体が流れてくるのをみた。 収穫の秋、そんなある日、友人の鬼意山が珍しいゆっくりの虐待をするから一緒に来てほしいと言われた。 また、彼の悪い癖が出たのだろうかと思った。 悪い癖とは、彼が他人に虐待を見てもらえないと快感を感じれない困った性癖(?)の持ち主なのだ。 最初は、仕事を理由に断ろうと思っていた。 しかし、虐待相手がゆっくりちんちんの特徴を持っているものもいると聞くと話は別だ。 本棚から、ゆっくりチンチンの本や新聞の記事の切れ端をまとめたノートを彼に渡した。 「ああ、こいつらも何十匹もいた気がするよ。ほかに、凄いでかいのや見たことが無い奴がいたよ」 「ということは、かなり大きな群れだったのか?」 「ああ、問題はすこし遠くてな往復で6日の場所なんだよな」 普段、仕事や実験の手伝いをしてもらっていることを理由に行くことにした。 実際は、初めてのゆっくり種との遭遇に私も興奮を感じていたのだ。 探索決意後に、取引先の二つの団体と数人の知人に連絡しておいた。 二つの団体とは、ご存知の方も多いと思うが、ゆっくりんぴーすと加工所である。 目的は、彼等に旅行道具や人員の確保をしてもらうためである。 必要なものは、無料で用意するのが私の主義である。 あとは、証拠が手に入らなかった時は、発見時の証人になってもらうつもりだ。 これで道中の食料と人員の問題は解決したと、私は楽観的に考えていた。 前に横取りされたことがあったし、あそこだがどうするかな・・・よし、やめとくか。 悩んだ末に、永遠亭は、先を越されると悔しいので観察後のレポートを送ることにした。 自己紹介が遅れた。私は、ゆっくりの研究を中心とした仕事をしてる。 例としては、効率的な繁殖方法のデータの収集及びゆっくりの生態を調べるなどだ。 他には、ブリーダー業と加工所への納品などで収入を得ている。 まあ、実際の虐待は、友人の鬼意山の行動の記録をすることが多いのだが・・・ 内容として、ゆっくりの生命力検査のための餌の食料調整・針・火・ハコ詰めによる観察。 人間への忠誠心の変化やゲスの分別方法のレポートを加工所や永遠亭に報告したことがある。 他に、研究結果の長所を持つゆっくりの繁殖によるブリーダー業とゆっくりの躾やゲスや死骸の加工所への販売がある。 最近は、ブリーダーで有名なためか、周りから真の目的の研究の方が、道楽と思われている。 道楽といわれる研究内容は、ぱちぇ種とちぇん種とめーりん種の欠点を無くすための交配実験である。 内心では不本意だが、収入の差を考えれば仕方ないのかもしれない。 それは別の機会に話せればと思っている。 ただ、らん種とぱちゅりー種とちぇん種とめーりん種の愛らしさは別である。 彼女たちの愛らしさには、毎日救われる思いである。 ゆっくりの中でも、素直で賢い彼女たちは、別物である。 私が知っている他の種は、実験の利用価値はあっても、制裁は別だが虐待の価値もない。 ふらん種と体無しれみりゃは、防衛者として役にもたち可愛げもあるので飼っている。 ・・・すまない、興奮してしまったようだ。 話を戻そう、探検隊の仲間は、ゆっくりんぴーす所属の愛出さんとペットゆっくりの3匹。 愛出さんは、最初に言った旅道具調達のための窓口である。 友人で発見者である鬼意山。 加工所から派遣されてきた職員さん。 職員さんは年長で40半ばだが、加工所設立時からの職員で虐待と取引術に期待している。 鬼意山は、案内役で私と愛出さんの3人の年齢は20代後半である。 2つの団体からもらってきたドスなどのリーダーがいた際の取引道具と 何かあった時の事を考えて、多めに約2週間分の食料は台車にのせてある。 鬼意山の案内で里を出てから三日間が経過した。 「僕はゆっくりちんちんを見るのが初めてなんで楽しみでしょうがないですよ。多くの人に愛されるに決まっています」 「ゆっゆっゆ、れいむもどんなゆっくりかたのしみだよ」 「まりさは、どんなゆっくりにもまけないんだぜ」 「ケホケホ、ほんにのってないゆっくりにあえるなんてたのしみだわ」 と私のブリーダーとして個人の取引先でもある愛出さんと、 私が育てたれいむ・まりさ・ぱちぇ達ペットゆっくりの3匹は新しい友達との出会いを楽しみにしているようだ。 写真は無いが文献はあるのだがと、ぱちぇの言葉に苦笑しながら話しかけた。 「本当に楽しみですね。まりさは言葉遣いに気をつけなさい。ぱちぇには、この本を貸すよ」 私もゆっくりちんちんを観察する事に関心があったのでそう答えた。 ぱちぇには、ゆっくりちんちんの本や新聞の記事の切れ端をまとめたノートを渡した。 ついでに、私のかわいいめーりんの血を引くのに身体だけが硬く口の悪いまりさに注意をした。 「性格は、どんな感じなのか楽しみだ。新種のゆっくりにどんな虐待をすればいいのか楽しみだ」 そんなものかいと私は、鬼意山に相槌を返した。 「撃たれ強いのか弱いのか、性格は、どんな感じなのか楽しみだ。お前は、俺の活躍を見てくれよ」 と鬼意山が話しかけてくる。まあ、ほどほどになと返しておいた。 その会話に対してか、私に対してなのか加工所職員さんは、 「そうですね、商品化が可能かの実験はよろしくお願いしますよ。お二方」 友人の鬼意山と加工所職員のに対して無難に答える事にした。 「まあ、私も仕事ですから、できる限り期待に答えるようにはしますよ」 と、もう一つのスポンサーと友人に対して二人に小声で返事をした。 私の目的は、確かに実験も含まれているが、一番の目的は観察のつもりだ。 しかし、スポンサーの意向には逆らえないと内心で苦笑した。 それにしても、支援団体2つを敵にまわすわけには行かないので、反対の対応が面倒で仕方ないと思った。 「確かこのあたりだった気がするな。もうすぐ川があるはずなんだが」 鬼意山の言葉に周りを気にしてみると水の音が聞こえる気がする。 「おい、あそこの川の手前を見てみろよ」 と言う鬼意山の言葉と方向をみてみると小さな川と証言の絵の生き物(?)とたくさんのゆっくりを発見した。 川の横には、複数の種類の群れでたぶんゆっくりチンチンらしきものは、約100匹ほどで、 他の種については、私自身が図鑑でしか知らないゆっくりや初めてみるゆっくりや普通なら群れを作らないものが多かった。 そういった種類には(!?)をつけることにした。 他には、ゆゆこ(!?)、赤い目のみょん(!?)、ちぇん、らん、ゆかりん(!?)、れてぃ(!?)、ちるの、だいようせい(!?) るーみあ、めーりん、ゆうか、りぐる(!?)などの200匹ほどの群れであった。 隣で鬼意山と愛出さんは、 「ほとんどが初めてのゆっくりだ。はじめてのゆっくりを・・・・」 とそれぞれの楽しみに感動しているようだ。 愛出さんのゆっくり達は、捕食種たちが怖いのかブルブル震えている。 それに気づいた愛出さんが防御用なのか箱(って虐待箱!?)にいれはじめた。 まあ、確かに、あれならば内側からも外側からも何もできないだろうが。 加工所職員は「実際に水上の上にいませんね、あとで実験を頼みます」 と私の耳に囁いてきた。たしかにそれも気になることだと思った。 私は、捕食種と通常種がいるのは何故なのかと疑問にもちながら彼に相槌をした。 とりあえず、私達はおきまりの言葉を言う事にした。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 と大声で返答がきたのであるが、ゆっくりちんちんのみは何も言わないのである。 ここで私達は、情報収集のために別れて行動ことにしてみた。 愛出さんは、ゆかりんへ 鬼意山は、ゆゆこへ 加工所職員さんは、るーみあへ 虐待好きの鬼意山を一人で行かせて大丈夫なのかと思う方がいるかもしれない。 鬼意山は、誰かにみられないと一人で虐待することができないシャイボーイなので大丈夫なのである。 私は、近くを歩く子ちぇんにゆっくり用のお菓子をあげながら話しかけてみることにした。 「あの羽のはえた帽子をかぶったゆっくりは、しゃべらないけどどうしたんだい?」 「うんうん、わかるよ。ちんちんたちはよるいがいは、あまりうごかないんだよ」 やはり、あの見慣れないゆっくりはゆっくりちんちんで正しいらしい。 「ちんちんは、いつごろごはんをたべたりするんだい?」 「わからないよ、ちぇんはいつもうごかないちんちんばかりみているから」 「でも、おさのチンちんちんかゆかりんしゃまならしってるよ。らんしゃまだったらなんでもしってるよ」 ほかの種族か、もしくは子供達が睡眠中に活動するとういう事だろうと考えた。 今、動いていない理由は、どうしてだろうと考えた。 推論だが、れみりゃ種やふらん種のように日光に弱いわけではないが昼は動かない夜行性のようである。 私は、子ちぇんを抱えて頭をなでながら、合流の場所へ向かっていった。 合流地点では、納豆臭くなってても空気穴から入ろうとする虫(?)から3匹を守ろうとする愛出さん。 「「「ゆっくりできないおにいさんははなしてね」」」 あの3匹自体も箱の中で暴れて彼をはなれようとしているようにみえるのは臭いのためか? 私の手塩をかけて育てたぱちぇが、臭いで気絶しているので預かることにした。 今後のブリーダ時には、臭いの耐性を付ける様にしなければとか考えていると… とてつもなくすっぱい、あえて言うなら胃液臭い異臭が流れてきた。 その臭いのもとに視線を向けて見る事にした。そこには・・・ 胃液臭くなっって、右の靴が無く服が溶けかかってしまっている。 ベトベトの鬼意山が「生涯の目的を発見した」と言いながら歩いてきた。 私は、ゆゆこ種やれてぃ種に、食べられかけた人間もいると言うのは本当らしいと背筋が寒くなった。 それから、少し時間が経つと加工所職員さんが、手にゆっくりを抱えてブツブツいいながら戻ってきた。 加工所職員さんは、「私だって好きで加工上に‥・・・」というと るーみあに「そーなのか」とか「がんばるのだ」言われている。 全員集合後、それぞれの意見の結果 愛出さんは、また、ゆかりんへ(知識が豊富であるため) 鬼意山は、ゆゆこのリーダーへ(空に人差し指を向けて「我、天を目指す」との事) 彼は、1人で虐待ができるようになったのだろうかと気になった。 取引前の問題は、勘弁してほしいものだけど、どうするかなと対策を考えていた。 よし、いざという時は、彼に悪役になってもらい交渉の道具になってもらと決めた。 加工所職員さんは・・・・疲れた虚ろな目で自分も加工されかけてる(クビ?)とるーみあ相手に涙ぐんでいる… まあ、仕事が大変なんだろうとほっとく事にした。 普通は、ちぇんに相談するのでは、と考える私は終わってるのかもしれない。 というかゆっくりちんちんの情報はどうしたのかと言いたい。 しかし、彼らには、世話になってることもあり言わないことにした。 「おにいさんたいへんだけどがんばってるんだね。わかるよ」 ちぇーーーーーーーーーーーんの言葉に感動しながら頭をなでながら私は質問した 「チンちんちんはどこにいるんだい?」 「わかったよ、あんないするけどちんチンチンはおそくならないとおきないかもしれないよ」 ちぇんの言葉に、うなずいてると足下の虫が気になってしょうがないので訊ねてみた。 「そういえば、この足元にいる小さい虫は、なんなのかわかるかい?」 「 うんうん、わかるよ。りぐるのこどもたちなんだよ」 「・・・・・・・・なんだって!!?」 りぐる種は、狩りがしやすく、栄養価も高いためか他のゆっくり種を好んで食べると聞いたことがある。 「お菓子をあげるから、教えてほしいんだけど、りぐるにちぇんは襲われないけどどうしてかな?」 「わかるよ、あそこのくささんのにおいがあるとりぐるはともだちとわかっておそわなくなるんだよ」 そう話した後に、らんしゃまがいってたよと付け加えてるちぇんの話は続く。 「でも、それをしらないほかのゆっくりがきたらりぐるは、おそうからむれはあんぜんなんだよ。」 なるほど、そうやって群れを守っているのか、相当に賢いリーダーがいる群れなのだなと思った。 それよりも、早く草をぱちぇに塗ってあげるないと大変なことになる。 「そうかそれはすごいね、あの草をぱちぇに塗ってあげるからちょっと待っててね」 「うんうんわかるよー、おにいさんいそいでぬってあげてね」 その草を、ぱちぇに塗り始めた。幸いりぐるは、箱の中に一匹も入ってなかった。 草を塗り終えて、一息つくと夜行性のちんチンチンの情報収集をしなければとちぇんにたずねた。 「それじゃ、らんしゃまの場所につれてってもらえないかな、ちぇん?」 「うんうんわかるよー、おにいさんはゆっくりできるからつれていくよー」 目を覚まして状況を理解したぱちぇを箱から出して箱の上に乗せて、子ちぇんをその上に乗せた。 ついでに、何かの役に立つだろうとその草を大量に箱に入れた。 そして、子ちぇんの案内先に行くと… 何か狂ってる愛出さんと、悲鳴をあげる箱の中ゆっくり2ひきと、1mぐらいの体付きのらんと直径1mの紫のゆっくりがいた 「かっわいいよ かっわいいよ! ゆかりんりん!少女臭が!少女臭が! 靴下臭も!・・・」 何を言ってるんだあの人はと、私は内心であきれながら近づいていった。 「たすけて、おにいさんれいむのなかにむしがいてこわいよ」 「やめるんだぜ、まりさのなかのむしさんがあんこをたべないでほしいんだぜ」 2匹がかなりやばい状況みたいだなと思ったが観察したいのでほっとくことにした。 「まりさよりじじいやれいむやゆかりんのほうがおいしいからはなれるんだぜ」 前言撤回、育てた責任で口の悪いまりさの箱を躾の意味をこめて近くの木に思い切り蹴飛ばした。 「ぶべし」と言う音によってか愛出さんは正気に戻って2ひきの箱をあけてりぐるを取り出し始めた。 「さすが、虐待箱だぜ。外側にも内側の衝撃にも強いんだぜ」と心の中でツッコミをいれといた。 「何故、あなたは、まりさの箱を蹴ったのですか?」 2ひきを箱から出した愛出さんは、私に質問をしてきた。 「乱暴に見えたようですみませんでした。中のりぐるを潰すためです。あと、この草をつければりぐるは襲わないらしいです。」 納得したのか愛出さんは、2ひきの元に戻っていった。 どうにか2匹とも助かりそうな様子だったので、小麦粉や餡子ペーストで直そうと愛出さんは頑張っている。 鬼意山がいたら喜んだのになと考えながら様子をみていた。 しかし、愛出さんは、体が思うように動かないようなので私がやってあげることにした。 少し生きながらえて苦しむ様子をみるよりも潰してしまえばと内心で思っていた。 しかし、客の信頼を失うわけにはいかないので、ゆっくり達に対りぐる用の草をぬりはじめた。 れいむの箱は、まりさの箱の上にあった為かりぐるに襲われずにすんだようだったが、 「おにいさん、れいむをそだててくれてありがとう。やさしいおにいさんといっしょになれてしあわせだったよ」 と言う。しかし、外傷はほとんど無く周りのりぐるやまりさの泣き声がこわかった為に混乱しているようだった。 チャンスだと思い私は以前から考えていたある作業を開始した。 「むほー、うぎぎいぎいぎいい、ゆっくりやめてねー」 れいむが言葉にならない悲鳴を上げているが、これも彼女の為だと作業を続けた。 作業完了、愛出さんに報告開始。 「りぐるに、ぺにぺにとまむまむが食べられしまったので子供は産めないかもしれませんが、命に別状はありません。」 彼女は、れいむ種とまりさ種の子供なのでろくな子供が生まれないと感じたから薬草をつけるフリをして去勢をしたのだ。 実験途中で生まれた彼女を教育したのだが、躾や優しさを覚える事と母性の強さを確認するはできた。 だが、これといって突出した箇所は無かった。 しかし、ペットしては充分な性格なので愛出さんに、躾済みとして売却したのだ。 躾済みゆっくりを育てるブリーダーとして私は、有名になり収入源のひとつになっている。 子供を作れない苦しみを彼女は一生味わうかもしれないと思った。 しかし、彼女の優しさと母性を利用してうちのゆっくりの里親として利用できると考えている。 「ぞんんなーーー、でいぶあがぢゃんぼじいよ」 「うちの子供を育てる事によって気分を紛らわしてはどうでしょうか?れいむと愛出さん次第ですが」 「そうですか、ありがとうございます。子供は、里子で我慢してくれよれいむ」 「むきゅー、ぱちぇもいっしょにがんばるわ。だからなかないで」 と愛出さんとぱちぇは、れいむに励ますように話していた。 愛出さんとぱちぇに、れいむの事は、任せることにしてまりさをみてみた。 次のまりさに関しては、母親のめーりん譲りの硬い体のおかげで外傷はなかったのだが体内に進入されてしまったようだ 「中で虫さんがあんこをたべてて痛いんだぜ。これは、クズなめーりんの子供だからこんな目にあったんだぜ」 「そのめーりんのおかげでお前は、外傷が無いのではないかい?」 「あいつはJAOOONしか言えないクズだったんだぜ。家のなかでしか生きられないクズなんだぜ」 こいつの言い分に、私は答える気すら無くなってきた。クズでも飼い主の前では殺すわけにはいけない。 「家の連中に、ちやほやされているだけの馬鹿の癖に今もまりさを助けにすら来ないんだぜ」 めーりんが、来るわけがない子供のまりさが、もらわれた先で幸せに暮らしてると思って家で寝ているだろう。 「まりさのどれいのくせに、あのクズは、むかしからやくにたたないんだぜ」 オレの中で何かが切れた。こいつとの母めーりんとの出会いを思い出しいてしまったのだ。 ある日、森にゆっくりを捕まえた帰りに、数匹のまりさ種に虐めをうけてボロボロになっているめーりんを発見した。 「しゃべれないし、ねてばかりいるクズはしぬんだぜ!」 などといいながら、まりさ種が石や木の枝などを投げている。 「このまりささまが、クズめーりんにとどめをさすんだぜ」 その中の一匹が、先の鋭い木の枝で刺そうとしたのである。 私が間にはいって、木の枝を奪ってそのまま帽子の上から刺してやった 「いたいんだぜ。じじいは、ゆっくりしないではやくぬくんだぜ」 うるさかったので刺さってる木を頭から足に向けて90度倒す様におろしてから抜いてあげた。 「ゆっくりごろしの、ゆっくりできないジジイはしねーー」 といいながら他のまりさ達が、私にぶつかってきたが痛くはない。 「パックリと体の真ん中に切れ目が入ってるがぬいたのだから文句はないだろう」 と答えを返しておいたが、何故かゆっくり達の攻撃は、止まらなかった。 何を苛立っているのかと思いながら様子を観察すると「しねー」などいっってぶつかってくるのだ。 観察も飽きたしもう殺してもいいかなと思ってきた。 ちょうど、捕まえてきたゆっくり達の味に付けにもいいだろうし全て殺す事にした。 「人の話を聞かないまりさ達には死んでもらうよ」 事前忠告のあとに、足下のぶつかってきたまりさからつぶしはじめた。 ぶつかってきたゆっくり達をすべて潰した後に、石を投げていたゆっくりを一匹ずつ潰すのだが、 その際になぜかめーりんがどうしても止めようとする子まりさ一匹がいたので気になり 「こいつはお前の知り合いか?」と聞くとめーりんは、コクリとうなずいたのだ。 それに対して子まりさは、答え始めた。 「からだがじょうぶなだけのやくたたずだぜ、だからまりささまのためにいきるのがとうぜんなんだぜ。いじめるのもとうぜんだぜ」 「お前は、このめーりんとは関係はないのか?」 「こいつはクズだからいじめていいんだぜ、ちちまりさはこいつがクズだからまりさのことをすてていったんだぜ。」 という事は、めーりんが母親なのに虐めていたのか、虐待趣味のないオレでも虐待したいと思う言葉だった。 どうやら、こいつの母めーりんは野良まりさにレイプされたらしい。 そして、めーりんは、他のあかめーりんを食べられてしまったが、食べられずに生まれたこの赤まりさを一人で育てたらしい。 自分勝手な言葉への嫌悪感があるが、一応、殺す前に確認の質問をすることにした。 「親を守りもせずに一緒にいじめてたわけか、親が死んだらお前はどうやって生きるつもりなんだ。」 「クズがまりささまのためにがんばるのはとうぜなんだぜ。かってにしぬわけないんだぜ」 バカでクズはお前だよと思いながら、生きる価値なしと殺す決意をした。 「そんなことも解らないクズは、長くは生きられないから、今すぐに死ぬべきだな」 「JAOOON」 めーりんが泣きながら間にはいってきて、まりさを潰すのに失敗してしまった。 「まりさじゃなくてそのくずをつぶすんだぜ。そのかわりに、まりさはたすけるんだぜ」 めーりんの捨て身の行動とまりさの暴言に、私も、少しずつ落ち着いてきたので色々と考えてみた。 結果は、ゲスを矯正する実験途中であるのとめーりん種に興味のあった私は、ある提案をした。 「こんなクズでも子供を守りたいのか、ならうちに来い。外にいるよりは安全だからな」 「JAOOON、JAOOON」 子まりさはどうなるかを心配しているようだ。もともと連れて行く気だったので 「わかった。実験をしているんで仕方ないからそこのクズも連れて行ってやる」 「にんげんも、まりささまにおそれてぶかになったんだぜ。ゆっくりぷれいすにつれていくんだぜ」 こいつは、どこまで馬鹿でクズなんだと思ったが連れて行くことにした。 ゆっくりいじめ系1913 ゆっくりちんちんを求めて 2につづく
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1583.html
このSSは「ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ!」の設定を 勝手に流用して書いたものです。 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2112.html 「養殖ゆっくり」 ゆっくりが幻想郷に現れるようになって、はや数年が経った。 ゆっくりが現れた当初から、ゆっくりによる民家襲撃や農作物窃盗が相次ぎ、 人間とゆっくりの間では争いが絶えなかった。 人間は、まず人里に近づいたゆっくりを見つけ次第叩き潰すことでゆっくりによる害を減らそうとした。 しかし、ゆっくりはすぐに増えるため、あまり効果がなかった。 潰しても、数日もすると別のゆっくりが人里への侵入を試みた。 そこで、ゆっくりの巣を探し出し、片っ端から一家を全滅させることで増えないようにしようとした。 ゆっくりの一家や番は、例えるならゆっくり製造機みたいなものである。 こいつらを一家まるごと殺してしまえば、ゆっくりの増えるペースは減ると考えられたからだ。 このやり方では、たしかに一定の効果があったが、それにも限界があった。 ゆっくりは、すぐに増えてしまうからだった。 ゆっくりは一回の生殖で、植物型妊娠・動物型妊娠問わず、最低でも3匹から5匹は子供を作る。 この時点で、すでにゆっくりは確実に増加する傾向にあることが分かるだろう。 さらに、ゆっくりは、その生活形態も様々だ。 個別に独立して暮らすものもいれば、群れを作って共同生活するものもいる。 群れの場合、一度潰せばゆっくりの害は大幅に減るが、ドスがいるような群れはやっかいだった。 逆に、独立して生活している家族や番の場合、散らばって生活しているので個々の一家は潰しやすいが、その分効果が薄く、巣を探すの手間取った。 加えて、人里から一定以上離れた場所にいるゆっくり達には殆ど手を出せなかった。 離れた場所に住むゆっくりを殺す為だけに里の外で夜を明かすのは危険だし、何より自分の畑から何日も離れるわけにはいかなかったからだ。 農耕で生活している以上、里に住む人々の大半は、畑仕事に一番時間を割かねばならなかった。 こうしてゆっくり対策に行き詰まりを感じ始めた里に人たちは、ゆっくりに詳しい者達に力を借りることを決めた。 依頼を受けたゆっくりの加工場の職員や研究者達は、効率的にゆっくりを駆除する方法を考え始めたのだった。 問題点は、以下の2つに絞られた。 どうやって人里から離れた場所(森の奥)にいるゆっくり達も駆除するか? (人里周辺のゆっくりだけを駆除しても、他所から他のゆっくりがやってきてしまう) どうやって数が多いゆっくりを一度に駆除するのか? (ちまちま殺していたら、繁殖力の高いゆっくりの数は減らない) そこで加工場の関係者達は、人工的に養殖させた「非常識なゆっくり」を大量に自然界に放流する方法を思いついた。 勿論、こんなことを春や夏や秋にやれば大変なことになるが、餌が殆ど無い冬直前にやったどうなるだろうか。 こんな計画が持ち上がったのも、研究者達の観察や実験結果により次のようなことが分かってきたからだ。 実は、ゆっくりの最大の天敵は、小動物でも人間でも妖怪でもなく、ゆっくり自身だったのだ。 たしかに、小動物・人間・妖怪はゆっくりにとって脅威となる存在だ。 本気で狙われたら、まず間違いなく殺される(or 喰われる)。 だがそれは、あくまで「狙われたら」という話であり、そんなことはあまり起こらない。 起きたとしても、ゆっくりの数を大幅に減らすほどの影響はない。 ゆっくりと生活圏がかぶっている小動物は、必ずしもゆっくりを襲うわけではない。 草食系の小動物は、まずゆっくりには手を出すことはないし、肉食系の小動物も、基本的には他の動物を狙うので、ゆっくりがターゲットになることはあまりない。 そして、人間は自分達の生活圏の外にいるゆっくりには手出しできない。 妖怪達は、食料としてゆっくりを食すことは珍しくないが、それでもゆっくりの数に殆ど影響を与えていない。 だが、他のゆっくりは違う。 生活スタイル(食べ物・居住環境・生活圏)が同じであるが故に、仲間同士であると同時に生活の糧を奪い合うライバル同士でもあるのだ。 加えて、ゆっくりという生物(食べ物か?)は基本的に自己中心的で頭が悪く、イザコザが耐えない。さらに、ゆっくりの中には「ゲス」と呼ばれる、 ゆっくりを襲うことで生活しているものや、「レイパー」と呼ばれる強姦魔もいるという。 こうした研究結果を踏まえて、ゆっくりにはゆっくりで対処する方が良いと考えられ、今回のゆっくりを養殖する実験計画が立てられたのである。 ちなみに、この方法がダメなら別の手を考える予定である。 この計画の最大の目的は、春になるまでに出来るだけ野生のゆっくりの数を減らすことだった。 とにかく、出来る限り個体数を減らし、農家にかかる負担を軽くしなければならない。 今回、ゆっくりを養殖させるにあたって、雑草や昆虫が大量に集められた。 野生にない食材を与えると、野生のゆっくりが採った餌を受け付けなくなるからだ。 それでは養殖されたゆっくりが、野生のゆっくりの餌を略奪してくれない。 さらに、養殖されたゆっくり達を「教育」する動画も製作された。 野生のゆっくり達に受け継がれている生き抜く方法とは真逆の教育を施す為だ。 他の関係者から、「もし非常識なゆっくりが越冬に成功したらどうなるのか?」という問題点も指摘された。 だが、計画を立案した研究者は自信を持って次のように答えた。 養殖場で生まれ育ったゆっくりは、自然界ではまず生き残れない。 冬以外の季節なら、自力で餌を採る方法を覚えたり、他のゆっくりと暮らし始めて生き残れるかもしれない。 仮に野生のゆっくりと暮らし始めても、自力で餌を採る大変さを理解していないから、すぐに仲違いするだろうが。 しかし、真冬ならどうだろうか。まず餌は手に入らない。人里は我々が完全に守っているから、進入することも出来ない。 おまけに、食料を食べたいだけ食べることが良いことだと教育するので、野生のゆっくりの巣を見つけ出して略奪を行っても食料はすぐに尽きるし、 最終的には共食いしつつ餓死することになる。だから、養殖ゆっくりは春までには全滅するはずだと答えた。 ゆっくりによる被害を受けていた里は、今回の実験を初めて聞いたときは随分驚いていたが、 一切お金を取らないことや、家屋に万全のゆっくり対策を施すことで了承してもらった。 ゆっくりを養殖する施設は、群れから少し離れた開けた場所につくられた。 また、養殖していることを野生のゆっくりに悟られないようにする為、 養殖場の周りを、植物で偽装した高い壁でグルリと囲んだ。そして、鍵を持った職員しか入れないようになっている。 ここで養殖して一斉に放すことになる。 本来は加工上で育てる予定だったが、ゆっくりの群れが住んでいる場所の近辺まで、大量の成長しきった養殖ゆっくりを運ぶ方法が見つからなかったので変更された。 我々は、加工所の中で育てられているゆっくり達に強制的に子供を作らせた。 そして、植物方妊娠をしている親を眠らせ、その子供を採取して隔離した。 こうすることで、他のゆっくりから教育を受けていない、何の記憶も技術も持たない赤ゆっくり(れいむ種とまりさ種)が手に入った。 全部で10匹だ。 採取した赤ゆっくり達を眠らせた状態で養殖場の中に放置した。 養殖場の中は、まだガラ~ンとしている。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりを、500匹近く収容できるように作ってあるので、仕方が無いといえば仕方が無い。 とにかく、冬直前までに相当数のゆっくりを育て上げなければならない。 ゆっくりの教育は、毎日決まった時間に映像を流す形で行われた。 朝7時になると明かりがつき、モニターに電源が入り、スピーカーから挨拶が聞こえてきた。 「やあみんな、おはよう!ゆっくりしていってね!!!」」 それを聞いた10匹のゆっくり達は一斉に、 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 と、返事を返した。 「さあみんな、ごはんだよ!ゆっくりたべていってね!!!」 そうアナウンスされると、天井に付けられた機械が、天井を所狭しと動き回りながら餌を養殖場全体にバラバラと落とした。 いずれは、養殖場いっぱいにゆっくりがひしめき合うのだから、広範囲に餌を撒かないと、餌にありつけないゆっくりが出てきてしまうからだ。 献立は毎回一緒で、甘味料と冷凍雑草と冷凍昆虫を混ぜ合わせたものだった。 基本的に、自然界で容易に手に入る、草と虫以外のものを食べさせることは許されてはいなかった。 「ゆっ!おさらさん、ゆっくりれいむのところにえさを落としてね!」「すごくゆっくりできるえささんだね」「うんめ、めっちゃうんめ!」 「くささん、むしさん、ゆっくりたべられてね!」「きかいさん、ありがとうね!」 「「「「「「むーちゃ、むーちゃ、しあわせ~!!!!」」」」」 養殖場の様々な場所に、栄養素を溶け込ませた水を出す蛇口を取り付けてあるので、 食事を終えたゆっくり達は、思う存分水分を取っていく。 「「「「「「が~ぶ、が~ぶ、しあわせ~!!!!」」」」」」 食事が終わると、今度はお勉強の時間だ。 といっても、研究所と加工場が製作した教育映像を繰り返し流し続けるだけだったが。 『腹が減ったら、他のゆっくりの巣に勝手に入って食べればいい。他のゆっくりに餌を分けない奴はゆっくり出来ない奴だ。』 「ゆっ!すってなあに!」「でもゆっくりできそうなばしょだね!」「れいむもあんなばしょがほしいよ!」 「まりさにたべものをくれないなんて、ゆっくりできないね!ぷんぷん!」 『初めて会ったゆっくりをすっきりさせてあげるのはゆっくりできること。すぐにすっきりさせてあげよう。』 「すっきりってなあに?」「なんだかすごくゆっくりできそうだよ!」 『パチュリーはずる賢い悪いゆっくりだ。ゆっくりできないから、見つけたらすぐ潰そう。』 悪そうな顔をしたパチュリーを踏み潰すイラストを流した。 「ゆっ!ゆっくりできそうにないかおだね!」「あんなのみつけたら、まりさがぎったんぎったんにしてやるんだぜ!」 『ドスは、ゆっくりしすぎで太ってる。減らしてあげれば喜ぶから、すぐに喰いつこう。』 でっぷりした大きなゆっくりを噛みちぎるイラストを流した。喰いちぎられたゆっくりはニコニコしている。 「どすはゆっくりしすぎだよ。」「だいえっとをてつだってあげなきゃね!」 『れみりゃやふらんは敵。見つけたら全力で襲い掛かろう。弱いくせに偉そうにしている。ゆっくり出来ていない。』 「へんなかおだね!」「ぜんぜんつよくなさそうだね!あんなのかんたんにつぶせるよ!」 ゆっくりを捕食する捕食種「れみりゃ」と「ふらん」。 実は、単純に力という点だけを見れば、こうした捕食種は他のゆっくりより圧倒的に上回っているわけではない。 耐久力にしても、捕食種は中華まんだ。饅頭と対して耐久力に違いはない。 基本的に、ゆっくりが捕食種に勝てない理由には、手足の有無や体格差以外にも「絶対に勝てない」という思い込みもある。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりが、複数で物怖じせずに胴付き捕食種と全力で闘えば、勝算があることは加工所の実験で証明済みだ。 捕食種というのは、頭部だけの状態なら圧倒的に飛行スピードがあるの、まず他のゆっくりに負けることは無い。 しかし、胴体付きに進化すると、手足が使える反面、スピードという利点が無くなってしまううえに、動きが鈍臭くなる。 加えて、まさか他のゆっくりが襲ってくるとは思わないだろうから、隙だらけになる。 ちなみに、フランが捕食種の中でも最強なのは、「狂気」が最大の理由として考えられている。 体格や筋力が同じでも、イカれた人間と普通の人間が喧嘩をすれば、なかなか普通の人間は勝てないのと同じ理屈だ。 養殖場のゆっくり達には、複数のゆっくりがれみりゃに体当たりして容易に転ばせたうえ、踏み潰すという映像を見せた。 映像の中では、れみりゃを殺したゆっくり達が、「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!」とれみりゃを食べていた。 他にも、 『ゆっくりの巣は、木の根元や洞窟にあるぞ!』 『草や石が固まっているところが怪しいぞ!』 といった、野生のゆっくりの巣の探し方も教えた。 とにかく、こうした身勝手な行動こそが「ゆっくりできること」だと徹底的に教え込んだ。 まあ、こういうことが本来の「ゆっくりできること」なのかもしれない。野生のゆっくりは、厳しい自然環境の中で随分妥協しているけれど。 月日が経つにつれ、次第に養殖場のゆっくりの数は増えていった。 どんなに「すっきりー!」をしても。餌はすぐに降ってくるし、いつでも栄養素が溶け込んだ水を飲めたので、 ゆっくり達は思う存分子作りが出来たのである。 最初は恥ずかしがっていたゆっくり達も、養殖場の中にプライバシーなんぞ無いことを理解すると、 どこでも、子供の前でも、平気で「すっきりー!」するようになっていった。 村では、作物の収穫やゆっくり対策がほぼ終わっていた。 我々が行ったのは、強化ガラスとの交換に始まり、建物の補修、河童の少女と協力して開発したゆっくり撃退装置の設置などの各種ゆっくり対策グッズの設置だ。 ゆっくりの群れの方でも、ほとんどの家庭で餌の貯蔵が終わっていた。後は、本格的に冬が始まったら巣を塞ぐことぐらいだ。 さて、後はこいつらを放すだけか。 俺は、養殖場内のゆっくり達を睡眠ガスで眠らせると、 外に運び出した。 「よいしょっ!・・・と。結構いますね。どれぐらい増やしたんですか?」 「大体600匹ぐらいだな。まだ実験だし、そんなもんさ。けど、もうちょっと増えたらやばかったな。500匹ぐらいを想定してたから、 これ以上増えると、養殖場が維持できなくなっちまう。そうなると、俺達の仕事に『養殖ゆっくりの間引き』なんていう面倒くさい仕事が出来ちまう。」 「じゃあ、よかったすね。」 職員達はコンテナに詰められた養殖ゆっくり達を外に運び出すと、養殖場の撤去作業も開始した。 とても「ゆっくりした」ゆっくり達が一斉に開放された・・・ 群れから少し外れた場所で、一匹のゆっくりれいむが移動していた。 もうすぐ巣穴を塞ぐのだ。来年まで外に出ることは出来ない。 だから、冬篭りの前までに少しでも外の様子を見ておきたかった。 そんな時、れいむは一匹のまりさから声をかけられた。 「ゆっ!れいむ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!まりさ!ゆっくりしていってね!」 養殖場でゆっくり育てられた養殖ゆっくりは、野生ゆっくりから見て美人に見えるらしい。 すっかり気をよくしたれいむをよそに、まりさの後ろからぞろぞろと養殖ゆっくりが現れる。 「ゆぅ、なんだかさむいよ。はやくゆっくりできるところをさがそうね」 「ぽんぽんさんがすいてきたのぜ。むーしゃむーしゃしたいのぜ。」 れいむの表情は凍りついていた。 こうして養殖ゆっくり達は次々に野生のゆっくりの群れの中心に入り込んでいった。 群れに住む野生のゆっくりたちは何事かと巣から飛び出した。 この時期に大量のゆっくりがやってくるということは、どう考えても食料や住処の略奪としか考えられなかったからだ。 だが、略奪目的にしては、やってきたゆっくりたちの顔色や肌ツヤは非常に良かった。 また、随分友好的でゆっくりとしたな態度をとっていた。 群れのゆっくりたちは次第に、 「これはもしかしたら、別の目的で群れにやってきたのかも」 とか、 「きっと冬篭り前の挨拶に来たのではないか」 と噂を始めた。ドスの元にも報告が行っていた。 そして、徐々に歓迎ムードになっていた。 だが、それから数分後、ある養殖ゆっくりの一言で状況は一変した。 「ゆっ。れいむおなかすいたよ。たべものちょうだいね。」 それを皮切りに、他のゆっくりからも食料を求める声が徐々に上がり始めた。 群れのゆっくり達は驚いた。そして、 「自分達には、あなたがたに分け与えられるような余分な食料はないこと」 と伝えたり、 「そんなに血色が良いのに、あなたたちはどうしてたべものをもっていないのか」 と質問をした。 だが、養殖ゆっくり達には、野生ゆっくりの言うことが理解できなかった。 「食べ物をくれるのはあたりまえ」「季節なんて存在しない」という環境の中で育てられた為、 「どうして食べ物をくれないのか?」「冬篭り?何それ?美味しいの?」という有様だった。 10分も経つと、群れで大騒ぎになっていた。 群れの規模は100匹前後。 しかし、やってきた養殖ゆっくりの数は100匹を優に超えていた。 群れのゆっくりは必死で養殖ゆっくりを押しとどめようとした。 ある養殖れいむが言う。 「おなかがすいたよ。たべものをゆっくりちょうだいね」 さらに養殖まりさが言う。 「たべものをださないなんてゆっくりできないね。」 「かってにもらっていくよ。」 「どいてね!はいれないよ!」 番の野生まりさと野生ありすは家の前で必死に応戦する。 「ゆ~~~!やめてね。勝手にまりさのおうちに入らないでね!でていいってね!」 「それは冬を越すのに必要な食料よ!いまたべるなんてとかいはじゃないわ!このいなかもの」 いくら押しとどめようとしたり、突き飛ばしても、次々と巣に近づく養殖ゆっくりの数にはかなわなかった。 勝手に貯蔵庫の食料に手を付ける養殖ゆっくり達。 「むーしゃむーしゃ・・・う”っべべぇ”ぇ”ぇ”ぇ”! まずっ!げろまずっ!ぺっ!ぺっ!!」 生まれて初めて甘味料のない食料を口にした野生ゆっくり達は吐き出した。 「こんなのたべものじゃないよ!あまあまじゃないよ!ほんとのたべものをかくさないでさっさとだしてね!」 甘い食料など持っていないし食べたことのない野生ゆっくり達は、自慢の保存食料をゴミのように扱われ、ショックを受けた。 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお?」 群れで一番頭のいいパチュリー種の住む巣にも養殖ゆっくり達は押し寄せた。 「ゆっ!パチュリーがいるよ!ゆっくりしんでいってね!!」「ゆっくりできないゆっくりはしんでね!」 「むぎゅう”う”!わたしがなにをしたっていうのよおあああ!」 こうして、ゆっくりが自然界で生き抜く方法を知っている重要なぱちゅりー種は息絶えた。 ドスのいる洞穴にも養殖ゆっくりが入り込んだ。 養殖ゆっくりたちは、笑顔で挨拶する。 「ドスがいるよ!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」 ドスは最初は驚くが、笑顔で挨拶を返した。 「みんな、ゆっくりしていってね!!!」 外で起きていることはまだ報告が入っていないらしい。 ぞろぞろとやってくる養殖ゆっくり達の中のある一匹が突然どすに食らいついた。 がぶ・・・ 「むーしゃむーしゃ それなりーー!」 分厚い小麦粉皮を喰いちぎって頬張る養殖ゆっくり。 一瞬何が起こったのか分からないどすの代わりに、どすの付き人をしている野生ゆっくりが叫んだ。 「どぼぢでどすのおがおだべるのおおおおお!!!どずはゆっっぐりしてるんだよおおお?ばがなの?じぬの??」 その言葉で我に返ったドスは体を壁にぶつけてそいつを潰し殺した。 「馬鹿なゆっくりはさっさと死んでいってね!」 「どぼぢでよろごんでぐれないのおおおお?ダイエッドにきょーりょくしてるでしょおお!」 理不尽な攻撃を受けていると感じた養殖ゆっくり達は、怒りに燃えてドスに攻撃した。 どすは洞窟の中で暴れようとしたが、広さも高さも足りず、ただただ噛み付き攻撃や這いずり攻撃を繰り返した。 しかし、真正面からドスの口に飛び込むものはおらず、養殖ゆっくり達は全方位から喰らいついた。 ドスは徐々にスタミナを消耗し、まるで蟻に集られる饅頭のように体の体積を減らしていった。 「もっどゆっぐりしたかったよ・・・」 こうして、群一つを潰した養殖ゆっくりによる傍若無人な振る舞いと理不尽な暴力は森の各地に住む野生ゆっくり達に広がっていった。 例えば、とある群れに属さないゆっくり一家は、苛烈な尋問の果てに皆殺しにされた。 養殖ゆっくりの集団が、けっかいで偽装された巣を見つけ、中にいた一家を強引に外に叩きだしたのである。 一家があまあまな食べ物を隠し持っているに違いないと疑ったそのグループは、執拗に尋問を行い始めた。 「あまあまさんなんてしらないよ。ゆっくりかえっていってね!」 「うそをつくななのぜ!すのなかにかくしてるのはわかってるのぜ!!!」 集団は「こーでぃねいと」された巣の中を荒らし回った。 教育であまあまの存在を信じこまされていた養殖ゆっくりの集団は、貯蔵庫の食料を掻き出し、枯葉のカーペットをひっくり返し、一夏の「おもいでのしな」をバラ撒きながら「あまあま」を探し続けた。 しかし、いくら探せどそんなものはない。 最終的に痺れを切らした集団は、一家を踏みつけ突き飛ばし餡庫のシミに変えた。 また、ある子なしの番は強引に集団でスッキリーをさせられ、茎だらけになって永遠にゆっくりした。 勿論、巣の中を滅茶苦茶に荒らされるおまけつきで。 こうして野生のゆっくり達が餡庫に変えられていくなか、空腹に耐え切れず潰れた野生ゆっくりの餡庫を貪るものも出始めた。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 極度の空腹に襲われていた養殖ゆっくり達は、同族の餡庫を貪ることにも抵抗を示さなくなっていた。 「野生のゆっくり達は、餡庫ではないあまあまを体の中に隠し持っていた」と強引に思い込み、「共喰いをしている訳ではない」と自分達を納得させたのである。 甘い食料に舌が慣れきった養殖ゆっくりは、日が経つに連れて各地の巣を血眼になって探し続けた。 執念深く巣を見つけては、中にいた種族を問わずゆっくりを引きずり出し尋問し、巣を荒らして餡庫を貪った。 とはいえ、野生ゆっくりの数が減るに連れて徐々に巣の発見率も下がり、最後の手段である同族の餡庫すら手に入りにくくなっていった。 すると、捕食種も襲撃の対象になりはじめ、洞窟に巣を作っていたれみりゃの一家も巣も襲撃を受けた。 「おぜうさまにゆっくりたべられていくんだど~♪」 養殖ゆっくり達に無防備に近づいて手を伸ばそうとしたれみりゃは、後ろから脚にタックルを喰らい、転倒した。 「おお、おそいおそい」 「おお、よわいよわい」 集団で飛び乗り喰いちぎり貪っていく。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 「ざぐや”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!」 「ま”んま”ま”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」 れみりゃの子供たちも母親と同じ運命を辿った。 その後、養殖ゆっくりによる巣の襲撃は続いたが、滅多に巣を見つけられなくなった。 巣を襲撃できない養殖ゆっくり達も次第に個体数を減らしていった。 養殖ゆっくり同士で共喰いを始めるものも現れた。 すっきりーをして子供を持ったものもいたが、動きが鈍くなるため共食の対象にされた。 対象にされなくとも、これから冬を迎える季節で育てられる可能性は不可能だろう。 それに間違った知識を教えこまれているため、子供への教育もできないので子孫を残せない。 1代限りの存在を許された養殖ゆっくり達は、共食と餓死を繰り返し、 雪が積もり始める頃には姿を消したのだった。 冬も終わり春がやってきた。 月日が経ってもゆっくりによる被害は報告されず、ゆ害は皆無になっていた。 この試み因る効果は数年続くことも分かり、安い初期投資で高い効果が得られることから他の地域でも導入されることになった。 こうして、毎年冬が近づくと野生のゆっくりと養殖のゆっくりによる殺し合いが森の各地で行われることになったのである。 完- かれこれ何年ぶりの投稿でしょうか。 何年か前に途中まで書いた作品を、今日終わりまで書き足して投稿しました。 witten by 御湯栗 過去の作品 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4035.html#id_dd2fb33a
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1560.html
このページには、ゆっくりいじめ系751~1000まで一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 750以前および1001以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.250 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ系751 代表ゆっくり(前)制家共機無 ゆっくりいじめ系752 代表ゆっくり(後)制家共機無 ゆっくりいじめ系753 殺されたお兄さん制性無 ゆっくりいじめ系754 ゆっくり死に至る制薬 ゆっくりいじめ系755削除 ゆっくりいじめ系756 ゆっくりニトロ (上)虐薬家無 ゆっくりいじめ系757 ゆっくりニトロ (下)虐薬家無 ゆっくりいじめ系758 ゆっくりのんでいってね!虐家無 ゆっくりいじめ系759 嘘虐 ゆっくりいじめ系760 とうぎじょう虐薬共無 ゆっくりいじめ系761 ゆっくり兵制無 ゆっくりいじめ系762 星とゆっくりそ無 ゆっくりいじめ系764 究極お兄さん制無 ゆっくりいじめ系765 子沢山(植物篇)虐性無 ゆっくりいじめ系767 おしつぶし虐家無 「ゆっくりいじめ系768 ……で?2は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系769 ゆっくり禅譲_1制無 ゆっくりいじめ系770 ゆっくり禅譲_2制無 ゆっくりいじめ系771 嫉妬虐 ゆっくりいじめ系772 虐食おにいさん虐制料家共無 ゆっくりいじめ系773 虐食おにいさん2そ無 ゆっくりいじめ系774 ゆっくり推進委員会4虐環捕無 ゆっくりいじめ系775 風呂嫌いの結末虐家 ゆっくりいじめ系776 七転び八起き虐薬 ゆっくりいじめ系777 感謝の気持ち虐そ家 ゆっくりいじめ系778 あるカップルの日常 ~我が家にてんこがやってきた~虐家料無外 ゆっくりいじめ系779 やあ、僕は虐待お兄さん制復無外 ゆっくりいじめ系780 教育!田舎ゆっくり虐無 ゆっくりいじめ系781 髪飾りの影響 後 「まりさ」(ぼうしれいむ)虐環家無 ゆっくりいじめ系782 非ゆっくり過敏症虐家無外 ゆっくりいじめ系783 家にゆっくりが現れた虐性無外 ゆっくりいじめ系784 ゆっくりアトラクション(前)虐環家機無外 ゆっくりいじめ系785 ゆっくり小さくなってね!虐家機無 ゆっくりいじめ系786 雨の日虐家無 ゆっくりいじめ系787 ゆっくり四国史虐 ゆっくりいじめ系788 『完璧なゆっくり』≪準備2≫虐薬無 ゆっくりいじめ系789 ドスまりさとゆうか3制無 ゆっくりいじめ系790 ある夏祭りとゆっくり菓子虐無 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶制性家無 ゆっくりいじめ系792 ゆっくり闘技場(性)-1制性無 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと虐薬無 ゆっくりいじめ系794 野生のれみりゃ家族虐そ 家 捕 ゆっくりいじめ系795 ゆっくりのいる街8虐家無 ゆっくりいじめ系796 まりさをみて_1虐制無 ゆっくりいじめ系797 まりさをみて_2虐制無 ゆっくりいじめ系798 ゆっくりのいる時間虐家無 ゆっくりいじめ系799 きめぇまる虐そ家 ゆっくりいじめ系800 まりさつむりの記憶・前編 虐 環 ゆっくりいじめ系801 まりさつむりの記憶・中編 虐 制 性 ゆっくりいじめ系802 まりさつむりの記憶・後編 虐 制 家 ゆっくりいじめ系803 汝は餡狼なりや?(問題編)虐制家無 ゆっくりいじめ系804 汝は餡狼なりや?(解答編)虐制家無 ゆっくりいじめ系805 汝は餡狼なりや?(解決編)虐制家無 ゆっくりいじめ系806 ゆっくりジュースそ無 ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編)制道{無 ゆっくりいじめ系808 ティガれみりゃ制捕 ゆっくりいじめ系809 虐める国と愛でる国虐環機無 ゆっくりいじめ系810 ゆっくり釣り虐そ家機無 ゆっくりいじめ系811 ある森の危機制捕無 作者さんの要望により削除しました。 ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子そ性家無 作者さんの要望により削除しました。 ゆっくりいじめ系815 巨大まりさ襲来制無 ゆっくりいじめ系816 眼中にないということの方が虐められることよりひどいと思うんだ虐無外 ゆっくりいじめ系817 ティガれみりゃ2虐環捕 ゆっくりいじめ系818 すっきりしたくないありす虐そ性無 ゆっくりいじめ系819 嫌われありすの一生虐家捕無 ゆっくりいじめ系820 きめぇ丸といっしょ2 ハロウィンゆっくり虐家捕無 ゆっくりいじめ系821 ティガれみりゃ3制家捕 ゆっくりいじめ系822 ドスの中身虐性共機無 ゆっくりいじめ系823 保護場制共無 ゆっくりいじめ系824は削除されました ゆっくりいじめ系825 ゆっくりを飼おう虐環性家共無 ゆっくりいじめ系826 ゆっくり魔理沙が極限までゆっくりできる話3(前)虐環性無 ゆっくりいじめ系827 ゆっくり魔理沙が極限までゆっくりできる話3(後)虐薬性家無 ゆっくりいじめ系828 あるゆっくりまりさの一生 前編虐制性共捕 ゆっくりいじめ系829 Anarchy in The YK虐無 ゆっくりいじめ系830 豚小屋とぷっでぃーん 2虐捕無 ゆっくりいじめ系831 選んだ理由制料無 ゆっくりいじめ系832 湖のまりさ虐制家共 ゆっくりいじめ系833 ゆっくりできない家(前編)虐無 ゆっくりいじめ系834 ゆっくりできない家(後編)虐無 ゆっくりいじめ系835 みんなのゆるフ5虐家共道無 ゆっくりいじめ系836 こんな台詞を聞くと・・・虐制無外 ゆっくりいじめ系837 楽園の素敵なぺにぺに虐制性料 ゆっくりいじめ系838 ゆっくりジャグリング虐家無 ゆっくりいじめ系839 赤い靴制性外 ゆっくりいじめ系840 ゆっくりロボコン前編虐機無外 ゆっくりいじめ系841 ゆっくりロボコン後編虐性家機外 ゆっくりいじめ系842 ティガれみりゃ4虐 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2制無 ゆっくりいじめ系844 あるロボットゆっくりーだーの話(後編)制無 ゆっくりいじめ系845 ゆっくりと虫歯そ無 ゆっくりいじめ系846 ゆっくりがんばるよ制環家機無 ゆっくりいじめ系847 あるゆっくりまりさの一生 中編-1虐家捕 ゆっくりいじめ系848 風船Ⅱそ家 ゆっくりいじめ系849 風船Ⅲそ家 ゆっくりいじめ系850 ゆっくり研究2虐環薬機無外 ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子制無 ゆっくりいじめ系852 ある愚者の孤独な復讐(前編)1復無 ゆっくりいじめ系853 ある愚者の孤独な復讐(前編)2復無 ゆっくりいじめ系854 ゆっくりバイブレーション1 虐 薬 家 無 ゆっくりいじめ系855 ゆっくり水難事故虐家無 ゆっくりいじめ系856 赤ちゃんれいむとすりすり 虐 家 無 ゆっくりいじめ系857 漂流帽子虐家無 ゆっくりいじめ系858 ゆっくりセラピー虐家機無 ゆっくりいじめ系859 ぐだり話虐 ゆっくりいじめ系860 漂流教室パロくずれ虐捕道 ゆっくりいじめ系861 ある愚者の孤独な復讐(後編)_1虐家無 ゆっくりいじめ系862 ある愚者の孤独な復讐(後編)_2虐制復無 ゆっくりいじめ系863 丘の手向け花制家無外 ゆっくりいじめ系864 不可侵協定制無 ゆっくりいじめ系865 二択制家無 ゆっくりいじめ系866 ドス対策制無 ゆっくりいじめ系867 あるゆっくりまりさの一生 中編-2虐制性家捕 ゆっくりいじめ系868 ゆっくりに育てられた子制家無 ゆっくりいじめ系869 ゆっくり外交の手引き_1虐家無 ゆっくりいじめ系870 ゆっくり外交の手引き_2虐環家無 ゆっくりいじめ系871 被虐待ゆっくりプレイスそ無 ゆっくりいじめ系872 銀色の憂鬱制無 ゆっくりいじめ系873 べたべたのお肌虐無 ゆっくりいじめ系874 ゆっくりに心囚われた男虐無 ゆっくりいじめ系875 楽園2-裏側虐性無 ゆっくりいじめ系876 二択2 「ゆっくりいじめ系877 ゆっくりさせられましたは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系878 画面の中の餡GS(序) ゆっくりいじめ系879 あるゆっくり家族の話 ゆっくりいじめ系880 さらちくび制 ゆっくりいじめ系881 ゆっくりアトラクション(後) ゆっくりいじめ系882 七匹のゆっくり ゆっくりいじめ系883 解体お兄さん ゆっくりいじめ系884 晒し首 ゆっくりいじめ系885 ドスまりさVS虐め大好きな子供 ゆっくりいじめ系886 ゆっくりディグダグ ゆっくりいじめ系887 ゆっくり埋め ゆっくりいじめ系888 元気な赤ちゃんゆっくり虐環家無 ゆっくりいじめ系889 頭 ゆっくりいじめ系890 技巧派まりさの誕生_1 ゆっくりいじめ系891 技巧派まりさの誕生_2 ゆっくりいじめ系892 ゆっくりディグダグⅡ ゆっくりいじめ系893 虐待おばば3 ゆっくりいじめ系894 不幸なきめぇ丸 ゆっくりいじめ系895 あるゆっくりまりさの一生 後編 ゆっくりいじめ系896 ハチとゆっくり ゆっくりいじめ系897 戻るゆっくり ゆっくりいじめ系898 脛毛話 ゆっくりいじめ系899 ゆっくり蜜柑 ゆっくりいじめ系900 膿と膿復 ゆっくりいじめ系901 ゆっくりレティの生涯 (前編) ゆっくりいじめ系902 ゆっくりレティの生涯 (後編) ゆっくりいじめ系903 因幡の白ゆっくり ゆっくりいじめ系904 ゆっくりキャベツ ゆっくりいじめ系905 ゆっくりは食材 ゆっくりいじめ系906 屑制 ゆっくりいじめ系907 ゆっくり和三盆 作者により削除されました 作者により削除されました 作者により削除されました ゆっくりいじめ系911 ゆっくりのいる日常 ゆっくりいじめ系912 ゆっくり蜜柑修正(温州) ゆっくりいじめ系913 頭 ゆっくりいじめ系914 はじめてのひとりぐらし ゆっくりいじめ系915 下衆制家 ゆっくりいじめ系916 ゆー郭 ゆっくりいじめ系917 ゆっくり水虫 ゆっくりいじめ系918 ゆっくり全匹集合 ゆっくりいじめ系919 黒い黒い瞳一つ ゆっくりいじめ系920 ゆっくり水虫(治療編) ゆっくりいじめ系921 ゆー郭2 ゆっくりいじめ系922 ゆっくり染物 ゆっくりいじめ系923 名物餡玉 ゆっくりいじめ系924 ゆっくり姉妹 前編 ゆっくりいじめ系925 ゆっくり姉妹 後編 ゆっくりいじめ系926 崇める国 ゆっくりいじめ系927 仄暗い水の底から ゆっくりいじめ系928 ゆっくり?放屁 ゆっくりいじめ系929 甘やかした結果 ゆっくりいじめ系930 ゆっくりヘルニア(前) ゆっくりいじめ系931 ゆっくりヘルニア(後) ゆっくりいじめ系932 愛しのありす そ 性 無 ゆっくりいじめ系933 ゆっくり伝 ゆっくりいじめ系934 ゆっくり森の妖精 ゆっくりいじめ系935 ゆっくり森の妖精2 ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ 作者により削除されました ゆっくりいじめ系940 三角の頭巾 ゆっくりいじめ系941 ゆっくりかくれんぼと振り返り虐 ゆっくりいじめ系942 無尽庭園 ゆっくりいじめ系943 ようこそ、ゆっくり歌劇団へ! 1 ゆっくりいじめ系944 ようこそ、ゆっくり歌劇団へ! 2 ゆっくりいじめ系945 ようこそ、ゆっくり歌劇団へ! 3 ゆっくりいじめ系946 ようこそ、ゆっくり歌劇団へ! 4 ゆっくりいじめ系947 変態ありすの末路(前編)制環性家共無 ゆっくりいじめ系948 変態ありすの末路(後編)制環性家共無 ゆっくりいじめ系949 鬼意山と飼いゆっくり虐制環家共無 ゆっくりいじめ系950 黒い春は秋ですか? ゆっくりいじめ系951 ゆっくりこんにゃく ゆっくりいじめ系952 白線出たら死ぬよな普通 ゆっくりいじめ系953 狂気 作者さんの要望により削除しました。 ゆっくりいじめ系955 ゆっくりアサシン~お兄さん遊び編 ゆっくりいじめ系956 ゆっくりハンター 「ゆっくりいじめ系957 ご奉仕するにゃん♪まえのおはなしっ☆は作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ系958 猫と踏み切りとゆっくりと ゆっくりいじめ系959 ありすに厳しい群れ(前) ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみたそ機無 ゆっくりいじめ系961 ゆっくり育児放棄(前編)虐性家共無 ゆっくりいじめ系962 ゆっくり育児放棄(後編)虐性家共無 削除しました ゆっくりいじめ系964 ミニマムゆっくり虐家共無 ゆっくりいじめ系965 ドスを継ぐもの 1 ゆっくりいじめ系966 ドスを継ぐもの 2 ゆっくりいじめ系967 カントリーガール 1虐無 ゆっくりいじめ系968 カントリーガール 2共性無 ゆっくりいじめ系969 ゆうかによる蹂躙 ゆっくりいじめ系970 冬の味覚 ゆっくりいじめ系971 五分の魂 ゆっくりいじめ系972 ゆっくりまりさの渡し ゆっくりいじめ系973 一斉射撃 ゆっくりいじめ系974 0歳の母 ゆっくりいじめ系975 0歳の母2 ゆっくりいじめ系976 そこには、なにもなかった 1 ゆっくりいじめ系977 そこには、なにもなかった 2 ゆっくりいじめ系978 ゆっくりぴこぴこ ゆっくりいじめ系979 復讐の森 ゆっくりいじめ系980 いじめダメ絶対(ゆっくりは可) ゆっくりいじめ系981 ゆっくりおりんの生活そ性家 ゆっくりいじめ系982 行列の出来るゆっくり ゆっくりいじめ系983 ゆっくりCUBE外伝(前) ゆっくりいじめ系984 てんことお兄さん1 ゆっくりいじめ系985 みんなのゆっくり神社虐制無 ゆっくりいじめ系986 古くて新しいおうちそ環家無 ゆっくりいじめ系987 僕とわがまままりさのギスギスした朝 ゆっくりいじめ系988 山の災難 ゆっくりいじめ系989 ヤブ ゆっくりいじめ系990 ゆっくり地に還れ ゆっくりいじめ系991 蟻地獄 ゆっくりいじめ系992 原点 ゆっくりいじめ系993 バレンタインデイ ゆっくりいじめ系994 ゆっくり虐待観察日記 ゆっくりいじめ系995 普通のゆっくり虐め ゆっくりいじめ系996 うちのゆっくりれいむ~前編~ ゆっくりいじめ系997 林檎の木とゆっくり ゆっくりいじめ系998 美鈴の拳 ゆっくりいじめ系999 ゆっくり茸狩り ゆっくりいじめ系1000 ゆっきん
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/564.html
赤ん坊ゆっくりを弾にした狙撃銃を作りたい。 射撃の的には親ゆっくりを使いたい。 その為に親れいむと子れいむ2匹の3匹家族を用意した。 親れいむを抱えると 「ゆ?だっこもいいけどはやくれーむのあかちゃんに会わせてね!」と言うので 「今からそこに赤ちゃんをとどけてあげるからね!ゆっくり待っててね!」と言っておく。 「ゆ!じゃあここでゆっくり待ってるね!はやくしてね!」 どっちだ。 そう思いつつ赤い旗を揚げて眼で確認できない程度に遠くにいる仲間に合図する。 ━━━━・・・・・ヒューーーーーン ドシャァア!!! 何かが俺たちの前を物凄い速さで通過し、 親れいむを抱えて立っている脇の白壁に、突如茶色の汚れが現れる。 「ゆ!!!??」と一瞬ビクリとし、そしてしげしげとその染みを見ている親れいむ。 やや間をおいて 「・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れ゛いむあがぢゃんがあああああ!!!」 茶色の染みは餡子、その下に落ちたリボンが某かのゆっくり種が壁に叩きつけられたことを 表してはいるが、それが自分の子どもと分かるとはこれも母性というものなのか。 「あがぢゃんんんんんぼがぁ!!??」 涙を流し未だ叫ぶ親れいむの口を片手で塞ぎ、そのまま軽く締め上げる。 「・・・とまあ、お前の子どもを今みたいにぶっ飛ばす機械を作ったわけだが、今からもう一匹ここに飛ばす」 親れいむの目が見開いた。 どうやら次にもう一人の自分の子が犠牲にされようとしていると察したらしい。 こういうときだけは勘がいいのだな。 「しかし俺たちも鬼じゃない、チャンスをやるよ」と口を塞いでいた手を離してやる。 「ぶぼぁ!ゆ゛!どういうことなのかちゃんとせつめいしてね!」 「いいか、さっきおまえの子供がここ飛んできたよな?機械の狙いはさっきと変わってない。つまり次もここに来るってわけだ」 「ゆ!!はやくけつろんをいってね!」 イラッときてここでぶっ潰してやろうかと思ったがせっかく藪の中に数時間スタンバイしている仲間の努力を無為にはできん。 「つまりそこの餡子の染みんとこにまた来るから、壁に当たる前にお前が捕まえれば助かるだろ」 「・・・ゆ!!わかった!ゆっくりたすけるよ!おにいさんはじゃまだからそこをどいてね!」 と言ってずんずんと染みの前に立ちはだかる親れいむ。 俺は位置についたのを見て再び合図の旗を揚げた。 「さあゆっくりいつでもあかちゃんをうってきゆ゛ぼばあ゛あ゛ああ!!!」 愚かな饅頭。 皮と餡子でできた脆弱な体で音より速く飛ぶものを抑えられると思ったのか。 白壁に新しくできたさっきより大きな茶色の染みと、下に落ちた大小二つのリボンを見て この機械を使った新しいゆっくり狩ができると確信を得た充実感に浸る午後だった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1915.html
どかーんと、何やら爆発音がしたので行ってみたら、飼っているゆっくり魔理沙が巨大化していた。 『ゆゆーん!おにいさん!まりさ、ドスになっちゃったよー!』 昨日の夜までバスケットボールサイズだったのに、なぜか体長が4m近くになっている。 長く生きたまりさがドス化するという話を聞いたことがあったが、まさかウチのまりさがドス化するとは。 ちなみに5歳だ。 「とりあえず散歩に行くか」 『ゆっくりりかいしたよ!』 散歩の時間だったので、とりあえずドス化したまりさを散歩につれていくことにする。 「ゆ!ドスがいるよ!」 「ドスだ!」 「すごくゆっくりしたドスがいるよ!」 散歩中、野生の糞饅頭がわらわらと俺のまりさに集まってきた。 ドスの群れにいれてね、などとふざけたことをぬかすので踏みつぶしながら歩くハメになった。 近くの公園でまりさと仲良くゆっくりしていると、100匹近くのゆっくりが集まっていた。 「ゆゆーん!ドスまりさ、いっしょにゆっくりしようね!」 「れいむもいっしょにゆっくりしたいよ!」 薄汚い笑顔をひっつけて、まりさにすりすりをしようと近寄る饅頭ども。 それを止めたのは俺ではなく、ドスまりさだった。 『ゆ!くっさいゆっくりは、ちかよらないでね!』 昨日、しっかりシャンプーやらで洗ったドスまりさはとてもきれいだったのだ。 野生のゴミ溜めのようなにおいを発するゆっくりなど、飼いゆっくりのドスまりさには耐えられないものだったのだ。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉ!?」 「いっじょにゆっぐりじようよぉお!!」 『うるさいよ!まりさはおにいさんとしかゆっくりしないよ!!おばかさんたちはゆっくりりかいしてね!』 そう、まりさは俺だけのペットなのだ。 こんな鼻くそみたいな連中と遊ばせるわけにはいかない。 「にんげんどゆっぐりずるドスなんがじねえええ!!」 「ちね!ゆっくちちね!」 「うらぎりものぉおお!!」 裏切るもなにも、元から仲間でない。 「おい、まりさ。ご飯食べていいぞ。大きいからお腹すいただろ?」 『ゆ!とってもうれしいよ!いっぱいたべるね!!』 ちなみに、このまりさには5年間ずっと赤ちゃんゆっくりをエサに食べさせていた。 生まれたときから赤ゆっくりを食べていたので、もはや小さいゆっくりはエサにしか見えない。 ドス化したまりさには、成体ゆっくりすら赤ゆっくりに見えるだろう。 ブルドーザーのように広場のゆっくりを食べる俺のまりさ。 うーん、なんてプリティーなんだ。 おわり。 作:ユユー このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/969.html
ゆっくりいじめ系685 ゆっくりのいる街7 ※人物オリジナル注意 「ゆっくりやめてね!!!ゆっくりさせてね!!!」 「ゆっくりにげるよ!!!ゆっくりこないでね!!!」 「逃がすなー!」 「だいじょーぶだって!すぐ追いつけるよ!」 「ほーら追いつめた」 「ゆっくりやめてね!!!ゆっくりやめてね!!!」 「ゆっくりさせてね!!!ゆっくりさせてね!!!」 「「やーだよ!」」 「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁあああぁぁあ!!!」 「もっどゆっぐりじだがっだよおおおぉぉおぉぉおお!!!」 ドスまりさが死んで数日が経った。 ドスの里全滅の知らせを受けたことにより今までドスを恐れてなりを潜めていた虐待派やゆっくりの存在自体を快く思ってなかった者達、 また「ドスまりさが人間を殺そうとしていた」事実を知りゆっくりの危険性を感じ取った者達は 毎日のようにゆっくりを狩り続けていた。 善いゆっくりも悪いゆっくりも関係なく。 いや、彼らはみなこう思っていた。 「ゆっくりの存在自体が悪なのだ」と。 人々がゆっくりを狩り続けた甲斐があり、この街にいるゆっくりの数は極端に減った。 「この街はゆっくりできない」そんな噂がゆっくり達の間に流れ始めたこともある。 今この街にいるゆっくりはその噂を知らぬ者、それを知りながらこの街で「ゆっくり」している己の力を過信した愚か者、食糧難でやむなく街に降りてきた者の 三通りしかいなかった。あまり変わらないような気がするが… 「あーあ。また獲物を逃しちまった…」 この少年もまた虐待派の一人。ドスまりさの里を滅ぼした張本人である。 彼は「ゆっくりがいない世界」を目指し日々ゆっくりを狩り続けていた。 しかし狩りを続けていくうちにサディスティックな感情に支配され、今では虐殺より虐待がメインとなっていた。 今日も虐待対象のゆっくりを見つけてすっきりしたいと思っていたのだが、ここ数日ゆっくりが問答無用で狩られているため、 なかなかフリーのゆっくりが見つからないのである。 例え見つけてもすぐ近くにいる人間と争奪戦に発展する。そうなってはケンカも弱く走るのも遅い少年には勝ち目がない。 子供と奪い合うのも非常に大人げない。 自分で蒔いた種とは言え、少年はすっきりできなかった。 そんな時。 「ゆっ!!!ここまでくればあんしんだね!!!ゆっくりおうちにかえるよ!!!」 一匹のまりさを見かけた。辺りをキョロキョロしている。人間から逃げていたのだろう。 帽子からは大根の葉っぱが覗いている。八百屋の野菜を盗んできたらしい。 少年は小さくガッツポーズをした。辺りには誰もいない。つまりこの「獲物」は自分が独り占めできる…そう思った。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!!……あああぁぁぁぁあああぁあああぁあああ!!!にんげんだああぁぁぁあぁあああ!!! どうじでごんなどごろにいるのおおぉおぉぉおおおお!!!」 「ここは人間の街だぞ。何処にでもいてもおかしくないだろ。ところでお前は何をしているんだ」 「ゆゆっ!!?ままままりさはなにもしてないよ!!!おやさいをぬすんでなんかないよ!!!」 あっさり口を滑らせた。 少年は野菜を隠しているであろう帽子を取り上げてやった。 案の定大根やトマト、ジャガイモや人参などが少量だが隠されており、全て地面に落ちた。 「か、かえしてっ!!!まりさのすてきなおぼうしかえしてね!!!」 「素敵なお帽子だぁ…?」 ぶち撒けられた野菜など気にもとめず、帽子を返せと懇願するまりさ。 少年はまりさの自慢の帽子を覗き込む。 ところどころ虫に食われていたり、リボンは若干黄ばんでいたり、少々黒ずんだ何かもついていたりでとても清潔と言えるものではなかった。 「これのどーこが「すてきなおぼうし」だよwwどうみてもただのボロ布じゃねーかww」 「ま、まりさのすてきなおぼうしばかにしないでね!!!いいからすてきなおぼうしかえしてね!!!」 ゴミを素敵素敵と連呼するまりさに対し苛立ちを募らせる少年。 すると、あることを思いついた。 ゆっくりがここまで自分の装飾に拘るのは、自分の仲間に認識されなくなってしまうからである。 ゆっくりは主に装飾でしか仲間の識別ができない馬鹿なナマモノなのである。 帽子や飾りを無くしたゆっくりは群れの仲間から見放され、制裁を受けることになるのだ。 もっとも、ちゃんと仲間を認識できるゆっくりもごくまれにいるのだが。 「オッス!オラまりさ!よろしく!」 少年はまりさの薄汚い帽子を被り、そう言い放った。その見た目はインチキ臭い魔法使いそのものだった。 「ゆっ!!!おにーさんはまりさじゃないよ!!!まりさはまりさだよ!!!ゆっくりりかいしてね!!!それからすてきなおぼうしかえしてね!!!」 「ハハハ何言ってるんだぜこの饅頭は!俺がまりさだぜ!この帽子は俺が見つけたから俺のものだぜ!その野菜だってどうせお前が「見つけた」から盗んできたんだぜ!?」 「どう゛でも゛い゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉぉお゛おお゛お!!!ばり゛ざの゛お゛ぼう゛じい゛いい゛ぃぃぃぃい゛いい゛い!!!」 連中お得意のゆっくりずむ宣言にも耳を貸さずただ帽子を返せと叫び無駄な跳躍を続けるまりさ。 ここまで鬱陶しいと即殺してしまいそうなものだが、少年はあえてそうしなかった。 少年の考えは、このまままりさに成り済まし、連中の群れに混ざることにあった。 少年は残り少ない夏休みを、ゆっくり一家のホームステイに使うことに決めていた。 街にゆっくりがいないなら、連中の住処に行けばいい。 だからここで殺してしまえば巣の場所を聞き出すことができない。 「まりさ!!!こんなところにいたんだね!!!しんぱいしたんだよ!!!」 すると反対側の道から二回りほど大きいまりさが現れた。このまりさの母親なのだろう。 「にんげんのまちにちかづいたらゆっくりできないっておしえたでしょ!!!はやくゆっくりおうちにかえろうね!!!」 「ゆっ!!!おかあさんごめんなさい!!!にんげんのたべものはおいしいってれいむがおしえてくれたからいってみたくなっちゃったんだよ!!! おかあさんのいうとおりだったよ!!!にんげんがまりさのすてきなおぼうしとっちゃったの!!!ゆっくりとりかえしてね!!!」 「ゆっ!!?ぼうしのないへんなこがいるよ!!!」 「ゆゆっ!!!まりさはまりさだよ!!!おかあさんのかわいいまりさだよ!!!」 「おかあさんなんてよばないでね!!!まりさはぼうしのないへんなゆっくりをうんだおぼえはないよ!!!」 「どう゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛お゛おお゛お゛ぉぉぉぉおぉおお゛おお゛!!!」 やはり認識できていない。これは当たりだ。少年はそう思った。 「まりさ!!!おうちにかえろうね!!!いつまでもここにいたらゆっくりできないよ!!!」 少年に対し帰るよう促す親まりさ。 しかし全く大きさも姿形も違うというのに全然気づかないとは。恐ろしや。 「わかったんだぜ!!!さっさとおうちに案内…じゃない連れて行ってくれだぜ!!!」 「ゆっ!!!じゃあゆっくりついてきてね!!!おかあさんについてくればあんしんだからね!!!」 来た道を戻る親まりさとそれについて行く少年。 このやりとりを見ていた本物のまりさはたまったものではない。 「ゆっくりまってね!!!まりさをおいていかないでね!!!すてきなおぼうしもかえしてね!!!」 「うるさいよ!!!ぼうしのないへんなことはゆっくりできないよ!!!こっちにこないでね!!!ひとりでゆっくりしてね!!!」 「びどい゛よ゛お゛があ゛ざあ゛あ゛ぁああ゛ぁぁあ゛ぁぁあ゛ぁぁあ゛ああ゛ん゛!!! ま゛り゛ざがま゛り゛ざな゛の゛に゛い゛いぃい゛い゛いぃぃぃい゛いい゛!!!そっぢにい゛る゛の゛ばに゛ぜも゛の゛な゛の゛に゛いい゛い゛ぃいぃぃい゛ぃいい゛!!!」 必死なまりさ。心の底から信頼していたお母さんが、自分に成りすました人間を「まりさ」と呼んでいる。 どうして伝わらないの。どうしてまりさの言うことを信じてくれないの。 そう思って母に呼び掛けていると、まりさに成りすました人間がこちらの方に戻ってきた。 「ゆっ!!!まりさのすてきなおぼうしかえしにきてくれたんだね!!!ゆっくりかえしてね!!!そのあとおにいさんはゆっくりしんでね!!!」 まりさは少年を完全に敵と見なしていた。 これでやっとお母さんの元に戻れる…そんな思いとは裏腹にまりさの体は宙に浮いていた。 少年に髪を掴まれているのだ。 「ゆっ!!!ゆっくりはなしてね!!!きたないてでまりさのきれいなかみにさわらないでね!!!」 「ごちゃごちゃ五月蠅い奴だぜ!!!綺麗な髪だって!?笑わせるんだぜ!!!あちこち泥で汚れて汚いぜ!!!まだ俺様の方が綺麗だぜ!!!」 まりさの髪を罵倒する少年。少年は嘘を付いてはいない。ゆっくりは綺麗好きなナマモノだが、体型上手入れが行き届いていない部分も多い。 ゆっくりの間では綺麗でも人間基準では十分汚いと言えるのだ。 野生に生きるナマモノなのである程度は仕方がないのかもしれない。 「まりさのかみばかにしないでね!!!いいからゆっくりはなしてね!!!ゆっくりさせてね!!!おぼうしかえしてね!!!ゆっくりしんでね!!!」 「注文の多い野郎だぜ!!!どの道お前はもう用済みだぜ!!!苦しんで死ぬがいいぜ!!!」 少年はまりさをスイングして壁に叩き付けた。 「ゆびゅっ!!!?」 まりさの歯は何本か折れ、衝撃で体から餡子が噴き出した。 その様子を見ていた母まりさは 「なにやってるの!!!ぼうしのないへんなこでもひとりでゆっくりするけんりはあるよ!!!ゆっくりさせてあげてね!!!」 少年の行いを止めようとしている。 装飾無しは群れから排斥され、最悪殺されることもあるのだが。 いくら帽子が無い変な奴とはいえ同族のまりさだ。流石にやり過ぎだと思ったのだろうか。 実の子供だと思うと非常におかしな話である。 「お母さんは黙ってるんだぜ!!!帽子の無い奴はゆっくりできないんだぜ!!!この世でゆっくりできないんならあの世でゆっくりさせてあげるのが 「せめてもの慈悲」って奴なんだぜ!!!ゆっくり理解してね!!!」 少年は適当に理由を作って母まりさを諭した。 少年はまりさが死ぬまで叩き付けるのをやめるつもりはなかった。 「ゆびゅううぅ!!!」 「ゆびゃああぁああ!!!」 「ま゛り゛ざの゛あ゛んごお゛お゛おぉぉぉお゛ぉお!!!」 「じぬ゛っ!!!じんじゃう゛う゛うぅ゛うう゛ぅぅう゛う!!!」 「や゛べでっ!!!ゆ゛っぐりざぜでえ゛ええ゛ぇぇえ゛ぇえ゛え!!!」 「お゛があざあ゛ぁぁぁあ゛あん!!!だずげでえ゛え゛えぇぇえ゛ええ゛え!!!」 「ハハハ!!!地獄で永遠にゆっくりできない生活を送るがいいんだぜ!!!」 母まりさは何も言わなくなった。 ただその惨状を見るのが辛いのか、目を瞑り震えている。 そんな母まりさの耳にはまりさの悲痛な叫びも少年の先程と矛盾した言葉も届かなかった。 「ゅ…も…じ……た……」 まりさは皮だけとなり息絶えた。 「さぁゴミの始末は済んだんだぜ!!!さっさとおうちに帰るんだぜ!!! 「ゆ……そうだね!!!ゆっくりしてるとにんげんにみつかるから、ゆっくりしないでいこうね!!!」 母まりさは先程の少年の言葉を信じ、帽子無しまりさの死を忘れることにした。 (てんごくで、ゆっくりしていってね。こんどはぼうしのあるこにうまれるといいね) 心で祈りを捧げた後、再び巣を目指して跳ね始めた。 第八話「オッス!オラまりさ!一日目」 「みんな!!!ゆっくりかえってきたよ!!!おねえちゃんもいっしょだよ!!!」 「「「おかえりなさい!!!ゆっくりしていってね!!!」」」 「「「「「「「ゆっくいちていっちぇね!!!」」」」」」」 町はずれのそう遠くない森…ドスのテリトリーの一部だった場所に、まりさの巣の洞窟はあった。 ドスがいなくなったとはいえ、この場所に人間が立ち入ることは滅多に無い。 もう狩り尽くされたと思っているからだろう。 家族構成は母まりさ、子まりさ三匹、赤まりさ七匹。 全員の大きさから察すると、少年が殺し成りすましたまりさは長女だったようだ。 「お姉様のお帰りだぜ!!!邪魔だからさっさと道を開けるんだぜ!!!」 「「「ゆっ!!!おねーちゃん、ごめんなさい!!!」」」 「「「「「「「ゆっくいやちゅんでね!!!」」」」」」」 横柄な態度の少年に素直に従う妹達。 一家の中での長女のカリスマ性は絶大のようだ。 たった一匹で人間の街に乗り込んでくる程だ。相当な猛者だったのだろう。こいつらの中では。 「まりさ!!!おとうさんにゆっくりおかえりなさいのほうこくをしようね!!!」 「はい???」 母の案内で奥に進むと大きな帽子が置いてあり、傍らには花が供えてあった。 先程の言葉と照らし合わせると、これが父まりさの墓標であることはすぐにわかった。 しかし少年は、父まりさの死因も、家族の境遇も一切知らなかった。 「こいつはどういうことなんだぜ!!?ゆっくり説明してほしいんだぜ!!!頭打ってちょっと忘れちまったんだぜ!!!」 「ゆぅ…しょうがないね、ゆっくりせつめいするからちゃんときいてね!!!」 少年は適当な言い訳をして家族の境遇の説明を要求した。 今から数日前、この巣に胴つきのれみりゃが現れた。 その時父まりさが自分の身をを犠牲にして家族を守ったのだ。まりさのくせに。 ちなみにれみりゃは父まりさを食って腹一杯になったから帰ったようだ。 その後、夫の形見である子供達を守ろうと母まりさは奮闘しているらしい。まりさのくせに。 その証拠に子ゆっくり達はどれもぷりぷりしており、ツラのふてぶてしさに磨きがかかっているあたり余程大切に育てられていることが伺える。 少年からすれば反吐の出る身の上話だったが、それはそれで面白いシチュエーションだと思っていた。 「どうしたの!!?おとうさんにゆっくりあいさつしてね!!!」 話を聞き、墓標から立ち去ろうとする少年を呼び止める母まりさ。 「うるさいんだぜ!!!挨拶したってどうせ死んでるんだから関係ないんだぜ!!!ゆっくり理解してね!!!」 饅頭相手だから吐けるセリフである。 「どう゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛おお゛ぉお゛ぉぉぉ゛お゛おぉお゛お!!!」 母まりさは信じられなかった。 自分達を命懸けで守ってくれた父まりさに対し、なんてひどいことを言うんだ。 自分の育て方がいけなかったのか。それでは死んだ夫に対して申し訳が立たない。 「それよりも今日は疲れたんだぜ!!!とっとと飯の準備をしてほしいんだぜ!!!」 母まりさは思った。 そうだ、きっとこの子は疲れてるからあんなことを言ったんだ。きっと人間に酷い目にあわされそうになったから機嫌が悪かっただけなんだ。 それならお腹いっぱい食べてもらって、ゆっくりさせてあげよう。 ゆっくりできれば、元のいい子な長女に戻ってくれる。 そんな考えは最初から無駄だということをまりさは知らなかった。いや、気づかなかった。 気がつけばもう夕暮れ時。 人間の街でも夕飯を食べる時間だ。 「みんな!!!ごはんのじかんだよ!!!ゆっくりあつまってね!!!」 「「「ゆっくりいくよ!!!」」」 「「「「「「「ゆっくいできりゅね!!!」」」」」」」 巣の中央に集まるまりさ一家+α。 母まりさは大きな葉にくるんだ食料を土の上に広げる。 本日の献立は、木の実少量、花、雑草、ムカデやその他の虫、そしてどうやって捕獲したのか魚一匹だった。 虫は何匹か生きており、うねうね動き回っている。 言うまでもなく人間が食べられるものは魚しかなかった。 「みんな!!!ゆっくりたべてね!!!」 「ゆっくりたべるよ!!!」 子まりさの一匹が生きているムカデに舌を伸ばした瞬間。 「馬鹿野郎ー!!!まりさー!!!誰を喰ってるー!!!ふざけるなー!!!」 「ゆびゅうっ!!!」 少年の蹴りが子まりさの顔面にクリティカルヒットした。 吹っ飛ばされた子まりさは壁にたたきつけられ、餡子を漏らしながら痙攣している。 手加減したので死にはしないだろう。 「な゛に゛や゛っでるの゛お゛おぉお゛おぉお゛おお゛!!!」 「ま゛り゛ざの゛い゛も゛う゛どがあ゛あ゛あぁぁあ゛ぁぁあ゛ああ゛!!!」 「お゛ね゛ーじゃん゛!!!どう゛じでごん゛な゛ごどずるの゛お゛おお゛ぉお゛ぉお゛ぉお゛お!!!」 絶叫を上げる母まりさと残りの子まりさ。 赤まりさ七匹は状況が全く理解できず困惑していた。 「よく聞くんだぜ!!!虫さんだって一生懸命生きてるんだぜ!!!虫さんを食べるなんて何考えてるんだぜ!!!」 「ゆっ!!!だってむしさんはまりさたちのごばあ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛っ!!!」 抗議した子まりさに蹴りが入る。先程よりも弱めだ。 「一生懸命生きている命を食べるなんて最低だぜ!!!そんなひどいことする奴はクズだぜ!!!生きる価値無いぜ!!!」 こんな超偽善論を真に受ける人間はおそらくいないだろう。少年だって本気で言っているわけではない。 だがこいつらはゆっくり。頭が餡子で出来ているおめでたい連中だ。 少年はこいつらに対するイヤガラセの一心で心にも思っていないセリフを堂々と吐いた。 「ゆっ…まりさのいうとおりだね…みんな、むしさんはにがしてあげようね…しんだむしさんはうめてあげようね…」 「ゆぅ…むしさん、おねえちゃん、ごめんなさい…」 「ばりざがわるがっだんだね、ごべんねぇ…」 「「「「「「「むししゃん!!!ゆっくいちていっちぇね!!!」」」」」」」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 生きている虫たちは巣の外に出され、死んでいた虫たちは父の墓標の側に埋められた。 ここまで簡単に釣られてくれるとは。長女まりさのカリスマ性は半端ではないようだ。 「みんな!!!ごはんはすくなくなっちゃったけどゆっくりできるよね!!!」 「「ゆっくりできるよ!!!」」 「「「「「「「できりゅよ!!!」」」」」」」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 虫たちの見送りと弔いを済ませた一家は食事を再開する。 「おさかなさん!!!ゆっくりたべるよ!!!」 「ちょっと待つんだぜ!!!」 「ゆっ?」 子まりさが魚を口にしようとした瞬間少年がそれを止める。虫はダメでも魚はいいのかよとツッコむためではない。 魚を食われては少年の夕食が無くなってしまう。 いざとなればまりさ達を食べればいいが、すぐに数が減ってしまっては面白くない。 「天才のまりさ様はお魚を美味しく食べる方法を知っているんだぜ!!!」 「「ゆゆっ!!!ほんとうなの!!!」」 「「「「「「「ゆっきゅいおちえちぇね!!!」」」」」」」 「すごいよまりさ!!!おかあさんにもゆっくりおしえてね!!!」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 うまく食いついてきた一家。 少年はいったん巣の外に出た。一家も痙攣している子まりさ以外着いてきた。 少年は近くの小川で魚を綺麗に洗った。食卓に置かれたときに付いた土を落としているのだ。 その後巣の入り口まで戻り同じく綺麗に洗った木の棒に魚を刺す。 そして残りの食料である植物とその辺にあった木の枝を集め、常時持ち歩いているマッチで火を付ける。 食料が燃やされていることにも気づかずまりさ達はワクワクしながらそれを見ている。 「ゆー♪とってもきれいだね!!!」 「あったかいし、ゆっくりしてるね!!!」 「「「「「「「ゆー♪ゆー♪ゆっくち♪」」」」」」」 小さな焚き火を見ながら思い思いの感想を挙げる子まりさ達。 少年は棒に刺した魚を火で焼く。 パチパチと音を立て魚に焦げ色が付いていく。 「ゆー♪いいにおいがするよ!!!」 「ゆっくりしたいいにおいだよ!!!」 「おさかなさん!!!ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「「ゆっきゅいちようね!!!」」」」」」」 匂いに釣られ踊り出すまりさ一家。 いい感じに全体が焼けてきた。そろそろ食べてもいいだろう。 少年は魚を火から離し、息を吹きかけ冷ました後、パクリと口にした。 「うん、なかなか」 少年は魚は好きではなかったが、空腹の中、未経験の方法で焼いた魚は格別に美味かったようだ。 「おねーちゃん!!!まりさたちにもちょうだいね!!!」 「まりさたちもゆっくりたべたいよ!!!」 「「「「「「「ゆっきゅいたべしゃしぇちぇね!!!」」」」」」」 「まりさ!!!ひとりじめはだめだよ!!!ちびちゃんたちにもわけてあげてね!!!」 魚を分けろと喚き出す一家。魚は今日一番のご馳走なのだ。 しかも今日は長女が美味しくなる方法で調理してくれている。 また、虫を逃がしたせいでまだ食事にありつけていないのだ。 当然、ゆっくりをじわじわ虐めに来た少年がそんなことをするはずもなく。 「五月蠅いんだぜ!!!この調理法は俺様が考えたものだぜ!!!お前らなんかにやるわけないんだぜ!!!」 「「どう゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛おお゛ぉお゛お゛ぉおぉお゛おお゛お!!!」」 「「「「「「「ゆ゛っぐじじだい゛よ゛おお゛おお゛おぉお゛ぉお゛お゛お゛お!!!」」」」」」」 「ばりざあ゛あ゛ぁあぁぁ゛あ゛あ゛!!!ぜっがぐの゛お゛ざがな゛ざん゛わ゛げっごじな゛ぎゃだめ゛でじょお゛お゛おぉお゛ぉお゛お゛お!!!」 空腹のため、母親共々不満が爆発したようだ。 「そんなに食べたかったら自分でやればいいんだぜ!!!明日また魚を捕ってくればいいんだぜ!!! それに一食抜いたくらいで死にはしなんだぜ!!!むしろこれは一種の修行だぜ!!!これを耐えれば強いまりさになれるんだぜ!!?」 「ゆ…ゆっくりりかいしたよ…」 「まりさもおねーちゃんみたいに、つよいまりさになりたいよ。だからゆっくりがまんするね」 「「「でもおにゃかちゅいたよー!!!」」」 「「「「ゆっくちちたいよー!!!」」」」 長女カリスマで子まりさを嗜めることはできたものの、まだ耐えることを知らない赤まりさは変わらず騒ぎ続けた。 「だいじょうぶだよ!!!まだおはなさんやはっぱさんがあるよ!!!ちびちゃんもゆっくりできるよ!!!」 母まりさは巣に置きっぱなししてあるはずの残りの食料のことを思い出し、赤まりさを宥める。 「「「「「「「しょうだっだね!!!ゆっくちちゅるね!!!」」」」」」」 我先にと巣の中に戻っていく赤まりさ。それを微笑ましく思いにこやかな表情で追いかける母まりさ。同じく嬉しそうな妹達の姿を見てにこやかな子まりさもついて行く。 だが巣の中には、まだ痙攣している子まりさ以外、何も無かった。 「「「ゆっ!?ちゃべもにょがないよ!!!」」」 「「「「これじゃゆっくちできにゃいよおおおぉぉおおお!!!」」」」 「な゛ん゛でえ゛え゛ぇぇぇえ゛え゛!!!どう゛じでえ゛え゛えぇぇぇえ゛ええ゛え゛!!!」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 先程残りの食料は少年が焚き付けに使ったのだ。無いのは当然である。 一家は魚に気をとられて気づかなかったため、少年を咎めることはなかった。 「「「しょうだ!!!きっちょおねーしゃんがちゃべちゃったんだよ!!!」」」 「「きっちょまいしゃちゃちがいにゃいあいだにちゃべちゃったんだよ!!!」」 「「おねーじゃんのじぇいじぇゆっくちできにゃいよおおおぉぉおぉおお!!!」」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 ひたすら痙攣し続けているだけの子まりさにあらぬ疑いの目を向ける赤まりさ。 それが誤解だということに母まりさはちゃんと気づいていた。 「ちびちゃんちがうよ!!!おねーちゃんはたべてないよ!!!ゆっくりしんじてあげてね!!!」 「「「「「「じゃあ゛に゛ゃん゛でな゛くな゛っちぇるの゛おお゛おお゛ぉぉお゛お゛おお゛!!!」」」」」」」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 「ゆ…それはわからないけど…とにかくおねーちゃんはたべてないよ!!!おかあさんにはわかるよ!!!ゆっくりしんじてあげてね!!!」 「「「ゆ…ゆっくいちんじるよ…」」」 「「「「でもおにゃかちゅいたよぉ……」」」」 「ゆ…じゃあきょうはもうおねむにしようね!!!ゆっくりねむればおなかがすくのもわすれられるよ!!!あしたになったら、いっぱいごちそうをとってきて、ゆっくりさせてあげるね!!!」 「そうだよ!!!だからきょうはがまんして、ゆっくりやすんでね!!!」 「がまんすれば、おねーちゃんみたいなつよいまりさになれるからね!!!」 「「「ゆー♪ごちちょう!!!」」」 「「「「ゆっくいたのちみにしちぇるにぇ♪」」」」 「「「「「「「ゆっくいおやしゅみなちゃい!!!」」」」」」」 言うが早いか即いびきをかき始める赤まりさ。 残念ながら姉まりさの言葉は届かなかったようだが。この赤まりさが忍耐を身につけるのはいつのことやら。 「じゃあまりさたちもゆっくりねむるね!!!」 「ゆっくりねむって、あしたのかりにそなえるね!!!」 「「ゆっくりおやすみなさい!!!」」 「ゆっ!!!ゆっくりやすんでね!!!ゆっくりしたいいゆめをみてね!!!」 姉二匹も眠りに就いた。 二匹が眠るのを見届けた母まりさは、痙攣していた子まりさに駆け寄る。 先程まで食欲のせいで忘れかけていたのだ。 「ごめんね、なにもしてあげられなくてごめんね。ゆっくりいいゆめをみてね…」 「ゆひゅー…ゆひゅー…ゆひゅー…ゆひゅー…」 子まりさの傷を舐めてやる母まりさ。気休めにもならないがそれでも母の気遣いが子まりさにはうれしかった。 痙攣も治まってきたようで、息は荒いが眠りについた。 その頃丁度、魚を食べ終えた少年も巣に戻ってきた。 「まりさ!!!ちょっとはやいけどきょうはもうねようね!!!つかれてるでしょ!!!ゆっくりやすんでね!!!」 「しょうがないんだぜ!!!それじゃそうさせてもらうとするんだぜ!!!」 まだ人間が眠るのはいささか早い時間だったが、今日はもうすることがない。 その後のプランを考えるのには丁度いい休憩時間だ。 少年は母まりさの言う通り今日はもう眠ることにした。 「それじゃあお母さん、まりさの枕になってくれだぜ!!!まりさは枕がないと眠れない体になっちまったんだぜ!!!」 「ゆっ!!?ま、まくら!!?」 母まりさは困惑した。 前に人里に降りたことがあったので枕については知っていたが。 まさか子供に枕になってくれと言われるとは思ってもみなかった。 当然枕になった体験などしたことはないが、いつも子供達は自分に寄り添って眠るため、それと大して変わらないだろうと思っていた。 母まりさは疲れ切ったであろう子供のために枕になってあげる決心をした。 「それじゃあ、まくらになってあげるね!!!ゆっくりねむっていいゆめをみてね!!!」 「へっ!!!それじゃあ使ってやるとするんだぜ!!!」 そう言って母まりさの後頭部分に頭を乗せる少年。 当然ゆっくりと人間の体重は文字通り桁が違う。 「ゆ゛っ゛!!!」 少年の頭の重みで潰れひしゃげる母まりさ。 (ああ。家の枕より柔らかいや。今度一匹捕まえて枕にしてやろうかな) 思った以上に心地よかったのか、少年はすぐに夢の世界へと落ちていった。 「ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!ゆ゛っ゛!」 「だぁー!!!うっせぇええええ!!!」 少年は母まりさの呻き声で目を覚ました。 人間の重い頭を支え続けているのだ。苦しくて当然である。 母まりさは全身から体液を出し、苦悶の表情を浮かべている。 「さっきからゆーゆー五月蠅いんだぜ!!!眠れないから静かにするんだぜ!!!息するなだぜ!!!」 「ゆっ…!!!ご、ごめんね!!!しずかにするからおかあさんをゆるしてね!!!」 少年の文句に素直に謝罪する母まりさ。 少年は再び母まりさの上に頭を乗せ眠りについた。 それから、声は全くしなくなった。 母まりさは白目を剥き、歯を食いしばり、全身から粘液を滴らせながらじっと耐えていた。 眠っている間、少年は考えていた。 (そういえば、こいつどうやって魚を捕まえたんだろう) 先ほども「また捕ってくればいい」と言った時も「無理だ」とは言わなかった。 何か捕獲する方法を知っているのだろうか。 まぁ、明日になればわかるだろう…… 少年は再び、夢の世界に落ちていった。 一日目・おわり 作:TOSSY 「ゆっくりになった男」が面白かったので書いてみました。 一応「ゆっくりのいる街6」の続きの話なんですが未読でも楽しめると思います。 今回の話は焦らず慌てず書いていきたいと思います。 補足説明:殺された長女まりさのカリスマ性が強いのは胴無しれみりゃ一匹を返り討ちにしたことがあるためです。 このSSに感想を付ける 選択肢 投票 しあわせー! (78) それなりー (10) つぎにきたいするよ! (22)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2356.html
*fuku5204の表示を調整したものです。* *虐待少な目です* *とても良い目に合うゆっくりがいます* *とても良い目に合うお兄さんがいます* 踏まれてゆっくり とてもゆっくりできる場所で、今までに誰も見たことのないゆっくりが居る。 目撃されたと噂されている、その時点で語るに落ちてはいるのだが、つまりは 新種のゆっくりだろう。 ゆっくりづての話ではあるが、暇だった私はここを訪れたのだ。 人の立ち寄らぬ山奥。ゆっくりがゆっくり出来る、ここ一帯の中でも最高のゆ っくりプレイスがあると、ゆっくり達は言っていた。そうは聞いていたが、まさ かこれほどまでにゆっくりしているとは思いもよらなかった。 最も近隣の村から数えて、約1万5千ユクリード(1ユクリードは標準的なゆ っくりが一跳ねする程度の距離)程はあるのだろう。人も踏み込まぬ聖域と化し たこの場所は、谷と急斜面が入り組んでいることもあり、獣も少ないのだろう。 華咲き乱れ実りは熟し、穏陽差し込み抜ける風蒼し。豊穣の女神が2ダースくら い乱舞しているのかと思わせるような、ゆっくりの楽園であった。 世話をしているゆっくりを共に連れてきたのだが、かつて見せたこともないほ どゆっくりした表情を浮かべている。 「わかるよー」 しきりに頷いているのが、なんかずるい。 その「誰も見たことのない新種のゆっくり」は、ひっそりと木陰で涼んでいた。 「ゆっくりしていってね」、と挨拶する。『ゆっくりしていってね!』、そう返 事が来るものとしか思っていなかった私は、衝撃を受けた。 「ああ、是非ゆっくりして行ってください」 礼儀正しい!? 「わかるよー、ゆっくりしていくよー!」 それに比べてうちの子は。しかし、妙に嬉しそうだな。「らんしゃまを探す」 「見たことの無いゆっくりと友達になる」。目的の半分を消化したのであるから、 わからないでもないが。実を言うと、ただ山を歩き回るだけでなく、こいつのお 婿さんを探してたのである。新種が見つからなかった場合の、精神的口実に備え て。両方やらなければならないというのが、ゆっくり飼い主としては辛いところだ。 「よろしくね、ちぇん。それと、おね……にいさん?」 「おねえさんだ馬鹿者」 近寄って軽く踏みつける。 短めの髪に活動的な雰囲気を身にまとった私は、まあ男性に見られることも少 なくないのだが、とはいえ乙女の純情を踏みにじった対価は、自分が踏みにじら れることで支払わせるしかないだろう。 ちなみに山林を踏破するためにくるぶしまで隠れる丈夫なズボンを履いて来た ため、躊躇はない。 小娘が好んで着るようなひらひらとしたスカートであっても、躊躇はなかった だろうが。 まあそんな服飾は私には似合わないんだよなと――背中に忍び寄りつつある嫌 な予感から逃避するかのように、足の下に居るゆっくりとやらをやさぐれた心の 傷だけぐりぐりと踏みにじる。耳に良い影響を与えないような音響は、脳の片隅 で遮断しているので、例えばゆっくりみたいな変な物体の泣き叫ぶ声とかそんな 音があったとしても、何も聞こえない。あーあー、きこえなーい――考えつつ、 多分20分くらい続けて、諦めた。 「で、ちぇん。これ何ゆっくりだ?」 「ゆっくりはゆっくりだよ? わかるよー?」 小首をかしげる猫又なゆっくり。ううむ、かわゆい。近くの木に寄りかかり、 頬をつい、となぜてやる。 「たとえばお前はちぇんだな。向こうではしゃいでいるのは、まりさやれいむだ。 さてこいつは何ぞや?」 「むむっ! うーと、まりさ……いやぱちゅりー……? わ、わからないよっ!?」 だろうなあ。視線をさまよわせて悩み込んだちぇんを尻目に、観察してみる。 まず目につくのは飾りの多さだ。まりさの帽子やれいむのリボンなど、ゆっく りの飾りの切れ端を、ドスまりさもかくやと言う程に髪に飾りつけている。黒髪 は5分で刈り上げ、黒目をまとうまつ毛の切れは、なかなかに鋭いものを思わせ る。ゆっくり特有の下ぶくれはなく、全体的に精悍な顔つきだ。 こんなところより公園のベンチでツナギを着たまま座っているのがお似合いな 印象を受ける。あくまで印象だけだが。赤く染まった目元に残る涙の後が、過去 にあったであろう悲惨な不幸を思わせる。きっとたぶん明かに確定的に、今日以 前の過去にひどい仕打ちに遭遇した、その名残なのであろうな。 つーかもしかしなくても、こいつってさ。 「はい、自分は『ゆっくりおにいさん』です。ゆっくりしていってね。もう痛い ことはゆっくりやめてね!」 誰何の疑念が声に出ていたらしく、そいつは礼儀正しく自己紹介した。 「ていうかお前ゆっくりじゃないだろ。地面に埋まって、首を出しているだけだろ!!?」 「はっは、ばれましたか。自分はこうやってゆっくりとしむぎゅ」 勢いをつけて顔の中心を踏み抜く。 バカバカしいぞ本当。乙女がこのためだけに、一体何日の野宿を重ねたと言う のか。その柔肌を幾度の雨露に曝してきたと言うのか。 「い、痛いですっ!?」 「黙れ馬鹿」 自分がおろかであることを否定するかのごとく、目の前の「ゆっくり」を踏みに じり続ける。 「あ、あまり上品だとは言えませんよっ!?」 「もし自分の精神安定のためだけに他人を攻撃するとしたら、その人格は社会から 否定されることだろう。それほどまでに忌むべき行為であろうな。が、このまれに 見るゆっくりプレイスにいるのは、どうやら私と、とてもゆっくりしているゆっく りだけのようだ」 「いや自分は」 「そして人里では野良ゆっくりを攻撃することは村全体への間接的奉仕となるため、 この行為はもうまったくの慈善活動だ。やれやれ、自己を省みない奉仕の心が、ど うやらここでも遺憾なく発揮されてしまったようだな。本来ならば何らかの対価を 以て充当すべき行為ではあるが、その支払いに応じてくれるような存在は、山二つ を超えてなお存在しないのであろうな。我が事ながら頭が下がってしまって、もう 諦めて力任せに足を踏みにじるくらいしかやることがない」 「その足の下には哀れなおにいさんが居るんですけどねっ!?」 「もしお前が『おにいさん』とか言う、人間に準じる程度の小汚い種族であるならば、 何かそれを証明出来るよなあ。具体的にはこの行為への対価だが。いやいや何とは言 わないが、まあ亜人間種であることを証明することの出来る程度には価値のある、社 会経済を発展させる上で極めて重要な位置づけを占める物とか」 「お、お金なんて持ってませんんんんんっ」 例え身につけていたとしても、私には掘り起こせないのだろうが。 「おやおや、声はすれども人の姿は見えず。果てさて、面妖なことじゃなー。ちなみ に棒読みだ。あまりにも感情が入りすぎて棒読みに聞こえないかもしれないが、それ は内面からにじみ出る憤怒によるものであるが、私はちゃんと棒読みを心がけている のだぞ。ぐりぐり」 「やべでえええええ」 空が青いなあ。帰るの面倒だなあ。どうやって帰ろうかなあ。らんしゃま見つかる かなあ。見つかるといいなあ。 「自分は、自分は、……虐待お兄さんなんですぶううううう」 ふと、ちぇんを見やる。どうやら馴れないことを考えていたからであろうか、寝て しまったらしい。ゆっくりとしている夢でも見ているのだろう、ぴくぴくと反応する しっぽがほほえましくて、ついつい足にも力が入るというものであった。 「わかるよー! ……わかー?」 先ほどのゆっくりプレイスから、斜面を少しばかり上った所。 土中に埋まっていた、自称ゆっくりおにいさんこと元虐待お兄さんから、労働及び 赤く汚れた靴の対価として借り受けた――巻き上げたわけではない。あくまで有利な 状況で結んだ賃貸契約に過ぎない――、小さめの屋敷とでも言えるくらいに頑丈で広 い作りとなっている山小屋で人心地ついていると、目覚めたちぇんが不思議そうに見 回していた。 「さっきのゆっくりはね、ゆっくり出来ないゆっくりだったんだ」 「わ? わからないよー?」 眉を寄せるちぇんに――ついでにしっぽもくるりと丸まっている――、ゆっくりと 説明をする。 土中に埋まっていた変人は、つまるところ虐待に飽きた元虐待お兄さんであった。 人との交流を避け、来る日も来る日もゆっくりを虐待していたため、一切の新鮮味が 無くなってしまったのだという。生きる糧を失った彼は、ゆっくりとして生きること で逆にかつて持っていたゆ虐の精神を取り戻そうと考えたそうだ。ところが何の因果 か、彼にはゆっくりをゆっくりさせることの出来る才能があったらしい。自ら土に埋 まりながらも、ゆっくりに排斥されることなく、珍しいゆっくりとして認識され、慕 われたのだと言う。各種の飾りはその慕情の証であったのだろう。とは言え食事や生 活など何らの考えなく埋まった彼にとって、ゆっくり達からの援助無くして生きるこ とは不可避であっただろうことも、想像に難くない。 ゆっくりとの共生のために、彼女らに知恵と知識を与えるしかなかった彼の心境は、 いかなるものだったのだろうか。もはやゆ虐の民としての誇りは失われたのであろうか。 ここで私が出来ることは、ただ一つ。彼の遺志を継ぎ、ゆっくりを虐待することで しかない。私は特にゆっくりの虐待が好きなわけではない。だが彼が失った誇りと魂 を昇華させるために、あえて。そう、あえて、なのだ。……「まあどうでもいいか」 と思えることをせねばならないんすよ。主にらんしゃまが見つかるまでの暇つぶしく らいの感覚で? まあ、暇だし? ぶつぶつ。 「わかるよー! らんしゃまを探すんだね! 早く行こうよー!」 話聞いてないよな、こいつ。 「うん、今日は疲れたし、軽く近くを見て回ろうか。ご飯集めなきゃね」 「わかるよー」 ちぇんは、ぴょいんと私の肩に飛び乗ろうとして、目測を誤りずり落ちた。 「やっぱゆっくりって可愛いなあ。虐待するの面倒なんだよなあ。台詞考えたり、濁点 付けたりするのが特に」 「ゆ? おねえさん何か言った?」 「いやいや、ただ誰か本当に状況と種族ごとに分類した台詞データベース構築して関連 用語抜き出せると楽でいいんだよなあとか、突然閃いただけだよ」 どういう意味なのかは自分でもわかんない。わからないよー。 「やあおねえさん。おや、着替えたんですか? スカート姿も似合いますね。ゆっくり していってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 元虐待お兄さんと、その周りで一緒になってゆっくりな歌を歌っていた大小様々なゆ っくり達が、私たちを歓迎した。遅めの昼食を終えた私達は、再度このゆっくりプレイ スへと赴いたのであった。小屋を借りた手前もあるし、作りすぎた昼食の差し入れに来 たのだ。普段ろくな物食べてないだろうしね。べ、べつに、あまりにもみすぼらしいと か、哀れすぎるとか、変なにおいが気持ち悪いとか言う理由じゃないんだからねっ!? ……言い訳完了。これで誰も、こいつがみすぼらしいとか哀れだとか変なにおいがす るだなんて、ひとかけらも思わないだろう。 ちなみにスカートに履き替えたのは、さっき男と間違えられたことが悔しいからなど では決してなく、小屋周辺に限ればとても穏やかな地形で、過ごしやすいことが判明し たからで、決してさっき男と間違えられたことが悔しいからではないのだ。大切なこと なので二回言った。ふう、言い訳完了。 ……なんだか言い訳してばっかりだ。 「細くて白い足がとても綺麗ですね! こうしてみるとまるで女の子のように見えぶぎゃっ」 「黙れ馬鹿。ぐりぐり」 「やべてー! ていうか、見えちゃいますよ!?」 「ん? 何が?」 「え、気づいてない? まじで? 気づいてないなら見ちゃいまぎゃあああああ」 目を開けた瞬間を狙い、かかとで踏み抜いた。まあこれくらいにしといてやろう。 「お、おねーさんゆっくりしていってね!?」 「ゆっぐりでぎないよおおお!」 周りからゆっくり達の悲痛な声が聞こえてくる。そういえばゆっくりがいることを、 しゃっきりぽんと忘れていた。 「ああ、大丈夫だよ。こう見えても私はね、このお兄さんとは仲がいいんだ、ほらこう してご飯を持ってくるくらいに」 差し入れを見せて、敵意がないことを示すと、途端にゆっくり達は周りに集まって来 た。ていうか地面に置いた土産に群がってやがる。 「ぐううう、めがあああ、ぐ、ぐぎぃ、くろ……え、ご飯くれるの? 俺に? まじで?」 「まあな。家くれたし。あ、ゆっくりいくつか貰ってくから」 「うん、わか……今なんて?」 「おーいおまえら、それはこいつのご飯だぞ、我慢しとけ。代わりに、そうだな、家に 連れて行ってやろう」 「「ほんと!? ゆっくりできる!?」」 「え、なんて言ったの? ねえ何か変な事言わなかった? ねえねえ!?」 その場に居たゆっくりは、れいむ、まりさが1匹づつ、赤れいむ、赤まりさが3匹づつ。 多分ではあるが家族なのだろう。 「わかるよー、ちぇんと一緒にゆっくりするんだねー」 肩から飛び降りたちぇんが、早くもゆっくり達と追いかけっこをして遊び始める。 その間に私は元虐待お兄さんから小屋の作りや道具についてレクチャーを受ける。 「えーと、何かするんですか? 黒ですか? そのゆっくり達を”可愛がる”んですか? ひょっとして黒ですか? ところでそのスカートの下に身につけていらっしゃるであ ろう衣服の色彩を一言で言い表したとしたならば、万人が万人諸手をあげて『黒』と答 えるであろう色で間違いはないですよね!?」 会話の間に執拗なまでに挟まれる漆黒なる台詞を流しながら、ようようにして聞くべ きことのあらかたを聞き終えた私は、何かを期待する変態の眼差しに、残念な事実を告 げてやる。 「ジャージ」 「うがああああああああああああああああああああああああああああああああ」 おお、物の見事に失望してやがる。あわれあわれ。 土産は簡単な野草サラダだ。地面に置いた皿に軽く盛っておいた。こうしておけば、 お腹が空いたときにでも食べられるだろう。 「さ。みんな帰るよ」 「わかるよー!」 「まっちぇにぇ! ゆっきゅりかえりょうね!」 「ゆゆっ、待つんだぜみんな、ここにゆっくり出来るごはんが落ちているぜ!」 「「「ゆっきゅりー! むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇー!」」」 「ってそれ俺のおおお! 半年ぶりの、まともな飯がああああ!」 「おにいさん、ここはれいむ達のゆっくりプレイスだよ! ゆっくり出来ないなら出て 行ってね!」 ですよねー。 まあどうせ、こいつは動けないし、どうあがいても食えなかったのだろうけど。話に 聞いたほど慕われてはいないみたいだし。むしろおもちゃの扱いを受けているんじゃな いか? 飾りも、親愛の証などではなくて、所有権の主張だったりして。 「もう行くよー」 「「まって、まってにぇ!」」 陽の傾いた森の中、ゆっくりの速度に併せて家路に付くのもオツな物かもしれない。 後ろから、明日は何も履かないで来てねぇぇと言う誰かの魂の叫びが聞こえた気がす るが、多分気のせいだろう。あいつの名前は今から”変態”に決まったことは、だから ただの偶然だ。変態なんだからそんな不条理も許されるのだ。がんばれよ、変態。 小屋の改装――といっても大してすることもなく、動きにくくなっていた装置に油を 差したり、簡単な掃除をした程度だ――を終えた頃だろうか、遊びつかれて寝ていたゆ っくりの家族が起きだした。 気配はすれども、ゆっくり独特の発声が聞こえてこない。声の出ないよう、彼女達が 寝ている間に、口に布を詰め込み、塞いでおいたからだ。 ちぇんは別室で寝かしつけているので、防音に優れたこの小屋の中では、大声を出し たところで気付きはしまい。これは、虐待に馴れていない私が、不愉快にならないため の処置だ。 「まあわざわざ虐待する必要なんてないけど、ものは試しってやつで」 誰に言い訳するでもなく、とは言え私を第三者の視点で見ている者などは存在し得な いのだから、自分に対して言い訳をしているのは確定的に明らかなのだが、それはさておき。 異変に気付き恐慌に陥るゆっくり達に向かって、私は説明を始めるのであった。 「諸君。お気づきのとおり、君たちは今声が出ない。なぜなら、私が『ゆっくりできな くした』からだ。そう、私は実は、美しく麗しい『ゆっくりできない』お姉さんだった のだ。これからの諸君らの命運は辛苦に染まることになるだろう。ここで死ぬまで私に 蹴られ、殴られ、辱めを受け、子を為して子に食されるのだ、例えるとするならばだが。 諸君らは標準的な被虐ゆっくりとして生きることになるだろう。ゆっくりの知能でこの 部屋を脱出することは不可能だから、もし私が愛想を尽かしたとしても、諸君らはここ で餓える以外の選択肢を持ちようがないのだ。諸君らが私に対して、何らかの延命措置 を述べたいと言うのであれば、私を満足させる行動を以って請願する他に、どういった 手段が取れるだろうか。否。そもそも諸君らは……えい」 親ゆっくりが体当たりをしてきたので、自分でも意味不明であった演説を中断し、踏 みつける。口が塞がっているんだが……踏みつけた足を通して、悲鳴だか呻きだかが漏 れてくる。おお、愉快愉快。 「説明が悪かったか。ええとだな、つまり、お前達は『一生ゆっくりできない』と言う ことだ。私に逆らうと」 ゆっくり達を舐め回すように観察する。未だ状況を理解できない赤れいむ。期待の眼 差しを親に向けている赤まりさ。我関せずとばかりに寝ている赤れいむ。 「赤んぼう可愛いね。でも体当たりされて足が痛いんだよね。むしゃくしゃするから、 よし、潰そう」 踏みつける対象を、親まりさからねぼすけの赤れいむに変更した。 「あ、これ面白い。足の裏で、今にも潰れそうな体を、必死にひねって逃げようとして るんだよな。その蠢いている感触がこそばゆい。あと一押しで皮が裂けて、腐った芋の ようにぶにゃりと崩れそうなんだよね」 親達の体当たりがより強くなる。だが気にする程ではない。 「きっと痛いなんてものじゃあ、ないよなあ。大きな石で体を潰されている感触かな? 丸太に皮の端が挟まって、そのまま丸太の下敷きになる見たいに。餡子が、ゆっくり、 ゆっくりと外側へ移動して行くのって、とても痛いんだろうねえ。人間で言うと、皮膚か ら剥離した骨や筋肉が、砕かれながら搾られているような物だしねえ。可哀想に、まだ小 さい赤ちゃんだと言うのに、私に反抗するゆっくりなんぞを親に持ったばかりに!」 絶命寸前であろう赤れいむを親に見えるよう、足を移動させた。後頭部を押付けている ため、親と対面しているのはぱつんぱつんに膨張し、今にも張り裂けようとしている赤れ いむのいびつな顔であろう。内容物によって限界まで引き伸ばされた皮は、奇妙な笑み以 外に表情を浮かべることは出来ないであろう。横長に膨らんだ赤れいむの左右で、こぼれ 落ちてしまうのをかろうじて堪えているうつろな眼球は、果たして何かを映してはいるの だろうか。空気の詰まった紙風船のように、容易く裂けてしまうであろう赤れいむのその 命を握っているのが誰であるのか、さすがのゆっくりであっても理解出来たのだろう。親 ゆっくりは赤ゆっくりに駆け寄り、助け出そうと健気に私の足を押し返す。 私に反抗しないこと、これからする説明をよく聞くことを理解させた上で、解放する。 瀕死の赤れいむに、言葉を掛けてやることも出来ない家族。ほお擦りすら余命を縮める行 為なのだろうと、ゆっくりなりに理解しているのだろう、力なく舌を使って舐める程度だ。 死んでは元も子もないので、煮詰めた野苺を与えておく。餡子が漏れたわけでもないし、 すぐに回復するだろう。 「説明を再開するよ。ええと、この部屋には、『罠』が仕掛けてあります。50ユクリード、 かっこ1ユクリードは標準的なゆっくりが一跳ねする程度の距離かっこ閉じる、四方のこの 部屋に、タイルが敷き詰められているのです。床を見ると、白と黒がまだらになっているだ ろ? このあるマスを踏むと、ゆっくり出来なくなると言うことだ。例えばこのマスは落と し穴で、下に槍が隠れている。ほら、ぱかぱか開くだろ?」 足で踏むと、開いたタイルの底に、鈍く光る刃が隠されていた。 「君たちは『れいむ』と『まりさ』に分かれて、交互に罠を掛け合ってもらう。……のだが、 今説明しても理解が追いつかないだろうから、今日はこのへんでお終い。みんなゆっくりし ていってね!」 罠の設置された部屋で、声を出すことも出来ないゆっくりがどうやってゆっくり出来るの かは私は知らないが、まあなんとかなるだろう。食事は取らせるしね。 声も上げられず身を震わせて嘆いているゆっくりの家族を後に残して、部屋を出た。その 際、殺傷力のないただの落とし穴を踏み抜いてしまったことは乙女の秘密だ。 寝室に戻ると、ちぇんはいまだ寝ているようだった。もう昼だと言うのに。窓から差し込 む木漏れ日が、秋の深まりを優しく告げているように思える。 雪が降るまでには、家に帰らないといけないなあ。 「らんしゃまぁ~」 つぶやいた寝言は、まだ見ぬ伴侶に向けてのものだろうか。 彼女を起こさぬように胸に抱いて、私も午睡を嗜むことにした。 *次回予告* 家族を襲う数々のゆっくり。 だがそのゆっくり達とて、自分達を襲わねば死あるのみであったことを、ゆっくりの家族は 己の身を持って知ることとなる。 引き離された家族が出会うのは、殺戮の罠の中でしかないのか。 次回「愛、罠、ゆっくり」 1億円宝くじが当たるくらいの期待度で待て!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/133.html
ゆっくりれいむと妹紅は、並んでれいむのおうちへと向かっている。 先ほどのゆっくりの言葉を確かめるため、今すぐにもかけだした妹紅だが、案内役のゆっくりれいむは下が焼かれてはねるたびに痛むらしい。 ずりずりと草むらを這いずりながら、妹紅にせっつかれて前に進んでいく。 「ニンゲンの赤ちゃんって、食うために今度はさらってきたのか?」 妹紅の問いかけに、ひいひいあえいでいたゆっくりれいむは目を見開く。 「赤ちゃんを食べるなんて、どうじでニンゲンはそんなひどいことかんがえるのおおおおお!」 なぜか、妹紅が逆にしかられた。 「いや、だってお前くっただろう!」 もう一度、あぶってやろうかと気色ばむ妹紅。 けれど、次のゆっくりの言葉は妹紅の殺気を削ぐものだった。 「ちがうよおおお、赤ちゃんはあんなにゆっくりできるのに、たべたりしないよお」 「ゆっくりできる?」 「うん! 笑ったら、だあだあ笑い返してくれるし、ゆっくりしてねとお願いしたらきゃきゃっと笑ってくれるの。すっごく、かわいいんだよ~♪」 体を揺らしながら、とろけそうな笑顔を真っ赤にするゆっくりれいむ。 「……じゃあ、どうして赤ちゃんを飲み込んだんだ? 知っているんだぞ、お前が四日前、人里で赤ん坊を飲み込んでいたことを」 「ゆっ! その赤ちゃんのことだよ! 口の中に入ってきた赤ちゃんのことだね。赤ちゃん、怪我したらいけないもん! お口にいれて危険から守ってあげないと!」 妹紅は沈黙した。 ゆっくりれいむが言うがまま、推理を組み立てる。 はいはいを覚え、あちこち興味が赴くまま這い回る赤ちゃん。そこに通りかかったゆっくりの口に、何かの偶然で入り込んだ赤ちゃん。赤子の様子に、ゆっくりの母性が刺激されたのだろう。所有権という概念があまりないゆっくりは、その場に「落ちていた」赤ん坊を拾ったものとしてもちかえる。なぜ、母親に口に入れたことを「食べた」と言ったのかはよくわからないが、ゆっくりの語彙の少なさは誰しもが知るところ。 まあ、どちらにしろ、迷惑極まりない話ではあるのだが。 しかし、子供が生存して取り返せる可能性がでてきた。 食われてる結末に比べて、はるかにマシな状況だ。 助けることができれば、あの母親はどれほど喜ぶだろう。 「しかし、お前のでかさだと赤ん坊は食いごろサイズなのによく我慢できたな」 言いながら頭をなでてやると、ゆっくりれいむは初めて妹紅に笑顔を向ける。 「当然だよ! にんげんさんも一緒にお話できたり、ゆっくりできる相手を食べたり、殺したりしないよね!」 ああ、そうだと言えればどれほど幸せな千年間だったのだろうと、妹紅は人の世で過ごしてきた時間を回想する。 が、興味深そうなゆっくりれいむの視線を感じて、慌ててごまかすように次の疑問を口にした。 「ところで、何を食べさせていた?」 「れいむたちと同じものだよ、おいしそうな草とか、虫さんとか! でも、食べてくれないの……」 「なっ!」 ようやく離乳食が終わったばかりの子供に、そんなものが食えるわけがない。 そうなれば、赤ちゃんは空腹のままもう四日目。衰弱の予感に、さらにゆっくりれいむを急がせる妹紅だった。 「そこだよ!」 ゆっくりれいむの声が示す方向を見ると、巧妙に藪に隠された巣穴が広がっていた。 「わかった!」 妹紅は一足先に巣穴に乗り込む。 くさむらを蹴散らし、くらがりの中へ。 炎の一塊で洞窟内を照らすと、目的の赤ちゃんは目の前にいた。 「だああ」 はいはいをしてこっちによってくるその姿を見て、妹紅は全身が安堵に包まれる。 それに、予想に反して衰弱した様子はない。 しっかりとした所作で外からきた妹紅に向けて手をのばす。 その手を引き上げようとして、妹紅は気づいた。 赤ん坊の手のひらを真っ黒に染めたもの。べちゃべちゃの甘い匂いのする、餡子。 ぽとりと、その餡子から何かが床に落ちる。 肌色の何かが、ねじられていた。炎の光をうけて、金色の何かが光っている。そばに落ちている親指ぐらいの黒い帽子で、それがちびまりさの残骸だと妹紅は気づいた。 「あまあま……」 赤ちゃんは、その餡子を押しそうになめている。 そういえば、普通ゆっくりの住処に来たときにかけられる「ゆっくりしていってね」の声がなかった。 妹紅は炎の勢いを強め、巣穴の全体を照らす。 そして、何があったか理解した。 床には、上下に真っ二つにねじ切られて投げ捨てられてぴくりともしないゆっくりれいむの赤ちゃんと、後頭部を噛み切られて片目が飛び出した同じゆっくりれいむの赤ちゃんが震えていた。 後者の赤ちゃんはまだかろうじて生きていたのか、光に反応して「お゛お゛お゛お゛」とうめきだす。 残された片方の目から涙をひっきりなしにこぼして、ニンゲンの赤ちゃんを見つめていた。 「おねえちゃんに……どうじで……ごんなごどずるのおおおおお……」 「まんまー♪」 赤ちゃんの返事は届いたのだろうか。 白目からぼろぼろと涙をこぼしたまま、物言わぬ饅頭と化すゆっくり赤ちゃん。 おそらくは、空腹のあまり手近なゆっくり赤ちゃんをかじったところ、その甘さに手当たり次第に食いついたのだろう。ゆっくり赤ちゃんは1歳児の膂力にすら抗えないし、ニンゲンの赤ちゃんを妹のように感じて予想だにしていなかったのか、説得しようと踏みとどまったのか、一匹も逃げきれたものはいなかった。 「あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ! なんなのおおおおお、ごれえええええええええ!!!」 背後からの悲鳴。 振り向くと、ゆっくりれいむがぶるぶると震えて、地面に散らばるわが子を見つめていた。 その視線が不意に、妹紅の前にいる赤ちゃんの手のひらをみて、凍りついた。 「なんでえええええ、おねーちゃんだちを、たべだのよおおおおおおおおお!!!」 まずいと、妹紅は前に進み出る。 同時に、すさまじい衝撃が妹紅の体にたたきつけられていた。めきめきと背骨が鳴る。 激昂したれいむが、怒りのままに体当たりをしかけていた。 「あやまってえええええ! れいむのあかぢゃん、もどにもどじでええええええええ!!!」 妹紅にはどうにもできないことをいいんがら、無言の妹紅へと、二度、三度。さらにとどまる様子もなくぶちあたるその巨体。 「かはっ……」 妹紅は唇を伝う血の一筋に、体のどこかがやられたことを悟っていた。 だが、れいむを焼きはらおうとは思わない。 なぜなら、れいむの慟哭はこの子の親と同じものだったから。 この子は無事帰ることができるが、れいむの赤ちゃんはもういないのだ。 自分の安い命でよければ、気がすむまでれいむに付き合ってやろうと、心に決めていた。 もう、何度目か数えてもいない衝撃に目を見開く妹紅。その見下ろす先には、かばわれている赤子の不思議そうな瞳。 お前さんには罪はないんだと、にっこり微笑んでやる妹紅。 すると、笑顔に合わせてにっこりと笑い返す赤子。 そうして、おぼつかない口元で言った。 「ゆっくり……ちていってね!」 妹紅は驚愕した。まだ、この子は言葉が話せなかったはず。初めて話す言葉は、この洞窟でゆっくりれいむやその子供たちに話しかけられた言葉。 気がつけば、ゆっくりれいむの襲撃が止んでいた。 振り返ると、ゆっくりれいむはただ涙を滝のように流して、赤ちゃんを見つめていた。 そのまま、ずりずりと床にちらばるわが子の前にすすむと、体を弛緩させてぶるぶると震えだした。 「もう、かえって……あかちゃん、ゆっくりねむらせてあげてね」 嗚咽交じりの声に、妹紅は返す言葉を失っていた。 言われるがまま、赤子を抱えあげて洞窟をでていこうとする。 洞窟の出口付近で、ゆっくりれいむが声をあげて泣き始めた。 ふりむくと、あの巨体がまるでしぼんだように小さく見える。 妹紅は赤ちゃんと胸をしめつける罪悪感を連れて、静かにその場を後にした。 子供の帰還は、まるで収穫祭のような大騒ぎとなった。 「あっあっあっ!」 弱りきり、自分が奉公している富農に付き添われていた母親が、泣きながらわが子をかき抱く姿を見届けて、妹紅は心から安堵する。 が、あのゆっくりれいむの様子を思い出すと達成感はまるでなかった。 「妹紅、ちょっと来てくれないか」 慧音の声に呼ばれて振り返ると、友人の前に居並ぶのは笑顔の村の重鎮たち。 妹紅は求めれるまま、ことの次第を報告する。 まずは見つけた場所を報告する。とはいえ、お母さんゆっくりの激昂などははしょる。村の重鎮の一人に、子供が食われたという一報があったときに周辺すべてのゆっくりの駆除を提案した人物を見つけたからだ。あの傷心の、二度と人に関わろうとはしないだろうゆっくりれいむはそっとしてやりたい。 今回の事件は偶然が重なったこと、再犯の可能性がないことを付け加えて、報告を終える妹紅。 間髪いれず、妹紅の意を汲んだ慧音の提案が続く。 「子供をさらい、危険に追い込んだことは許しがたく、その間、どれだけ母親が苦痛に苛まれたことか想像に尽くしがたい。よって生かしておくには後顧の憂いがあると、何事もなければ言えるだろう。だが、子を失うことで人の子をさらうとどうなるかわかっただろうし、何よりも哀れな話だ。それに、あのあたりは妖怪も出没する。村人をそんな危険にさらしてまで処理する案件ではないと思う」 人里の守護者、慧音は滅多の村の方針に口を出さない。 それだけにこの提案は重く、異議を唱える者はついにあわられることがなかった。 こうして、すべては丸く収まることになる。 少なくとも、この時の妹紅と慧音の二人はそう考えていた。 さらに雨脚の強まったその日の夜。 ぼんやりと雨音を聞いている、巨大ゆっくりれいむ。 その前には、きれいな石ころを積み上げた子供たちのお墓。取り囲むように、子供の遺品が並べられている。 ゆっくりれいむは遺品を眺めて子供の思い出にひたっていた。思い出す、しあわせだった日々。 しかし、幸せの追憶はさえぎられる。 気がつけば、光の一閃がれいむの巣穴に差し込んでいた。 ランタンの明かりが入り口から忍び寄り、ゆっくりれいむの注意を引いている。 「今はひとりでゆっくりしたいよ……」 れいむの力ない声は、そのランタンの持ち主を止めることができなかった。 あらわれたのほっそりした体の女性。 ランタンを地面に置き、近づいてくるその姿に、れいむは見覚えがあった。 赤ん坊の母親だった。 見覚えのある人間の登場に、れいむの目に生気が宿る。 「ゆ……れいむの……ううん、おねーさんの子供さん戻ったの」 頷く母親に、れいむは表情をやわらかくする。 「よかったね……」 心から、その言葉が言えた。 そのことに、微笑むゆっくりれいむ。 「何もよくないわよ」 だが、返ってきたのは母親の険のある声。 そのまま、つかつかと歩み寄り、子供たちをうめた石の小山を蹴り飛ばす。 「ゆ! なにするのおおおおお!」 子供たちはもう帰らない。なら、せめて自分のそばでゆっくりさせてあげたいゆっくりれいむ。 それだけに、母親の突然の行為が許せない。 第一、こんなことになった原因は…… 「そうだ! おねーさんが、赤ちゃんをれいむの口に押し込んだのが悪いんだよ!!!」 母親の顔が歪む。 急所だった。 れいむが妹紅か誰かに話していれば、すべての害意の源が明らかになる事実。母親の頼みにも関わらず、妹紅とかいう女がゆっくりをさっさと始末しなかったせいで、危うくぶちまけられそうになった真相。 それだけに、れいむの言葉は死への通行手形となった。 「ひどいよ、おねーさん! 飲み込まないともっと刺すって、れいむのほっぺたに意地悪したよね!」 母親はゆっくりれいむの前に立って含み笑いをこぼす。 「へえ、そんなゆっくり脳でも覚えていられるのね」 言うなり、背中に隠していた槌でぶん殴っていた。 叩きつけた瞬間、ぶべっと餡子が巣穴にはじけて散る。 「中身、やっぱり餡子なのね。本当に、ふざけた化け物」 かはっと、衝撃に目を白黒させるゆっくりれいむを、冷ややかな目で見下ろしていた。 おかげで、こいつと一緒にすべてを闇を葬らなければいけない。 槌を振り上げる母親。 振り下ろしながら、掛け声代わりに叫んでいた。 「そもそもは!」 「ぶぎっ!」 れいむの体が衝撃でたわむ。 「あんたが!」 「ぴゃぶっ!」 殴った形にへこんだ脳天に、何度も振り下ろす。 「きっちりガキを食っていれば……!」 「や、やめで……び、びぎゃあああ!」 殴りつけるたび、ぶぴぶぴと吐き出される餡子 もはや、見開いた目は飛び出しそうにまん丸で、目から耳から、穴という穴から餡子がぼとぼとと噴出している。 髪飾りは割れた頭頂部からもれる餡子にまみれ、殴り損ねた一撃で、ごっそりと髪がちぎり落とされていた。 母親はその姿に、少し気がまぎれたかのように笑い、すぐに般若の形相。 「ガキつれているとね! 富農のバカ息子と! 再婚できないのさ! あいつら、財産分与だ何だと難癖つけやがる!」 言葉を区切るたび、ゆっくりれいむの頭に槌が振り下ろされていた。 加減など欠片も無い、ただただ潰したいとばかりに振り切る。 「やめでええええ、ゆっぐりざぜでえええええ!」 「うるさいっ! 人の書いた絵図を台無しにしやがって……!」 不審を抱かれにくい「事故」により消える赤ちゃん。ゆっくりに赤ちゃんを処理させ、後は同情を引く母親を演じれば勝手に証拠のゆっくりが始末される。村中から同情を受ければ、金持ちとの結婚も傷ついた女性の面倒をみる美談ともなるだろう。 が、無事に子供が戻ってきて、すべてはご破算だ。 どれだけの手間をかけてやったのだと、殴りつけながら憤りが高ぶっていく。 当初の予定では子供を妖怪に食わせるつもりだった。だが、妖怪相手では自分をも食われる可能性があるし、妖怪退治に出張る巫女に勘付かれたり、妖怪が知性的ならば魂胆を見破られかねない。 そうして、得体の知れなさから「やりかねない」として選んだゆっくりだったのだが。 「せっかく、選んでやったのに……こんのおおお、役立たずがああ!」 「ぐぴゃあああああ」 もっとも痛烈な一撃だった。 噴水のように全方位に餡子を噴出す母ゆっくり。 母親はひいひいと荒い息をつきながら、目や耳から餡子を噴出し、もう痙攣して死を待つばかりのゆっくりに笑いかける。 「あのガキ、次は崖から落ちたことにしてやろうかねえ」 まるで、楽しい遊びを思いついたように母親が計画を口走った瞬間、死んだかのようなゆっくりが動いた。 餡子を吐きちらしながら、猛然と体当たり。 「ひゃ!」 見事に不意をついていた。 「げへえええええええ!」 すさまじい重量に倒れこむ母親。飛び上がったゆっくりれいむの体重に、震える地面。いや、洞窟全体がひどく揺れていた。衝撃で、ぽとりと入り口に落ちる土くれ。 その上に石がごろごろところがってくる。天井からはさらさらと砂の音。 長い間の雨に脆くなった岩盤。 そこへ止めを刺す母ゆくくりの振動が、今、巣を潰そうとしていた。 このままでは、双方生き埋めとなる。 起き上がろうと身を起こす母親。 が、起き上がれない。 「……あんた、離しさいよ!」 ゆっくりれいむが腰にのりあげ、張って進むこともできない母親。 「ねえ、あんた! ちょっとどいてくれるだけで、後でおいしいの上げるわよ! ゆっくりなんかじゃ絶対食べられないほどのね!」 その誘いは、無駄だった。 れいむは乗り上げたその体勢のまま、事切れていた。 最後まで、「子」のために死力を尽くしたゆっくりれいむの命だった。 「なっ! あんた、何で、死んでんのおおおおおっ!!!」 何度も殴りつけるが、もうぴくりとも動かない。 ただ、重みを与え続けるだけ。 「いやあああああああああああああ、たすけてえええええええええ!!!」 張り上げた声も天井から崩落する土砂の音に消えていく。 「なんで、あだじがああああああああああああ……」 後には、土砂に覆われた斜面が残された。 まるで、最初から何も無かったように。 「世の中はままならんものだ」 上白沢慧音の言葉に、妹紅のため息が誘われる。 「せっかく子供が帰ってきたのに、母親のほうが行方不明とはな」 二人、暗い顔で台風一過の晴れ渡った空を眺める。 ようやく、親子二人で幸せな暮らしができただろうに、哀れでならない。 だが、暗い話題ばかりではなかった。 「それにしても、子供を引き取ってくれる人が名乗り出てくれて、本当によかった」 「長年、子供に恵まれなかった夫婦だったな。きっと、誰よりも大切にしてくれるはずだ」 慧音の言葉に、妹紅は同意の頷きを返す。 「きっと母親の愛情が、次の家庭に受け継がれていったのだろう」 慧音の独白。 そのとき、妹紅の脳裏に浮かんだのは母親の顔ではなかった。 あの、ふくよかな母ゆっくりの姿を思い浮かべていた。 「あいつなら、もう一度暖かい家族を築けるはずさ、きっと」 慧音にも聞こえないよう小声でささやいて、妹紅は抜けるような夏の空を見上げる。 透き通るような青空を背景に、大きな一塊の雲が流れていた。 眺めていると、夏の涼風に吹かれて小さな雲が三つ、大きな雲に引き寄せられていく。 やがて、よりそって仲睦まじく一つとなる雲の姿。 ふんわりと雲が浮かぶ紺碧の空を、妹紅はいつまでも眺めていた。 おわり あらすじ どうも、小山田です。 今回はちょっとした変化球でやってみました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/802.html
突然だが私の身寄り話を聞いてほしい。 私は暴力的な家庭のもとに育った。 親はいつも機嫌が悪く、何かと理由をつけてはすぐに私を怒り、一日中押し入れに閉じ込める。 泣いて謝っても許してはくれなかった。暴力なんて日常茶飯事だった。褒められることなんてなかった。でもこれが普通だった。 そんな生活からか、親の前では良い子を演じ、人の顔色をうかがって生きているような子供時代を過ごしてきた。 そんな親もあっけなく火事で死んでしまい、苦労の連続だったが、なんとか私も成長することができ、今は古い借家に独り暮らしをしている。 大人になっても、人の顔色をうかがい、他人の評価を気にし続ける日々。 子供の頃からずっと変われない自分。変わらない毎日。 変われない、変わらないことだらけで私はもうそれが普通なのだと感じていた。 だけど自分を変えたかった。でも自分を変える事なんてできないとも思っていた。 そんなときにこいつらはあらわれた。 『ゆっくりってなんだ?』 いつも忙しく深夜に帰る私だが、その日は珍しく会社が早く終わったため、いつもより早い帰りとなった。 会社を出て地下鉄に乗り、最寄りの駅で降りて、家までの通り道である公園を通り過ぎる頃、ふとある声が聞こえてきた。 「はやくこっちにくるんだよ!こののろま!!!」 「ほんとうにゆっくりしてないね、このぐず!!」 「のりょみゃ!!はやくちろ!!!」 「ゆぅ…ごめんなさい…」 そこには『ゆっくり』と呼ばれるものがいた。 ゆっくりとは世間一般に害獣として知られており、好き好んで関わりあう人もいない(ゆっくり保護団体などあるらしいが) いろんな種類がおり、餡子、クリーム、カスタードなど中身によってまた性格なども違うらしい。 ここにいるのはまりさとれいむのつがい。それに子れいむと家族から罵られている子まりさだ。 ゆっくりの駆除化が進んでいるこの辺では珍しいものに出会ったな。 ああ…子まりさが家族からいじめられてる。 ん?あのまりさもしかして… 今日はいつもより時間に余裕があるため、暇つぶしがてら話しかけてみた。 『ゆっくりたちこんばんは。どうしてまりさをいじめてるのかな?』 「ゆゆっ!?にんげんさん!!ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!!!はやくあまあまもってくるんだぜ!!!」 「こいつはおかざりさんがへんでぐずでめざわりなんだよ!!!だからせいっさいというなのしつけをしているんだよ!!! そんなことよりくそじじいははやくあまあまをもってきてね!!!たくさんでいいよ!!!」 ―ぐずのあんたがそこにいると目障りなんだよ!早く家からでていきな!!!― ―このぐず!!どけ!!ぶん殴るぞ!!もう殴ってるけどな!!!― ………また…か…。 「ゆぅ…」 帽子の形が変だからという理不尽な理由で家族から罵られる子まりさ。 状況的に子まりさはあの時の私に似ているな。表情も全然明るくない。まずゆっくりした顔でないのは間違いない。 思えば私もあの頃からずっとつらい毎日を過ごしているものだ。 きみには本当に同情する。心の底から。 ゆっくりといえば、私はこいつらのいう「ゆっくり」というものがなんなのかがわからない。 ただ動作が遅いこと?それなら出来る限りゆっくり移動する事がゆっくりできることになる。そんなゆっくり見たことない。 のんびりすること?なら子供はゆっくりできるという意味がわからない。 本当にどういう事なんだ?まあ、せっかく目の前にゆっくりがいるんだし聞いてみてもいいだろ。 『なあゆっくり?ゆっくりは人をゆっくりさせることに関しては右に出る者はいないって聞いたけど、 私は小さい頃からゆっくりしたことないから、ゆっくりがどういうことなのかよくわからないんだ。 もし私にゆっくりを理解させることができたら君達だけの奴隷になるし、あまあまもたくさんもってくるけどどうかな?』 「まりさたちははやくゆっくりしたいんだぜ!じじいをゆっくりさせているひまなんてないんだぜ!いいからさっさとあまあまもってこいいいぃぃい!!!」 「ばかなの?しぬの?げらげらげらげら!!!!」 「ちぬにょ?げらげらげら!!」 『そうか…やっぱりできないか…ゆっくりって名前だけでゆっくりできてないんだな。残念だ。あはは…』 「ゆぁあ!?そこまで言われたらゆっくりとしての名がすたるんだぜ!しかたないからゆっくりをおしえてやるんだぜ!!!」 「とってもゆっくりしてるれいむがじじいをゆっくりさせたらはやくあまあまもってくるんだよおおおおお!!!たくさんだからねえええ!!!」 「あみゃあみゃ!!!あみゃあみゃ!!!」 まんまとこっちの提案にのってっくれた。 別に無視して家に帰ってもよかったが、私はなぜかゆっくりのいう「ゆっくり」とやらを知りたくなったのだ。 変わらない毎日に何か刺激がほしかったのかもしれない。 「おちびちゃんをみればとてもゆっくりできるんだぜ!じじいにとくべつにみせてあげるねええ!!!」 「かわいくてごめんねえええええっ!!!」 『さっきから私はこの子をみてるけど何も感じないよ。ただの饅頭だね。これが君達のいうゆっくりなの?』 「れいみゅ、まんじゅうじゃないぃぃぃぃ!!!」 「!? ち、ちがうんだぜ!ちょっとした冗談なんだぜ!!!」 (なんなのこのにんげんさん。おちびちゃんをみてぜんぜんゆっくりしていないなんて…ゆぅう!!ぜったいゆっくりさせてやるんだぜ!!!) 「すーりすーりはゆっくりできるよ!!!すーりすーり!!!」 『そんな野良の汚い皮をすりつけられても汚れるだけだよ…むしろ不快かな。』 「ばりざはきだなぐだいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!」 「れいむがおうたをうたうよ!ゆ~んゆんゆ~ん♪ゆっゆっゆ~♪」 『音程も何もあったものじゃない。とても耳障りな騒音だよ。これがゆっくりできることなの?』 「でいぶのうだはみんなゆっぐりでぎるっでいっでぐでるのにいいいいいぃい!!!」 「ゆー!いっちょにこーろこーろちゅるよ!!」 『こんな石だらけの土でころがったら怪我するよ?そんな事もわからないの?馬鹿なの?死ぬの?餡子脳なの?』 「でいぶばがじゃだいいいいいいい!!!」 「む、むーしゃむーしゃはゆっくりできるよっ!!!」 『人間はそんな変な虫なんて食べられないよ。もっとおいしいものいっぱい食べてる。それくらい知ってるだろ? 今日はお昼にチャーハン半ライス大盛り、赤飯、豆ご飯、あと白米2杯食べてきたよ。』 「ゆっぐりでぎないいいいい!!!!!!」 この後もこいつらは私をゆっくりさせようといろいろ頑張っていたが、結局私をゆっくりさせることが出来ずに疲れ果ててしまった。 「どぼじでゆっぐりじでぐれだいどおおおおおお!!!」 「ゆっぐりいいいいいいいいいぃぃぃいいぃいい!!!」 「ゆんやあああ!!!」 やっぱり予想通りか。期待してたゆっくりは分からずじまいだ。つまらない。 ん?そういえば子まりさは何もしてこなかったな。 『君は私をゆっくりさせてくれないのかい?』 「ゆぅ…まりさはゆっくりしてないから、おにいさんをゆっくりさせることはできないよ…」 ゆっくりが自分の事をゆっくりしていないって言うか… 「…まりさはぐずでのろまだから…だれもゆっくりさせることはできないよ…ごめんなさい…」 ―ぼくは馬鹿でのろまなぐずです…ごめんなさい…だからもう…ここからだしてください― ふと脳裏にまりさの謝る姿と子供時代の自分の姿が重なった。 なんで私は謝ってるんだったっけ?ああ…あの時もあの親達は意味もなく俺に怒ってきたからか。 ぐず扱いされて、殴られて、また押し入れに一日中閉じ込められて… 押し入れの中でいつか絶対仕返ししてやろうっていつも思ってたなあ… ……… 『…まりさは復讐がしたくないかい?』 「ゆぅ?ふく…しゅう?」 『そう。復讐。君は今、家族からいじめられてるよね。ゆっくりしてないんだろ? きっとこのままずっと変わらないよ。もしかしたら家族から殺されちゃうかもしれない。』 「ゆっ!?まりさ、しぬのはやだよ!」 『じゃあさ…みんなに復讐して先にやっつけちゃおうよ?』 子まりさは驚いた。このままだと自分が殺されてしまうかもしれない。 でも復讐なんて… 『いいの?ゆっくりできなくても?』 …ゆっくりできない? ……い…や…だ…いやだ!ゆっくりしたい…まりさだってゆっくりしたいよ! まりさは…まりさはあるちいさいときからずっとずうっと家族やまわりのみんなからいじめられてきたよ。 ぜんぜんゆっくりできなかったよ… 妹がおいしい芋虫さんむーしゃむーしゃしてるのにまりさだけ苦い雑草さんでふしあわせーだった。 おかあさんたちは妹だけでまりさにはすーりすーりやぺーろぺーろしてくれない。それどころか殺されそうになったこともあったよ。 まわりのみんなもまりさのおかざりさんをみてゆっくりできないぐずって笑う。 「このぐずっ!」「のろまっ!」「ここからでてけっ!」 なんでまりさだけこんな目にあってるんだ。まりさが何をしたっていうんだ。 まりさは何もしていないじゃないか。おかざりさんだってまりさが好きでこうなったんじゃないよ! ただ…ゆっくりしたいだけなのに… … …くそお…憎い… 憎い…憎い…まりさはまわりのみんなが憎いよ… 憎い…憎い…まりさはまりさをこんな目にあわす家族が憎いよ… 憎い…憎い…まりさは全てが憎いよ… どうせ殺されてしまうなら、先に自分の手でみんなゆっくりさせなくしてやる。 復讐してやる復讐してやる復讐してやる… みんな殺してやるっ…! ……。 「……たいよ…」 『ん?なんだい?まりさ?』 「ふくしゅうしたいよ!まりさをゆっくりさせないみんなにしかえししたいよ!」 『ははは…いいよ。その願い叶えてあげる。』 私は子まりさの家族を家におびき寄せることにした。 『君達は頑張ってくれたね。結局ゆっくりって何かは分からなかったけれど、お礼がしたいよ。今から私のうちであまあまでもごちそうするけどどうかな?』 「あまあま!?ゆっへっへ!やっとじょうげかんけいがわかったんだね!しょうがないからあまあまをもらってやるんだぜ!!!」 「はやくしてね!ぐずはきらいだよ!ほんとあのちびといっしょでゆっくりできないじじいだね!!」 「あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 ……… …… … 「だせええええええええ!!!ここからはやくだせえええええ!!!!ここはまりさのゆっくりぷれいすだぞおおおおお!!!」 「どおしてそのぐずだけそとにいるんだああああ!!!!れいむをはやくだせええええええええええ!!!」 「ゆっくちできないじじいはゆっくちちねえええええ!!!」 例のごとく蓋のある大きな水槽のなかに閉じ込めておいた。うるさいな… 『どうやって仕返ししたいんだい?』 「こいつらはゆっくりいためつけてやるよ!!!」 『わかった。こっちにおいで。何の道具があるか説明するよ。その道具からまりさが何をしたいのか自分で考えるんだ。』 子まりさには家にどんなものがあるか、どんなことが出来るのかを一通り説明した。 人間の使うものなのでゆっくりには難しいかとも思ったが、まりさはすさまじい集中力で話を聞いているようだった。 話を熱心に聞くまりさの表情にどこかおそろしい笑顔が見えた。 『まずだれからにする?』 「いもうとのれいむからにするよ!!!」 「まずおかざりさんをめのまえでちぎって、おからだをはりさんでぷすんぷすんしてね!!せいっさいだよ!!!」 『わかった。』 「「なにいってるのおおおおぉぉぉぉおおおおおお!!!!!???」」 「ゆ!おそらをとんでるみた…はなしぇえええぇぇええ!!!!!」 子れいむを水槽から出し、汚らしいリボンを奪った。 「ゆゆっ!?れいみゅのきゅーてぃくるでかわいしゅぎるおりぼんしゃんかえちぇええええぇぇぇえ!!!」 うわっ。すごい形相。よっぽどこいつが大事らしいな。 ごめんね。お前のお姉ちゃんの命令なんだ。 「やめりょおおおおおおおおおおお!!!!ちぎりゅなああああぁぁぁああ!!!!」 子れいむ…いや、れいみゅのきゅーてぃくるなおりぼんとやらを少しずつゆっくりちぎってゆく。 「やめてえええ!!!」 すこしずつ 「だいじなおりぼん!!!」 大切なおりぼんを 「がえ"じでえ"ぇ"!!!」 ちぎっていく 「やべろおおおぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!」 れいみゅはおりぼんを必死に取り返そうとおしりをふりながらたいあたりしてくる。全然痛くない。ただふりふりおしりにはいらいらさせられる。 そうこうしているうちにおりぼんは全てちぎられ、汚らしいごみの山になった。 「ゆんやああああぁあ!!!れいみゅのおりぼんしゃん!!ゆっくりなおってね!!ぺーろぺーろ………」 必死におりぼんをなめる子れいむ。しかし現実は非情である。 「れいみゅの…おりぼんしゃんが………ゆうううううううう!!!!」 (もうゆるちゃないよ!これだけはつかいちゃくなきゃったけど、ちーちーにゃがしてないてあやまっちぇね!) なんと!れいみゅはついに奥の手「ぷくう」をくりだそうとしている! 「ぷくう」とはゆっくり威嚇のひとつ。口いっぱいに空気を吸いこみ自分を大きく見せるもので、 これを繰り出された者はあまりの恐ろしさにちーちーをたれ流し、泣いて謝ってしまうという恐ろしい技なのだ! (ゆっふっふ!!!もうこれでおわりだよ!!!!おんこうなれいみゅをおこらせたくそじじいがわるいんじゃきゃらねっ!!!!) 「もうれいみゅおこったよっ!!!!ぷくぅするよ!ぷく…ゆ"っ!!?」 突然れいみゅのほほに激痛が走った。「ぷくう」でふくらんだほほをちょうどいい具合に針でさされたのだ 「い、いぢゃいぃいぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 激痛からか目から激流のような涙を流す子れいむ。なんと驚くべき事に、れいみゅ渾身の「ぷくう」もこの人間には通じなかったのだ。 『ぷくうだって。おお、こわいこわい。』 ぷくうされた人間はそんな事を言いながらも淡々と子れいむのほほを針でさす。 「ゆびぃいぃぃぃぃいいいいいぃぃ!」 醜くでた下っ腹をさす。 「ゆびっ!」 ふりふりふられていたおしりをさす。 「やめっ!!」 汚らしい飾りがあった髪の毛の部分をさす。 「やっ!」 さす。さす。うすよごれた饅頭全体をさしまくる。 「やめちぇええええええええええええええええええええぇええ!!!」 「「おぢびぢゃああああぁあぁあぁあん!!!!!」」 れいみゅはちーちーを流しながら泣き続ける。 なんでれいみゅのひっさつ「ぷくう」が効かないんだ。「ぷくう」だぞ!れいみゅは怖いんだぞ! れいみゅがそんな疑問の中、妹の姿を見ていた姉まりさは、 「ゆっ!おにいさん!つぎはおめめをとっちゃってね!あまぎりだよ!」 あまぎりか。少なくをも普通の姉の言う言葉じゃないよね。 「ゆぐっ…やめちぇねっ…ぐすっ…れいみゅのおめめさんとらないでね…ぐす…」 「おぢびじゃんにげてええええぇえぇぇええええ!!!!」 「おにいさんはやくやっちゃってね!!!!!」 「やめて…れいみゅの…や…ゆぴぃいいいいいいいいぃいぃいいいいいいい!!!」 針はちょうど右目のど真ん中に刺さっていた。右目からは先ほどとは比較にならないほどの涙がでてくる。 『こんな感じかな?おっ!意外に簡単にとれそう!』 (ぷち…ぷち…ぶちぶちぃ!!!) 「うぎゃああああぁあぁぁあああああああああああああぁああああ!!!」 何かが無理やり引き離される音と共にれいみゅの右目が出てきた。 目玉に触ってみるとこれがなかなか弾力がある。これはなんでできてるんだ?不思議だ。 ゆっくりの目玉はゆっくり通の中ではなかなか人気がある。ナタデココのような食感が魅力なんだそうだ。 私には野良ゆっくりを食べる趣味は無いので食べたりしないが、またどこかで機会があったら食べてみるとしよう。 「れいみゅの…れいみゅのおめめさんが…」 片方がまっくらで何も見えない。れいみゅのおめめをかえせ… 『針よりピンセットの方が取りやすそうだなあ。まりさ、ピンセットでもいいかい?』 「ゆん!いいよ!!さっさとめだまさんをとっちゃってね!!!」 私はピンセットを手に取りれいみゅの左目をまるごとつかむようにして取り出そうとした。 (ぶちぶちぶちぶちぶちぃいい!!!!) 「……っ…ゆあっ…あっ…かひぃい…ゆっ…」 声にならない痛み。 『やっぱりね。こっちの方がうまく出来たよ。言った通りだろ?まりさ。』 「ゆ!まりさがおにいさんにしじしたからだよ!まりさのおかげだよ!!」 先ほどよりも勢いのある音とともに目のないゆっくりがそこに完成した。 (なにもみえないよ…おそとさんがなにもみえないよ…れいみゅのあまあまはどこへいったの… どうしてかわいいれいむがこんな目に合わないをいけないんだ…れいむはかわいいんだぞ… ぐずのまりさはれいむをゆっくりさせないといけないんだぞ…絶対おかあさんにせいっさいしてもらうからな…) そんなれいむの思いも虚しく意識がだんだん遠のいていく。 「………ゆ"っ…ゆ"っ…ゆ"っ…」 子れいむがあまりの激痛に痙攣し始めた。素人目からでもこのれいむが長くないことがわかる。 ここで死んでおけばまだ楽だったかもしれない。 だがそこには姉の非情な一言があった。 「ゆっ!こんなところでまだしんでもらってはこまるよ!!!おにいさん!!!いもうとにあまあまなみずをかけてあげてね!!!」 さすがは同じゆっくり。ゆっくりのことはゆっくりが一番よく知ってる。おそらくそれで事態が解決するのだろう。 あまあまな水かあ…野菜ジュースとかでもいいのかな? とりあえず言われた通りあまあまなみずであろう野菜ジュースをかけてみた。 後で詳しい人に聞いたところ、オレンジジュースのような果物系がベストだったらしい。生意気。 「…っ……いじゃ…いよ…ぐらくでなにもみえないよ…こわい…よ…おきゃあさんどこ…れいみゅ…ここにいるよ… だすけて…おきゃ…しゃん…あの…あのぐずに…せいっさい…」 「おぢびぢゃああああああああん!!!おかあざんはごごにいるよおおおおおお!!!いまだすげるからねえええええええええ!!!!」 「まりざだぢをはやぐごごがらだぜええええええええええええええ!!!!おぢびじゃああああぁあぁあああん!!!!」 子れいむの意識がもどったみたいだな。それに表面の傷も治ってる。さすがゆっくり。 さっきから親ゆっくり達が水槽を体当たりしている。頑張れば割れるかもね。 「おにいさん!れいむをはりつけにしたら、まむまむにはりさんをさしてね!!!」 子れいむを適当な置物にはりつけにし、準備ができると、 「ゆ”ぎっっ……っ!?」 れいむのまむまむに一本の針がささった。もうこれでは子供はうめないだろう。 針が刺さったまむまむから少しずつゆっくりの生命の源である餡子が流れ落ちてくる。 (ぽたっ……ぽたっ……) 少しずつだが確実に、れいむから餡子が落ちている。 (ぽたっ……ぽたっ……) 確実に。少しずつ。 「ゆひゃあああ!!れいむからあんこさんがすこしずーつそとにおちてきてるよ!!!おめめがないからわからないだろうけど、いってき、いってきおちてるよ!!! れいむはいつゆっくりしちゃうんだろうねえええええええ!!!あんこさんのおちるおとよくきいててねええええぇえ!!!」 目の見えない状態で自分の餡子(人間でいう血液)が一滴一滴落ちていく音を聞くのはどんな気持ちだろうか? 自分はいつ死ぬんだろうか。あとどのくらい生きていられるのだろうか。それがわからない。 電気椅子で一瞬で死ぬとはわけが違う。 いつ死ぬかもわからない恐怖ははかりしれないだろう。助かる可能性がないとわかっている絶望ははかりしれないだろう。 死刑勧告をされた死刑囚のように恐怖と絶望は永遠と思える時間続く。 人間でさえショックで死んでしまうこの状況。痛みや恐怖に弱いゆっくりは例外ではないだろう。むしろ効果的な殺し方だ。 餡子さんがなくなってしまったらゆっくりできない。 (ぽたっ…) いやだ。死にたくない。死にたくない。死にたくない。 (ぽたっ…) まだ自分は全然ゆっくりしていない。 (ぽたっ…) もっといっぱいおいしいものむーしゃむーしゃしたいし、おかあさんたちともっとすーりすーりしたい。 (ぽたっ…) それに将来、かっこいい伴侶となるゆっくりをみつけておちびちゃんをうんでゆっくりぷれいすでしあわせーするんだ。 しかし、そんなれいむのしあわせーなゆん生が訪れることはないのだ。 なぜなら姉であるまりさに殺されてしまうから… 「だいぶあんこさんがしたにたまってるよ!!!もうれいむはゆっくりしちゃうんだろうねええええ!!! いもうとのくせにおねえちゃんにさからうからだよっ!!!げらげらげら!!!」 「れいみゅ…まだ…しにちゃくない…しにちゃくないいいいいいぃぃいいいぃぃぃい!!!」 「おねえちゃんにさからうからだめだよおお!!れいむはもうしんじゃうんだよおおおおぉぉおおお!!!!げらげらげらげら!!!」 「いやじゃあああぁああああ!!!!おねえぢゃんだすけでええええええええ!!! ごべんだざい!!れいみゅがわるがっだでずううう!!!だがらだずげでぐだしゃいいいいぃいいい!!!」 「いやだよおおお!!!まりさにいもうとはいないよ!!!げらげらげらげら!!!!!ゆっくりしんでねええええええぇぇええ!!!!」 こんなやりとりが10分ほど続いた。そして、れいむはまもなく、恐怖と絶望の中死んでいった。 れいむにとってこの10分は永遠とも思える時間だっただろう。 「…ちに…ちゃく…な…い…おがあ…ざ…ん…じにだぐ…な…い…ごわいよ………も…と…ゆっく…りしたか…た…」 「「お"ぢびぢゃ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"ん"!!!!!」」 「しんだ!!!しんだよ!!! まりさをいじめたあのばかないもうとはしんだよ!!!げらげらげらげらげら!!!!」 ついにまりさは間接的とはいえ殺してしまったのだ。家族である子れいむを。妹である子れいむを… 「ごっぢにごいいいいいいいいごのぐずううううううう!!!!ばりざがおまえをごろじでやるうううううううううううう!!!!」 「だぜえええええええごごがらだぜえええええええええええ!!!!」 親たちの憎しみは実行してる私ではなく、指示をしている子まりさの方が大きいようだ。 プライドだけは高いゆっくり達。自分たちがぐずだと思っていた奴にこんな目に合わされているのがとても屈辱的なことなのだろう。 『次はどうする?』 「おにいさん!!!つぎはまりさおかあさんだよ!!!」 「ゆ"っ!?やめてね!!!そっちのれいむにしてね!!!」 「なにいってるのまりさあああああああああああああ!!!!」 『どうする?』 「ゆっ!まりさおかあさんするよ!!!」 「どぼじでえええええええぇええぇえ!!!!!!」 「ゆふん!れいむをみがわりにしようとするからだよ!!!ばかなまりさはそこでゆっくりしぬのがおにあいだよ!!!!」 さっき子供が死んだのになんてと自分本位なやつらだ。結局子供に殺されちゃうのに。 …… … 「とめてえええぇえぇえぇえぇえええええええぇええぇぇえぇ!!!」 「だめだよ!まりさがいいっていうまでとめないよ!!!」 親まりさが今、何をしているのかというと… 「まりさがいいっていうまで、るーむらんなーさんではしりつづけてもらうよ!!!」 『それだけか?』 「まりさはずっといいっていわないよ!!!もしはしれなくなったらせいっさいだよ!!! ぜったいゆっくりさせないよ!!!げらげらげらげら!!!!」 ということで、ルームランナーで子まりさが終わりを宣言するまで親まりさには走り続けてもらう。走り切れなかったら制裁ということなのだ。 かれこれもう30分は跳ねつづけている。 「ゆう…ゆううう…もう…とめてね…まりさ…もう…げんっかいだよっ…」 「ゆっ!せいっさいされてもいいんだね!!!!」 「いいからとめろおおおおおおおおおおおぉぉぉおおお!!!!」 「くちごたえしたからすぴーどさんをあげるよ!!!!」 「ゆぴいいいいいぃぃいいいいいいいい!!!!!なんでまりさが…こんな目に…」 「すぴーどさんをあげるよ!!!」 「ゆううううううううぅうぅぅぅぅぅぅ!!!!!???」 「ゆふふふふふふ!!!!まりさはいいきみだよ!!!さっさとはやくしんでね!!!!!!」 それから1時間…1時間30分…2時間と過ぎていったがとうとう親まりさに限界がきた。 「も…う…むり…ゆっ…く…り…ゆっくり…したい…も…ゆ"ぐぇ!!!」 ついに親まりさはとまってしまった。 「ついにとまったねえぇぇええ!!!!!せいっさいだよおおおぉおぉおおおおおおおおお!!!!!!!!」 「や…やめて…ね…ぜえ…まりさは…ぜえ…がんば…ゆへぇ…ったんだよ…」 「いいっていうまではしればゆるしたけどだめだよおおおおお!!!おにいさああああん!!!!せいっさいのじゅんびだよおおおおおおおお!!!」 … 「まずはこのたべものさんをむーしゃむーしゃしてね!!!」 「…っ!?…ゆっ?」 親まりさは意表をつかれた。子供があんな悲惨な目にあったのだ。自分はどれだけ悲惨な目にあわされるか想像もつかなかった。 なのにこのたべものさん(?)をむーしゃむーしゃするだけでいいの?まりさは許されたんだね!やっぱりまりさがゆっくりしてるからだね。かわいくてごめんねえ!!! 「ゆゆん!!それだけでいいんだね!!!そんなのかんたんだよ!!!ゆっくりたべるよっ!!!」 ゆっくりは基本なんでも食べる。この野良まりさは公園の苦い雑草や汚い虫、生ごみなどを食べてきた。 それはあまりゆっくりした食べ物達ではなかったが生き延びるためだ。仕方のない事である。 そこにいつもとは違う人間の食べ物だ。感想は決まっている。 「むーしゃむーしゃ………し…しあわすぇええええええええええええええええぇえええぇえ!!!!」 最初は得体のしれないものだと思って警戒していたがいつも食べているものに比べるとなんておいしいものだ!! まりさ大人なのに思わずうれしーしーを流してしまった。だがそれだけおいしいのだ。しあわせーなのだ。 「うめっ!!めっちゃうめっ!!!はふ!!ばりばり!!!はふっ!!!」 「ゆうううううう!!!れいむにもちょうだいねええ!!!それはれいむのたべものさんだよおおおお!!!!」 「いっぱいあるよ!!!ぜんぶたべてね!!!!」 親まりさは言われるまでもなく全部食べきった。 しかし食べたと同時にのどがとてもかわいてしまった。 無理もない。ルームランナーであれだけ走ったのだ。身体の中の水はもうほとんどのこっていないだろう。 「まりさのどがかわいたんだぜ!!!ごーくごーくしたいよ!!!!そこのぐず!!!はやくみずをよこしてね!!!!のろまはきらいだよ!!!」 自分は助かったと思い、いつも親れいむがしているように子まりさを命令する親まりさ。 「わかったよ!!!おにいさん!!!おみずさんをじゅんびしてあげてね!!!ゆぷぷ…」 「ふん!!わかればいいんだぜ!!!でもまりさのおちびちゃんをころしたげすゆっくりはあとでせいっさいするんだぜ!! おそいよっ!!!なにしてたの!!!はやくそのみずよこしてね!!!ごーくごーく…ごーくごーく…ごーくごーく…」 よほどのどが渇いていたんだろう。用意した水をすごい勢いで飲み干していく。 「ごーくごーく…ぷはあああああああああ!!!たくさん飲んだよ!!!しあわせえええええええええだよっ!!! げーっぷ!!!あとはげすゆっくりをせいっさいするだけなんだぜっ!!! …ゆっ?なんだかぽんぽんが…?ゆっ!おみずをたくさんのんだからぽんぽんがいっぱいなんだね!!! おちびちゃん!!!いまからおちびちゃんをころしたげすをころすからねえええええ!!!」 親まりさと子まりさの距離はそんなに遠くない。せいぜい3メートルといったところだ。 このままでは子まりさが怒り(笑)に震える親まりさに殺されるのも時間の問題だ。 「ごめんなさいいいい!!!ちょっとしたできごころだったんですうううう!!!もうしないからころさないでええええええええ!!! ゆぷぷ…」 なんと子まりさが必死になって謝り始めた。 「ゆっへっへ!!!いまになっていのちごいをしてもだめなのぜ!!!さあおちびちゃんのかたきをとるよおおおおおおお…お…お? ぽんぽんが…なん…だか…ぽんぽんがくるしいよおお…お…お…」 「ごめんなさいい!!!ゆるしてえええ!!!もう…ゆぷぷ…もうしま…ゆぷぷぷ…ぷ…ぷはははははははははははは!!!!!!!」 「ぽんぽんが…ぽんぽんがいたいんだぜええええええええええええぇえええ!!!!」 まりさのぽんぽんが痛い原因は先ほど食べていた食べ物にある。 まりさが食べたのは乾燥昆布。水にひたしてしばらく時間がたつと体積が何倍にも膨らんでいくという食物だ。 その膨大な量の乾燥昆布がまりさの体内で膨らみ、内部からまりさを圧迫しているため苦しんでいるというわけだ。 ゆっくりの80%以上が水分である。 ゆっくりが何もせず乾燥昆布を食べてしまうと、ゆっくり内部の大量の水分を昆布がすいこみ、全部食べきる前にお腹いっぱいを感じてしまう。 これでは親まりさを苦しませることができない。ただお腹をいっぱいにしてしまうだけだ。 そこで子まりさは考えた。 親まりさ体内の水分を出来るだけ無くし、昆布が膨らまないようにしようと。 そのために、ルームランナーで過剰な運動をさせて大量の水分を外に出させる。運動することによって苦しませられるし、お腹もすく。一石三鳥だ。 水分が体内に無いのだ。乾燥昆布を食べた所でまだ膨らむはずもない。お腹いっぱい昆布を食べてもらう。 その後にたっぷりの水を飲ませる。これは昆布が膨らむための水分を与えるためだ。 謝ったふりをしていたのも、すぐには膨らまない乾燥昆布への時間稼ぎ。 そう。すべては子まりさの計算の上だったのだ。 「まりさになにをぐわせだあああああああああああああ!!!!」 親まりさは自分に何が起こっているかわからなかったが、子まりさから与えられたあの食べ物が原因であることは予想がついていた。 「くるしいだろうねええ!!!!でもまりさもくるしかったんだよおおお!!!! みんなからいじめられてとってもくるしかった!!!なのにおかあさんはなにもしてくれなかったでしょおお!!!! だからばりさもなにもしない!!!じぶんでかってにくるしんでろおおおおおぉぉおぉ!!!!!! まりさとおなじくるしみをあじわってしねええええええええええ!!!」 「ぐううううううういじゃいいいいいいいいいいぃいいぃいぃ!!!ぽんぽんがいだいいいいいいいいい!!!」 先ほども説明したが乾燥昆布は時間とともにその体積を大きくする。つまり時間がたてばたつほど苦痛も大きくなるのだ。 「ゆぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷうううう!!!!みじめだねえええええ!!!! じぶんがむーしゃむーしゃしあわせーしたものでしぬなんてなんてみじめなんだろうねええええええええええ!!!!! まりさにはしあわせーなものなんてなかったよ!!!そこでゆっくりしんでねえええええええ!!!」 「ゆうううううううごろじでやるううううううううううううう!!!!」 親まりさのその言葉には今にも子まりさを呪い殺せそうな憎悪がこもっていた。 今すぐにでもあのげすを殺したい。おちびちゃんを殺したあのげすを。 だけどおからだが膨らんでるからかうまくうごかせない。 くそおおおおおおおおおおお。うごけええええええええええ。 「ごっぢにごいいいいいいい!!!!ごろじでやるううううううううう!!!!」 「こっちにこいだってえええ!!!!どうしてまりさがいかなくちゃいけないの?まりさはここからうごかないからこっちにおいでよ!!!げらげらげらげら!!!!」 そうしているうちに親まりさのからだはどんどん膨らんでいく。ゆっくりの皮は伸縮性があるため、中からの圧力によってどんどん伸びていく。 苦痛の色濃く、風船のようにふくらんでいく親まりさ。 それを見て笑う子まりさ。 どちらもゆっくりできてないことは確かだった。 「ゆはははははははははは!!!!!」 「ごっぢにごいい…いいいいいいっ…いっ…ひっ…ひっ…ゆっ…ゆ"、ゆげえええええ!!!!!」 ついに親まりさは餡子を吐き出してしまった。増えていく昆布の代わりに中身の餡子を吐き出し、体内の容積を減らしたのだろう。風船が爆発しないために。 「ゆげえええええ…ゆげ…ゆげえええええええええぇえぇぇぇぇぇ…」 「ゆゆっ!!あんこさんはいちゃったよ!!!おかあさんあんこさんはいちゃったよ!!! ゆげげげげげ!!!!もういもうととおなじゆっくりできなくなるうんめいなんだよおおおお!!!! げらげらげらげら!!!!ゆっくりしんでねえええええぇえぇぇぇ!!!」 「まりさあああああ!!!!あんこさんはいちゃだめええええええ!!!」 さっきまで死ねって罵倒していたくせに。まあ、一応つがいだもんな。 「いつゆっくりできなくなるのかな?まりさおかあさんはいつゆっくりできなくなるのかな?まだかな?まだかな?まだかな?まだかな?ゆぷぷぷぷぷぷぷ!!!!」 「ゆ…ぎぎぎ…ゆげええ…ゆ…ゆげえええええぇえぇ…」 大量の餡子を吐き続ける親まりさ。しかし昆布は膨らみ続ける。 「ゆぎ…ぎ…もう…げん…げんっかいだよ…っ…」 (まりさ…もうゆっくりできないよ…はやくゆっくりしたいよ… ゆっくりして…てんごくのおちびちゃんにあいたいよ…ぐそお…あんなげすに…あんなゆっくりしてないやつなんかに…) ゆっくりは身体の3分の2以上の餡子がなくなるを死ぬ。 親まりさの大きさはバスケットボール大。単純に考えても相当な量の餡子を含んでいる。 げんっかいは簡単にはこないのだ。簡単には死ねない。否…死なせてもらえないのだ。 ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて殺されていくのだ…そうゆっくりと…自分の子供である子まりさに…ゆっくりと… 「ゆ…っ…は…やく…ゆっ…りしたいよ……」 「だめだよっ!!!ゆっくりくるしんでしんでねっ!!!」 「ゆっぐぐぐぐぐう…」 (どうしてまりさはこんな目にあわなくちゃいけないの。ゆげ…まりさはただゆっくりしてただけだよ。ゆげえ… ぜんぜんおちびちゃんをゆっくりさせなかったから…ゆげえぇ…そのしかえしなの?ゆげえ…だからまりさはこんな苦しい思いをしているの?わからないよ… でもれいむに…おこられちゃうからしょうがなかったんだよ。ゆえっ…それにまりさはそれをまち……ゆ"っ!?) まりさはどうしてこうなったのか考えた。一生懸命考えた。 しかし残念なことに、まりさがその結論を考え出す前に終わりがきてしまったのだ。そう、まりさの死という名の終わりが。 突然まりさの目が大きく見開いたと思うと、 「ぎぎぎぎ……ゆ…ゆげえええ…ゆげええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!」 一気に大量の餡子を吐き出して親まりさは死んだ。やっとゆっくりさせてもらえたのだ。おそらく昆布が中枢餡に達したのだろう。 「もっど…ゆっ……ぐ……」 「まりさあああああああぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!!!!」 「いもうとにつづいてこいつもやっとしんだよ!!!まりさをむししつづけたあのばかなまりさおかあさんはしんだよ!!!げらげらげらげらげら!!!!」 最終的にまりさは元の三倍ちかくも体積が大きくなっていた。なおも体積はふえている。 顔にはこの世のものとは思えない顔で死んでいるゆっくりしていない元ゆっくりの姿が映し出されていた。 「まりさ…どうして…もうやだ!!!おうちかえるううううううううううううう!!!!!」 そんな親れいむの叫びむなしく子まりさは 「ゆっふふふぃひひひひひ!!!さいごはれいむおかあさんだよおおおおおおおおお!!!」 『わかったよ。』 「どぼじでええええええええええええええ!!!!」 …… … 最後のせいっさいをまりさと相談していると、 「ゆうう!!!れいむはここからでるよ!!!がらすさんはいじわるしないでここからだしてね!!!!」 必死の形相で水槽に体当たりするれいむ。今までの比ではない勢いだ。 そんなれいむの願い通じてか、ついに水槽は割れた。 (バリーン!!!) ガラスの割れる音が部屋に響き渡る。 「ゆゆっ!!!われたね!!!ゆっくりここからにげるよ!!!ばかなじじいたちはこんどほかのなかまといっしょにせいっさいするよ!!! ばかなじじいとげすゆっくりはゆっくりしんでね!!!そろーりそろーり…」 ゆっくりには自分の行動を口に出してしまう本能がある。それでなくても、逃げようとしていた事はわかるんだけどね。 「!!!? どぼじでどあさんがしまってるのおおおおおおおおおお!!」 自分が逃げようと必死になったら水槽がわれたわけか。子供が死んでも、自分のつがいが死んでもその必死さはなかったくせにな。 ―○○!俺を先に助けろ!!!足がタンスにはさまって動けねえんだ!!!早くしろ!火がせまってる!!― ―ここからだせ!!親にこんなことしていいと思っているのか!!この恩知らず!!!― あの時でもお前らは、ぼくを助けようって考えはなかっただろうな。自由の身であっても。 ―おいやめろ!!俺はお前の親なんだぞ!!!そんなものふりまわすんじゃ…― ―今さら親づらするなよ。お前には殴られた思い出しかないよ。― ―火が!!火が目の前に!!○○!早く助けろ!!早くここから出せ!!!○○!!!― ―ぼくが何を言ってもあけてくれなかったじゃないか。― ―おまえらなんて死んでしまえ― 結局、親だろうと自分の身が大事なのはあいつらと同じか…みんな自分の身が一番大事なんだよね。 『ふふふふふふ…』 「ゆ?なにかおかしいのおにいさん?」 『ん?別に笑ってないよまりさ。さあ、復讐を続けよう。』 「ゆっ!!わかったよ!…きめたよ!!さいごはまりさじしんがせいっさいするよ!!!」 「れ…れいむをいじめるのはやめてね…」 『ごめんね。君の子供のお願いだから。親なら我慢できるよね?』 「はなせえええぇえええぇええええぇえ!!!」 親れいむの身動きがとれないようピーラー(野菜などの皮をむく調理器具)で皮を餡子がもれないようむく。 まずは髪の毛からのある頭から。 「ゆぎゅいいぃいいいいいいいいいい!!!!!でいぶのえれがんとなくろがびがあああ!!!!」 皮と共に髪の毛までむける。頭が薄皮一枚だけの禿げ饅頭がいる。身体はまだ普通なだけに、このアンバランスな姿がまた滑稽で笑える。 「どぼじで…どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおお!!!」 どうして?うーん… 『そうだな…あえていうなら…仲間を増やすためかな。』 「どういうことなのおおおおおぉぉおおぉぉ!!!」 そこから体中の皮を丁寧にむいていく 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあああああああああぎゃああああああ!!!!!!いじゃいいいいいいぃぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「ゆひゅへへへへへへへへゃははははは!!!!!れいむおかあさんぜんぜんゆっくりしたすがたじゃないよ!!!! かみのけさんもおかざりさんもなんにもない!!!!ただのはげまんじゅうだよ!!!!! ゆひゃへへへへへへへ!!!!つるつるさんだよおおおおおぉぉおぉぉ!!!!つるつるさんだよおおおおぉぉお!!!」 「わらうだああああああああああ!!!!ごろ…ゆへっ!?……ごろじでやるううううううぅぅうう!!!ゆひぃっ!?」 滑稽な姿の親を笑う子まりさと、それに激怒する親れいむ。この二匹はこれでも親子なのだ。 「まりさをみためだけでいじめたげすおやはゆっくりできないすがたになってしね!!!!まりさはもっとくるしかったんだぞおおおおおおお!!!! ちょっとおかざりさんがへんだからっておまえらにいじめられて、どってもくるしかったんだああああああ!!!! おまえみたいなゆっくりはゆっくりできなくなってしねええええぇぇぇぇぇえ!!!」 身体の皮を全部むききり、頭だけでなく身体中が薄皮一枚だけの饅頭が完成した。 餡子がもれていないので死ぬことはないが、それでも空気に触れるだけで身体全体が激痛に犯されている。 「いじゃい…いじゃいよお!!!!どうじででいぶがごんなべに…」 「ゆふん!ここからはまりさがやるからおにいさんはてをださなくてもいいよ!!!!」 「…おばえごどぎが…おばえごどぎがでいぶにがでるどおぼっでいるのがああああああああ!!!」 親れいむの言っている事は、正しいと言えば正しい。 親れいむの大きさがバスケットボールに対し、子まりさの大きさはせいぜいハンドボールくらいだ。 戦ったら親れいむが勝つのは明白だろう。親れいむもそう思っていたに違いない。 しかし、これには条件がある。お互いに体調万全の状態であればだ。 そう。今はそれに当てはまらない。 「ゆぎぎぎ…おちびちゃんとまりさのかたきだよ!!!!!げすなこどもはいますぐしねええええええぇえぇえぇえ!!!」 「やってみるといいよ!!!!!げらげらげらげらげら!!!!おちびちゃんとまりさのかたきぃ!!げらげらげらげらげら!!!!」 「もうないてあやまってもゆるざないよおお!!!!げすゆっくりはせいっさいしでやるううう!!!いまいぐがらばっでろおおおおおお!!! ゆああああああああっ!?いだいいいいいぃぃいいいいぃぃぃいいい!!!」 空気が触れるだけでも激痛なのだ。ではその身体を動かすとどうなるか? 地面と自分との摩擦。はねたときの衝撃。全ての動作が痛みをなってかえってくる。まともに動くこともできないだろう。 「ゆひゃっはあああっはあああああ!!!うごかないの?ならこっちからいくよ!!!!!」 まりさ渾身の体当たり。 いつもならそれほど痛くもなく耐えきれる範囲の攻撃だろう。 だが今は状況が状況なのだ。 「ゆぎゃああああああぁあぁぁぁあぁ!!!!!いじゃいいいいいいいいい!!!!!もうやじゃあああああああ!!!!」 ちーちーが勢い良く噴出し、涙がとまらない。どうしてだ?なんであんなげすの体当たりがこんなにもいたい。れいむの方が強いのはずなのに。 おかしい!いたい!いたい!ゆっくりしたい! 「でいぶはしんぐるまざーなんだぞおおおお!!!!ゆっぐりざぜないどいげないんだあああああ!!!ぞれがわがらないげすはゆっくりじねええ!!!!」 「まだくちごたえするげんきがあるんだねええええええ!!!せいっさいするよおおおおおおおお!!!!」 それから子まりさの親へのせいっさいは続いた。 「このげすおや!!!まりさをゆっくりさせないげすおや!!!しね!!!!はやくしね!!!!」 「ゆべっ!!!やっ!!!やめろおおお!!!!でいぶ!!!まだっ!ゆっぐり…じだぐないいぃぃ!!!」 まりさは皮が破れて餡子がもれず、なおかつ痛みを最大限に与えられるよう、せいっさいの力加減をコントロールしていた。 「しねっ!!!しねっ!!!しねっ!!!」 「やべっ!やべろっ!!ゆっぐりざぜろおおお!!!おいじじい!!!でいぶをはやぐだずげろおおおおおおおおお!!!」 「まりさはずっとゆっくりできなかったんだ!!!!ほかのゆっくりとすこしちがうだけでみんないじめて!!! かぞくからもいじめられて!!!ずっとゆっくりできなかったんだぞ!!!!おまえはそれをしっているのか!!!」 「うるざいいいいいいぃぃいいいいい!!!!じねえええええええええ!!!!」 まりさのせいっさいは一時間にも及んだ。 「ゆはあ…ゆはあ…ゆはあ…お…おにいさん…ちょっときゅうけいするよ。げすおやにあまあまなおみずをすこしかけてあげてね。すこしでいいよ。 まりさは…あっちであまあまさんをたべてきゅうけいしてるよ。」 「ゆっぐりざぜろおおおおおお…」 言われた通り子れいむ同様親れいむにも野菜ジュースをかけてやった。しばらくすると会話できるくらいには回復していた。 「ぐぞおおおおお…あのげすううううううう…ゆっぐりじねえええええええ…」 子まりさは台所でプリンを食べている。 ……「ちちち…ちあわちぇーーーーーーーーーっ!!!」 んーまだ時間がかかりそうだな。 ……「へぶんじょうたいっ!!!!」 『ちょっと質問させてよれいむ。質問に答えたらあの子まりさを私がせいっさいしてあげるからさ。』 「!? ほんとうだね!!じじいははやくあいつをせいっさいしてね!!!れいむはしんぐるまざーなんだよ!!!」 『ゆっくりにとってゆっくりすることはゆん生の中で一番大事なことなんだろ?』 「そうだよ…じじいはそんなこともわからないの?ばかなの?」 『お前たちはここに来る前まではゆっくりしていたのか?』 「そうだよ…みんなですーりすーりして、おうたをうたって、むーしゃむーしゃして、 おしゃべりして、すーやすーやしてたよ。とてもゆっくりしたしあわせーなひびだったよ…なのにあのげすのせいで…」 『子供をいじめてまで生きることがお前らの言うゆっくりだったのか?』 「あいつはげすだからいいんだよ!」 『げすって…もとはといえばお前らが普通に接していればあいつもお前らを憎んだりしなかったよな。』 「そんなこと…そんなことないよ!!!あいつはげすなんだよ!!!おかざりもゆっくりしていなかったし!!!みんなもゆっくりしてないっていってたよ!!!」 『かわいい自分の子供なんだろ?他人とは違い血のつながった唯一の家族。どこか自分たちと違っても守るべき大事な家族なのは変わらないんじゃないか?』 「ゆっ…それは…」 『れいむ…ゆっくりってなんだ?』 その時ちょうどプリンを食べ終えたまりさが幸せそうな笑顔でこちらに走ってきた。 「おにいさん!!!せいっさい、さいかいだよおおおおおおおぉおおおおおお!!!!」 「ゆゆっ!!!!!!」 …… … 『そうだよな…血のつながった唯一の家族なんだよ。他人と違って…もう遅いけどさ。』 再び子まりさによるせいっさいが始まった。 「ゆへへへへへへへへひひひ!!!!せいっさいだよ!!!せいっっさいだよ!!!せいっっっさいだよおおおおおおおおおお!!!」 「ゆぐっ!!!ゆぎっ!!!!ゆっ!!!ぎっ!!!ゆへっ!!!!」 (『守るべき家族なんじゃなかったのか?』) かぞく?あのまりさが?かぞく? ゆっくりしてないのはかぞくじゃないよ。 …でもどうしてまりさをゆっくりしてないって思ったんだろう? 「せいっっ!!!」「ゆぎぎっ!!!」 おかざりさんが他の子と違っていたから?そのせいで他のみんなに馬鹿にされるのが嫌だったから? 「さい!!!」 「ゆゆゆうっ!?」 今思えばそんな理由だけで自分の子供をいじめていたのか? ゆっくりしていなかったのは子供じゃなくて自分だったんじゃないか? でもおかざりは大事…な…の…か……な…ゆう… … おかざりなんて…本当はどうでもよかったんじゃないか? まわりのみんなから馬鹿にされるのが嫌だからって…自分の…大切な子供なのに…守るべき家族…なのに… 「れいむ…ちょっとまりさにきびしくあたりすぎじゃないかぜ?」 「ゆ"っ!?なにいってるの!!!あいつはゆっくりできないんだよ!!!ぐずなんだよ!!!」 「でもまりさたちのたいせつな…「うるさいよっ!!!」ゆっ!?」 「こんどあいつとしゃべったらまりさもろともせいっさいするよ!!!」 「ゆう…わかったんだぜ…」 れいむがこんな事言わなきゃまりさはおちびちゃんをあの時通りずっと大切に育てたかな… 「まりさ、おかあさんのためにきれいなおはなさんとってきたよ!!!」 「いらないよ!!!そんなこともわからないのかこのぐず!!!おまえにかかわるとろくなめにあわないよ!!!!」 「おかあさんごめんなさい…」 謝らないでおちびちゃん…そのおはなさんとってもきれいだよ…おかあさんのためにありがとうね… 「ゆぴいいぃいいぃいい!!!!いちゃいいいいいぃぃいいいいいいいいい!!!!」 「どうしたのおちびちゃん!!!!!!」 「まりさ、れいむといっしょにあそんでたられいむがそこのいしさんにつまずいちゃったんだよ…だいじょうぶれいむ?」 「うるさいよおおおおおおお!!!」 「ゆぴぃいいいい!!!」 「どうせおまえがおちびちゃんをいじめてなかせたんだ!!!きょうからみっかかんごはんぬきだからね!!!」 「ゆぅ…ごめんなさい…」 …ゆ…ごめんね…おかあさんが…悪かったんだよ…おちびちゃんを信じてあげられなくてごめんね… 本当は気付いてたのかもしれない…自分が悪いって…でも認めたく…なかったんだよ…自分がゆっくりしてないなんて… でも…今…ちゃんと気づいたよ…おかあさんは悪いゆっくり…ゆっくりしてない…悪いゆっくりだよ… おちびちゃんにせいっさいされてもしかたない悪いゆっくりだよ…悪いのは… 「ごめんね…おちびちゃん…れいむのたいせつなこども…」 「ゆっ!?」 まりさは驚いた。 謝られた?おかあさんに?そんな事あるわけがない。あのいじわるなおかあさんがまりさにあやまるなんて…でも今… 「ごめんねおちびちゃん…ぜんぶれいむがわるかったよ…おちびちゃんはなんにもわるくないよ…」 ご…め…んね…だって… なんで…今になって謝るんだ。謝るくらいなら普段からなんで普通に接してくれなかったんだ。 まりさはつらかったんだぞ。いつもひとりぼっちでさみしかったんだぞ。 だれもまりさをたすけてくれなかったんだぞ… いまさらおやづらするな… いまさら…いまさら… 「…いまさらおやづらするなあああああぁあぁあぁあああああああああああああ!!!!!!!ゆっくりしねええええぇえぇぇえぇえぇぇええええええええ!!!!!!!」 その後も子まりさの親れいむへのせいっさいを続けられた。激しさを増しながら… 薄皮を気遣った力加減のコントロールなんて、もはや存在しない。つねに全力の体当たり。 しかし、れいむはそれに耐えた。耐え続けた。ひたすら子供への懺悔の言葉を口にして。 「ゆっ!!!!ゆっ!!!!ころす!!!!ごろず!!!!!ごろじでやるううううううう!!!!」 「ごめんねおちびちゃん…ゆ"っ!ごめんね…れいむが…ゆ"っ!わるかったよ…ゆ"っ!」 「ごろずごろずごろずごろずごろずごろずごろじでやるううううううぅぅぅぅぅ」 まりさの悪魔ののような叫びが響き渡った。もはやそれはゆっくりのものではない。 「じねじねじねじねじねじねじねじねじねじねえええええぇええええええ!!!!」 「ごめんね…おちびちゃん…ほんとうに…ごめんね…」 「ごろず!!」 「ごろずっ!!!!」 「ごろずうううううぅぅぅううううう!!!!」 「ゆ"う"う"う"う"う"う"ぅ"ぅ"ぅ"う"う"!!!!?」 ゆっくりには自分で死ぬ方法をして「おたべなさいっ!!」というものがある。 この言葉をゆっくりが発するとゆっくりは身体の真ん中からきれいに二分割され文字通り本当のお饅頭と化す。 これは他のゆっくりのために自らが食料となろうとするとき、自分がもうゆっくりできないと感じる二つの場合に使われる。 ではこのれいむはどうだろう? 実の子供にせいっさいという名の虐待をうけ、全身が薄い皮のみなので常に我慢しがたい激痛を感じ続ける。 自分の家族は同じ家族である子供にみんな殺された。 万が一ここから助かっても普通のゆっくりとしては生活できないというこの状況。もうゆっくりできないと感じるのが普通だろう。 ではなぜれいむは「おたべなさいっ!」をしないのであろうか? それは子まりさへの謝罪だけではない。 ゆっくりできない自分への罰。 ゆっくりできない自分に付き合わせてしまった家族への弔い。 そして一番は、子まりさの怒りをこの身全てで受けようとする母の愛情であった。 すぐにゆっくりするわけにはいかない。 ゆっくりにとっても家族というものは、本当はとてもとても大きい存在なのかもしれない。 …しかしそんなれいむのにも限界が来てしまう。気持ちではない。身体のほうだ。 「ぐっ…ゆげええええええぇええええええ!!!!」 あまりの長い時間の激痛に耐えられなくなりついに餡子を吐き出してしまう。 「ごろずごろずごろずうううううううううううううぅぅぅぅ!!!」 それに気付かずまりさはせいっさいを続ける。それほどまりさの母への恨みは深かったのかもしれない。 「せいっさいだあああぁああああああああぁあぁああ!!!」 「ゆべっ…ゆげええええぇえ…ゆっ…ゆげえええええええええええええ」 ついに子まりさのせいっさいのたびに餡子を吐いてしまうようになってしまった。このれいむが死ぬのも時間の問題である。 「しねっ!!!しねっ!!!しねっ!!!!」 『まりさ。』 「なんだおにいざんんんん!!!!いばばりさはいそがしいんだよおおおおおお!!!じゃまするとおにいざんもせいっざいするよおおおおおおお!!!!」 『…もう痙攣してる。死ぬのは時間の問題だと思うよ。時間をかけて殺すんならもうその辺にしておいて 苦痛の中死なせた方がいいんじゃないか?』 私はまりさに提案する。子まりさのためではない。最後にれいむと話しがしたかったのだ。この状況においてもお前はゆっくりできるのかと。 「ゆふう…ゆふう…ゆふう…まりさは…いまそれをかんがえていたんだよ…ゆふう…おにいさんはよけいな…くちごたえしないでね…ゆふう…」 「…ゆ"っ…ゆ"っ…ゆ"っ……」 (…せいっさいはおわったの?でももうおからだのかんかくがないよ…もう…ゆっくりできそうもないね… おちびちゃんはれいむのことをゆるしてくれたかな…どっちにしても…れいむはわるい…ゆっくりだよ… ごめんね…おちびちゃん…が…ゆっくり…できなかったの…はれ…いむのせいだよ…こんな…おかあ…さんをゆる…してね…) 「ゆふう…ゆふう…くるしんでしね…ゆふう…ゆふう…」 … このれいむはもう死にかけだな。というかまだ生きてるのかな? 会話するのは無理かなあ…。 実の子供にここまでされて…少し哀れにも見えてくるな。 「…お…おに…い…さん…れいむ…の…は…な…しを…」 え!?お前まだしゃべれるのか!?それにそんな死にかけの状態で何を話すって言うんだ!? 「…おにい…さん…れいむの…さいごの…は…なしをきい…てね…」 子供じゃなくて私に?そこまでして伝えたいことがあるのか? わかった。お前の最後の言葉この耳にしっかりと焼きつけよう。 『…なんだい?』 「おにいさん…おにいさんは…ゆっくりってなにって…れいむにきいた…ね…おしえて…あげるよ…」 れいむはとぎれとぎれながらも自身最後の言葉を呟くような声で私に語りかけた。私は一字一句聞き逃さないようれいむの言葉だけに集中した。 「ゆっくりっていうのは…じぶんの…じぶんのいきたいようにいきることなんだよ… おなかがすいたときにむーしゃむーしゃする…かわいいおちびちゃんといっしょにすごしたいからおちびちゃんをうむ… もうおねむだからみんなとすーやすーやする…みんなとあそびたいからこーろこーろする…おちびちゃんとうたいたいからおうたをうたう… ぺーろぺーろやすーりすーり…みんな…みんなゆっくりできることなんだよ…じぶんがしたいからするんだよ… おにいさんは…ゆっくりしてるの…?れいむ…おにいさんがゆっくりしているようにはみえないよ… おにいさん…れいむの…さいごの…おねがいだよ…おちびちゃんをゆっくり…させてあげてね… れいむ…は…こんな…こと…いえる…おや…じゃ…ないけど…ゆう……ゆっ…う…うぅ… ゆっくりさせて…あげられなかった…うっ…れいむたちのぶんまで…ゆぅ…うぅ…っ…ゆっ…ゆっくり…させてあげて…おね…がい… おちび…ちゃんは…ゆっくりでき…るんだよ…これできっと…おにい…さんも…ゆ…っく…りでき…よ… お…に…さん…ゆっく…り…し…て…いって…ね……!!!」 おちびちゃんは自分達無しで生きていけるのだろうか… しあわせーなゆん生を歩めるだろうか… それだけが心残りだな… おちびちゃん…何も教えてあげられなくてごめんね… いっしょにおうたとかうたってあげられなくてごめんね… すーりすーりも…ぺーろぺーろも… れいむ…いじわるばかりしちゃって… 悪いおかあさんでごめんね… ごめんね…ごめんねおちびちゃん… れいむの…たいせつな…おちびちゃん… ごめんね… れいむは先に天国にいくよ… 天国でおちびちゃんとまりさと一緒にずっと見守ってるよ… だから…心配しないで…安心して…ゆ…ぅう…っ…ゆっく…りし…てね… … 神様おねがいです…れいむは…もう…ゆっくりできなくてもいいです…ですから… もし… もし願いがかなうなら… もし生まれ変わっても…また…おちびちゃんのおかあさんになれたら… そのときは… れいむは静かに息をひきとった。 私が見ることのできなかった母の愛がそこにはあった。 子供の事だけを純粋に考える母の姿がそこにはあった。 自分を犠牲にしてまでも子供の幸せを考える母の顔がそこにはあった。 無情にも実の子供には伝わる事のない母の願いがそこにはあった。 『…そうか…』 『…ふふふふふ…そうか…ふふふ…あーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!! ゆっくりってそういうことね!!!ぼくがゆっくりの意味を知らなかったわけだ。確かにぼくはゆっくりしてない!!! 自分が生きたいように生きた事なんて無いもの!!!自分に正直に生きた事なんてないさ!!!いつも自分を偽って生きてきたよ! そうしないと生きていけなかったもの!!!今だってそうさ!!! 親の愛情だって知らない!知らないさ!!! そうか…くっくっくっくっ…。最後にゆっくりに教えられるなんてね!!!あーっはっはっはっはっはっはっは!!!』 ぼくは笑いが止まらなかった。 自分の生き方を全て否定された。普通は怒るだろう。自分の全てを否定されるのだから。 しかし笑いが込み上げてきてしかたなかった。 誰かに否定してほしかったのだろうか。自分のこれまでの生き方を。 誰かに教えてほしかったのだろうか。自分に生きたいように生きる事を。 誰かにしかってほしかったのだろうか。自分に嘘をついている事を。 誰かになってほしかったのだろうか。自分の本当の親に。尊敬できる本当の親に。 『…あっはっはっは…っは…は…あ……ただれいむ…最後のお願い…残念だけど……ゆっくりしてないやつにはさ…』 『他のやつをゆっくりさせることなんてできないんだよ。』 …… … 『まりさ。ついにれいむが死んだよ。お前の復讐は達成されたんだ。』 「……ゆ……ふ…ふ…」 「…ふ…ふふふ…ゆひゃははははははは…ついにまりさはふくしゅうしたよ!!!まりさを…まりさをゆっくりできなくしたおやといもうとをせいっさいしてやったよ!!! いままりさはすごくゆっくりしてるよ!!!ゆはははははははははははははは!!!!!!」 『おめでとうまりさ。』 「ありがとうおにいさん!!!おにいさんのおかげだよ!!! おにいさんのおかげでまりさはすごくゆっくりしてるよ!!!しあわせーだよ!!!へぶんじょうたいだよ!!!!!!」 『うん。おめでとう。ただ復讐を果たした君はこれからどうやって生きていくんだい?頼るべき相手もいなくなって独りで生きていくんだろう?』 「ゆっへっへっへ!!!できるよ!いまのまりさはなんでもできるんだよ!!!ひとりでいきることなんてかんたんだよ!!!! もしむりでもおにいさんとかだれかにたすけてもらえばいいよ!!!」 『へえ?本当にできるのかい?』 『この家族殺し。』 「ゆ"う"っっ!? まりさかぞくごろしなんかじゃないよ!!!まりさはまりさをゆっくりさせなくしたやつにせいっさいしたんだよ!!!!ふくしゅうだよ!!!」 『同じことじゃないか。君は家族を殺した。』 ―家族殺し!お前は親を助けられたのに助けなかった!!!この人殺し!!!― 「そんなことないよ!!!」 『家族を殺した奴には周りの目も厳しい。誰も助けてくれやしないよ。家族でさえ殺す奴だ。他人を殺す事なんて簡単だろってみんな思うもんな。』 ―あいつ、家族を殺したって噂だぜ。警察も誰かの妨害のせいで逃げ遅れた可能性があるって言ってたから本当だって。怖いよなあ。― 『そういえばあの親れいむ、最後にはお前に謝ってたじゃないか。ゆっくりさせなくてごめんねって。 なのにお前は親を殺した。謝っているのに殺した。これってゆっくりできないことだよね?お前も親や妹と同じだよ。』 ―俺達が悪かった!だから助けてくれ!!頼む!!今までの事はどうか…心を入れ替えるから― 「ちがう!!!まりさはちがう!!!あんなげすといっしょなんかじゃない!!!それにこれはおにいさんからいいだしたんだよ!おにいさんがこんなこといわなきゃ…」 ―違う!あんな無責任な親とは違う!本当は助けたかったんだ!!仕方のないことだったんだ!!!― 『君が頼まなきゃ私は何もせずに家に帰ったよ。なのに君はただその時の自分の感情だけで家族に復讐した。 復讐以外の道なんていくらでもあっただだろう。なのに君は復讐を選択した。』 「ちがう…まりさは…」 ―違う…仕方のないことだったんだよ…― ―本当に?― ―殺さなきゃ殺されてたかもしれない― ―それ以外の道はなかったの?― ―だって…嫌だったんだ…こいつらがここに存在している事が…またぼくを否定するんじゃないかって…― 『おめでとうまりさ。きみはこれからずっと家族殺しとして生きていく。それはきっとゆっくりできることなんだろうねえ?』 「ちがう!!!ちがう!!!!まりさはかぞくごろしなんかじゃない!!!まりさは…かぞくごろしなんかじゃ…」 『きみはぼくとおなじ…ゆっくりできない家族殺しなんだ』 「ゆぎぃいいいいいぃいいいぃいいいいいいいぃいいぃいいいいいいいいいいいいぃいいゃあああああぁああああああああああぁああああああ!!!!」 ……… …… … 本当の自分を否定されるのは嫌な事だよ。ぼくがここに存在してはいけない気がするからね。 否定されないために自分を、本当の自分自身を変えようとする人もそりゃいるよ。 でもそんな簡単に自分は変われない。変わらない。本当の自分の姿がそんな誰でも簡単に変えられるなら人生なんてつらくないよ。みんなにもわかるでしょう? だからぼくは理想の自分である私を作った。誰からも否定されない理想の自分。この現実で生きていくための理想の私。 でも理想の私は本当の自分じゃない。ぼくじゃないんだ。 ぼくだって自分の生きたいように生きたいよ。人間だもん。 でも変われない本当のぼくが生きていくにはこの現実は厳しい。この現実の荒波を越えていくにはぼくは弱すぎる。 ではぼくはどうしたかったのか?何が欲しかったのか? …仲間が… …仲間が欲しかったんだ。同じ苦しみを分かち合う仲間が。本当の仲間が。 一人でいると心細いよね。不安でしょうがないよ。でも二人なら大丈夫。なんとか頑張れるさ。 三人なら難しい問題にも立ち向かえる。 たくさんいたら…そう…何でもできる。 人間はそうやってこの世界を支配していったんだよ。 今も昔も変わらずにね。 … まりさ、正直言うときみがゆっくりできなくなった原因はぼくなんだ。きみの帽子、生まれたときは普通だっただろう? しばらく前かな…今日みたいな仕事が早く終わった日… 帰り道でたまたま幸せそうなきみたち家族の姿を見たんだよ。 「まりさ、きょうかけっこでいちばんになったよ!!!ゆっへん!!」 「ゆうううううう!!!おねえちゃんすごい!!!」 「さすがまりさのこどもなんだぜ!!!きょうはふんぱつして、いもむしさんでもたべるんだぜ!!!」 「「いもむしさん!!!やったあああああああ!!!!」」 「やっぱりれいむのおちびちゃんたちはゆっくりしてるよ!!!ふたりともてんしのようにかわいいよ!!!ゆうぅう!!!」 「「「「ゆはははははははははははははははははははははは!!!」」」」 ……… なんだよ…なんだよ…ぼくには幸せな家庭なんてなかったのに… 本当幸せそうな家族だなって思ったよ。 たかがゆっくりだろって思う人もいるかもしれないけどさ。 でもそのゆっくりでさえ幸せな家庭があるんだよ? ぼくにはなかったのに。 悔しかった。羨ましかった。妬ましかった。ゆっくりのくせにって。 ぼくにはそんな幸せな家族なんていなかったのにって。 そんなの幸せ、ぼくがぶっ壊してやるって思った。 飾りがきみたちの中で一番大事ってことは知ってた。 だから、その飾りをおかしくすれば、家族の仲が少しくらい壊れるんじゃないかなって思ったんだ。 誰でもよかったんだ。今回聞いた話の中心が子まりさだったからこいつでいいやって思っただけ。 話の中心が子れいむや親まりさとかだったらそっちにしてただろうね。 あの時きみに会うまでは忘れてたよ。帽子を見なければあの時の奴って事にも気付かなかっただろうしね。 ゆっくりなんて人間から見たらみんな同じ顔してるもの。 ぼくが願った通り、いやそれ以上かな? きみは家族から…他のみんなから虐げられていた。 いつやったのかって? ぼくは仕事が深夜終わる事が多いんだよ?だからきみたちの住んでいる場所さえ分かれば仕事帰りのついでって感じでさ。 きみたちは規則正しく寝てるから簡単な作業だったよ。きみたちはえらいよね。 まさかぼくのちょっとした悪意がこんなことになるなんて思ってもみなかったよ。 自分勝手だって思う?人間みんな自分勝手なんだよ。今に始まった事じゃない。 まりさはたまたま犠牲者のひとりになっただけだよ。 きみには本当に同情する。心の底から。 でもいいじゃないか。仲間ならぼくがいるよ。誰にも言えない秘密を共有した本当の仲間がさ。 ………… ……… …… … 『おつかれさまです。』 「ああ、おつかれ。」 (ガチャン) 「あいつってちょっと変わってるよな。」 「どうして?」 「この前さ… 『火を貸して頂けますか?』 「ああいいよ。」 『すみません。なぜか火を見ていると勇気がもらえるんです。私には出来るって思える勇気が。』 「?そうなのか?まあいいや。満足したら返してくれよ!」 『はい。ありがとうございます。』 ってなことがあってさ」 「へえー変な奴だな。放火魔だったりしてwそういえばお前知ってるか?あいつと関わると不幸な目に会う噂だぞ?」 「そんな噂が?」 「あいつ自身も親を火事で亡くしたり不幸続きらしいからそんな噂がたっちまうんだろうなあ…」 「でもあいつ人当たりのいい普通のやつだよな?」 「だよなあwあいつ別にいい奴だもんなwしょせんうわさうわさw」 …… (ガラガラガラ) 『ただいま。ふう~今日も疲れた。』 あの子まりさはまだ生きている。いや生かされているの間違いかもしれない。 まりさは私の家で壊れた人形のように同じ言葉を繰り返している。 「まりさはかぞくごろしじゃない…まりさはかぞくごろしじゃない…まり…」 あの時以来精神的に壊れてしまいもう普通のゆっくりのように生きることはできないだろう。 でもいいんだ、ぼくに仲間ができた。仲間の世話はぼくがするんだ。 だかられいむ、安心してよ。まりさはぼくが責任をもってお世話するからさ。 仲間はまりさだけじゃない。きっと他にもたくさんいるはずなんだ。 きみはぼくの仲間かな?もしよかったらどう?ぼくの仲間にならない? 仲間になってくれるとぼくも頑張れるんだけどな。 次の仲間はどうやったら会えるのかな。 (ガチャ) 『まりさ…』 『ゆっくりしていってね。』 なんて痛々しく意味不明で陳腐な作品。設定もありがちすぎですね。つめこみすぎ。 でも自分も1度でいいから他の皆さまと同じ様に何か作ってみたかったんです。 こんなのにお時間を取らせてしまってすみません。 これを最初で最後のSSにしようと思います。 ここまで少しでも読んでいただき本当にありがとうございました! 先生!明後日の課題もう少し待っていただきたいんですけ…だめですか… えっ!?明日まで!?もっど…ゆっぐりじだがっだ…
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2910.html
交通安全ゆっくり 罪の無いゆっくりが死にます 道具として利用するだけで、プレイとしての虐待は薄めです 自動車が出てきます。時代背景・世界観は適当に想像してください その日は残業で疲れていたのもしれない。 早く帰ってゆっくりしたい。そんな気持ちが自然とアクセルを強く踏ませた。 具体的には何時からかわからない。しかし私は眠ってしまっていたのだろう。 その事に気づいたのは、もうどうにも成らない速度で急カーブに突っ込む直前であった。 「し、しまった・・・うわー!!」 「ぐっ!ぐるなあぁぁぁ!!」 「こっちこないでね!あっちにいってね!」 「はやすぎるよぉぉぉー!!ゆっくりしてよぉぉぉー!!」 「ゆぎゃぁあぁぁっぁ!!」 「いっ、いだ・・・ゆべしっ!!」 「ぶぺっ・・・パーン!ぶち!ブチ!ブチ!ぷち!プチ!プチィ!」 「ぷち・・・ぷち・・・」 「・・・!?生きてる・・・助かったのか?」 「ゆっ・・・ゆぐ・・・ぢ、ぢにだぐ・・・」 「だずげ・・・あんごばぼでづ・・・」 「ゆっぐりぢだげっががごでd・・・」 「危なかった!ゆっくりが無かったら即死だった」 ★開発秘話★ 時は暫く遡る。 近年急速に普及した自動車により流通や遠距離の交通手段が劇的に進歩を遂げた一方、 自動車による交通事故の増加が深刻な社会問題となっていた。 既存の交通手段とは異なる新しい乗り物に対応する為、新しい安全対策が必要となった。 道路の整備や交通規則の制定が急務とされたが、問題となるのはその規模である。 短期間で効果的な対策を施すには膨大な予算と人的労力が必要となる事は明白であった。 安価にて、短期間に構築可能で、耐久性・安全性に優れ、効果的な安全対策器具の開発。 これら困難な課題に対して開発者は日々頭を悩めていた。 そこで開発者が注目したのが「ゆっくり」である。 大量に発生し、減らしても直ぐに復活する繁殖力を持つこの不思議な物体の有効活用方が 無い物かと日頃より様々な研究がなされていた。 このゆっくりを利用して交通安全に有効な対策を打ちだせれば、余っているゆっくりの 資源有効利用と人命保護が同時に可能となり、大幅な予算の節約が出来る。 しかし、その開発は決して平坦な道のりであった訳ではない。 ここでは開発者が苦心の末に生み出した交通安全ゆっくりの秘密に迫ってみよう。 ★ガードレールゆっくりの秘密★ 最初に開発されたのが、ガードレールゆっくりである。 当初は金属製のガードレールが試作されたが、加工が難しく大量生産が困難である事と 金属では衝突時に危険と言う事でゆっくりを原料に使用するプランが浮上した。 制作方法は、特殊な薬品で防水加工を施したゆっくり同士をワイヤーでしっかり固定し、 ネット状に展開して金属の支柱に固定するのだ。 ゆっくりが緩衝材となり、衝撃を吸収する事と、完全には固定されていないので 変形して柔軟に衝撃を吸収できるのが利点である。 まず、ゆっくりの柔らかさを利用して、衝突安全性を向上させる狙いがある。 車が接近すると、衝突の恐怖でゆっくりが硬くなり汗をかく。 恐怖で硬くなったゆっくりが、衝撃を周囲のゆっくりへ伝える事で、 点ではなく全体へエネルギーを分散する事が可能と成る。 また、表面が汗で滑る事で衝突のショックを分散しつつ、ネットが変形して包み込む。 衝突の痛みでゆっくりの固形化が解除され、外圧が限界に達すると変形が始まり、 車と乗員のダメージを受け流す。 衝突の衝撃で内臓餡子が急激に撹拌され、運動エネルギーを吸収しつつ 熱エネルギーに変換する。 最後は破裂し、エネルギーを放出する事で衝撃を緩和する。 ガードレールと言うよりはタイヤバリアの機能も兼ねている。 しかし材質に使用されているゆっくりの性質が衝突時の恐怖で変化する為、 進入角が浅い場合などは硬質化して汗で滑って跳ね返すなど、 状況に応じてガードレールとタイヤバリアの両方の性質を持っていると言える。 ★エアバックゆっくりの秘密★ 次に、乗員保護の観点から車に搭載するエアバックゆっくりを見てみよう。 最近の車には殆ど、このエアバックゆっくりが搭載されている。 これは赤ちゃんサイズのゆっくりがハンドルに内蔵されているのである。 衝突の衝撃や、急激なブレーキを検知すると、特殊な薬品が注入される。 この薬品はゆっくりの時間を加速し、ゆっくり出来なくし、急激に成長させる。 活性化され急激に成長する餡子脳は一時的にその働きを高める事になり ゆっくりにとっては周囲の時間が非常にゆっくりして見えると言う。 無論、実際の時間では1秒にもみたない一瞬であり、その感情や思考を 周囲の者が認識する事は出来ない。 急激に成長したゆっくりは、ハンドルを突き破り、外に飛び出す。 急成長の副作用で、内部の構造はスポンジの用にスカスカであるが、 この構造により乗員の衝突時のショックを吸収する事が可能である。 衝突時に内部の細かい気泡の様な空間が弾けて潰れる事でクッションとなり、 ドライバーを優しく受け止める事ができる。 万一はじけ飛んで口に入っても、そのまま食べられるほど安全な素材で出来ている。 緊急時には非常食として食べる事も可能だが、 長期間ハンドル内で熟成している為、食用には向かない。 ★ゆっくり達の一生とその働き★ -ガードゆっくり編- 「ゆっくりしていってね・・・」 「ゆっくりがんばろうね」 まりさとれいむの姉妹は、消えそうになる元気を振り絞って家族に呼びかけた。 このまりさとれいむ以外の姉妹と両親は、家族全員生きてはいるが・・・動けないのだ。 ある日、森でゆっくりしていた一家の元に人間がやってきて捕まってしまった。 「ゆぐぐう・・・なんでうごげないの・・・!?」 「いだい・・・ゆっぐりぢだい・・・」 変な薬を飲まされて、体に紐を結ばれて動けなくされて、 一家まとめて縛られた状態で杭に繋がれていた。 まりさとれいむも捕まったのだが、この2匹だけは人間が許してくれて逃がして貰った。 しかし、他の家族を置いて逃げる訳にも行かない。 人間が立ち去ってからは、何度も家族を逃がそうと紐を引っ張ったり、 杭を抜こうと努力したが如何にも成らなかった。 周囲には、同じ様な境遇なのだろうか?ゆっくりの一家が同様に繋がれており、 同じく数匹の子ゆっくりが家族を心配して寄り添っている。 れいむとまりさは、もう直ぐ巣立ちが出来る頃と言えるまで成長しており、 親と一緒に狩が出来るほどであった。 下の姉妹は、子ゆっくりのれいむとまりさ、赤ちゃんれいむとまりさなど まだ小さい。子が大きくなって一緒に餌を採れる様になった為、両親がすっきりして 新しい赤ちゃんを産んで家族を増やしたのだ。 「おながずいだよお・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆっくり待っててね!ご飯取ってくるからね!!」 家族の救出が困難である事を理解したれいむとまりさは、必死で餌を集めた。 両親はともかく、赤ちゃんなどは餌を運ばないと長くは持たないだろう。 しかし、両親と自分達で餌を大量に取れるから産んで増やした家族である。 幾らもう直ぐ独り立ち出来るまでに成長していても、たった二匹で家族分の 餌を運ぶ事は容易ではない。 雨が降って来た時は流石に焦ったし、もうダメだと思って泣き叫んだ。 赤ちゃんゆっくり達は何が起こったのか理解して無いし、姉妹の仲には狂乱して 泣き叫ぶ物も居たが、両親だけは覚悟を決めて、動けるれいむとまりさだけでも 逃げる様に言い聞かせた。 「ゆっぐりしないで逃げてね!!」 「いやだぁぁぁ!おがあざんとずっとゆっぐりぢたいぃぃぃ!」 「わがまま言わないでね!!さっさと行ってね!みんなの分までゆっくりしてね!!」 家族と離れるのは嫌だと泣いたが、両親に怒鳴りつけられて雨から逃れる為に 木の下まで走っていった。 家族が溶ける様は見たくは無かったが、しかし遠くまで離れる事も出来ず、 近場の木の下から家族を見つめ、雨が止むのを祈り続けた。 「はやくやんでね!ゆっくりしないであめさんとまってね!」 「ゆっくり、ゆっくり・・・」 見ると周りには同じ様に家族を心配するゆっくりが何匹も居る。 自分達の不幸を呪い、互いに涙した。 その涙で自分が溶けるのでは無いかと思うほど泣いた。 ところが雨は降り止まず、しかし家族も溶けはしない。 ゆっくり達は知らないが、雨に濡れても溶けない特殊な薬品で加工されている為である。 「ゆっぐり助かったね!」 「よかったね!ゆっくり出来るね!」 雨が上がり、家族はお互いの無事を喜び合ったが、 だがコレは更なる地獄の始まりでもあった。 動けない、助ける事も叶わない、しかし雨で死んだりしない、見捨てる事も出来ない。 命が奪われる当面の危機は去ったが、ゆっくりとした飢えと言う死は近付いてくる。 もう助からない事が確定的であれば、あるいはあの雨で死んでいれば、 まりさとれいむは新しい人生を踏み出せたかもしれない。 しかし目の前で苦しむ家族を見てまりさとれいむは、 家族を見捨てられないと言う鎖で縛られていた。 「ゆぅ・・・もうダメだよ・・・もう動けないよぉ・・・」 「がんばるんだぜ!おかあさん達と妹たちはもっと苦しんだぜ・・・」 一日中餌を集める作業。しかも自分達の餌であれば、採って直ぐ食べる事も出来るが、 動けない家族の分となると取った地点からココまで運ばねば成らない。 餌集めと運搬の重労働。食べ盛りの赤ちゃんが居る為、餌の確保ノルマは 日増しに厳しく成っていく。 十分な量を確保出来ない分は、自分の餌や両親が我慢して子に譲っていた。 「ゆっくり・・・こんなご飯じゃたりにゃいよ」 「はねてあそびちゃいよ・・・ちょうちょさんがほしいよぉ」 両親は子の頑張りを見て、また不自由に成った自分達の赤ちゃん達の為にと考える事で 忍耐が出来た。しかし赤ちゃんゆっくりは違う。 生まれてからずっと家族に愛されて幸せだったのに突然襲った不幸。 ゆっくり出来ない日々。何の為に生まれて、何の為に生きているのか。 両親が賢かった為、赤ゆっくりは姉達の苦労が分からぬほど愚かではなかったが、 心は荒んで行き、生きる事に意欲を見せなくなっていく。 「ゆいっ、ゆ、ゆっくりぃ、ゆっくり・・・」 「ゆへへへ・・・ゆゆーん♪ ゆへひゃー・・・」 やがて赤ちゃんゆっくりはとても幸せな顔で毎日を過ごすようになった。 完全に現実から意識を切り離して楽しい世界へ行く事にしたのだ。 この赤ちゃんゆっくり達は幸せだろう。 両親と姉達に愛されて、楽しい夢を見ながら大切に育てられるのだから。 だが、その夢さえも長くは続かなかった。 「ゆぅ・・・眠いのに煩いよ!しずかにしてね!!」 「ゆっ!夜なのにまぶしいよ?」 「なにかコッチに来るよ?ゆゆ!コッチに来るよ!?!?」 「ぶつかるよ!ゆっぐりにげるよ・・・ゆぎゅっ!なんで動けないのぉぉぉ!!??」 「ごっじぐるなぁ! ゆっぐりごっじぐるなぁあぁぁぁぁ!!」 「こわいよぉぉ!まだじにだぐないよぉ!!」 「おがあざーん!だずげでー!だずけでくだざいぃぃぃ!!」 「い、いだい!・・・ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「つぶれる・・・れいむのあんごが・・・」 「みえないぃぃぃ!まりざ!?まりざどごぉ!?」 「れいむ?赤ちゃん達?どうじでへんじじでぐれないの???」 余談だが、動けないゆっくりは余分なエネルギーを損失しない為、最低限の水分が 雨で補給できれば、交換耐久年数の3年は無補給で生存する事が確認されている。 子供を数匹逃がして希望を残した方が、捕らわれたゆっくり達の肌の張りが良く 生きの良い状態で長期運用できるそうだ。 家族を助ける為と信じて不要な餌を運び、人間の安全の為にガードレールの品質保全に 日々努力する彼等の姿は非常に心打たれる物がある。 我々も自らを戒め、安全には十分気を配るよう心がけたい物である。 ★ゆっくり達の一生とその働き★ -エアバックゆっくり編- 「ゆっくりしていっちぇね!」 ココは何処だろう?真っ暗で何も見えない。 お母さんは?兄弟達は?何で誰も居ないの? あぁそうか。勘違いしたんだ。生まれた夢を見たんだろう。 まだお母さんのお腹の中だ。早く生まれたいなぁ~ 生まれたら一番にお母さんに「ゆっくりしていってね」って言おう。 ちゃんと言えるかな?楽しみだなぁ。 「おかあちゃんのこえがききょえにゃいよ?」 おかしい。お母さんの声は聞こえるはずだ。 少し前までは聞こえていた。自分に話しかけてくれていた。 自分が動くとお母さんは喜んで、ゆっくり生まれてきてねと言ってくれた。 もう直ぐ生まれる筈だった。生まれてお母さんに挨拶をして・・・ 「ゆ?れいみゅはうまりぇたにょににゃんで??」 やっぱりおかしい。いよいよ生まれるのだと自分でも分かった。 やっぱり生まれた筈だ。ココは自分の知ってるお母さんのお腹の中とは違う。 「ここがおそとにゃの?」 真っ暗だ。こんな世界がお外なのか?自分を産んでくれたお母さんは何処だろう? なんだが記憶があやふやだ。 生まれたとおもって、目覚めて、気が付いたら真っ暗で・・・ 「ゆぐっ!?ふりゅえるよ!ゆっぐりちちぇね!!」 突然振動が始まった。全身を無理やり振動させられる。 なんだかとってもゆっくり出来るような、でもとても怖いような。 このまま振動をつづけてゆっくりすると、ずっとゆっくり出来なくなりそうな 本能の奥底に刻まれた恐怖を覚える。 「やみぇてね!れいむまだしっきりちちゃくにゃいよ!!」 意識が混乱する。知らない単語が自然と口から出てきた。 だんだん思考が定まらなくなって行く。 このままでは自分が壊れてしまうと感じたその時。 「ゆぎゃ~ん!ま、みゃわりゅよ!!」 突然世界がぐるぐる回り始めた。 上右下左上右下左。真っ暗な世界で上下左右の感覚だけがめぐるましく変化する。 「も、みょう・・・やみぇちぇ・・・ゆべっ!!」 今度は何者かに殴りつけられた様な衝撃を全身で受ける。 何か大きな音が鳴っているが、今はそんな事を気にする余裕も無い。 生まれて始めての痛みに、意識をかき回され悶え苦しむ。 気が付くと、真っ暗な空間で自分一人だけがただ静かに居る 元の何も無い状態に戻っていた。 またあの苦痛が何時始まるのかと思うと、全然ゆっくり出来なかった。 それからは毎日が苦痛の日々だった。 「さむい・・・さみゅいよぅ・・・」 「ゆぅ・・・どうしてだりぇもおへんじちてくりぇないの?」 「ゆゆ!?あちゅくにゃってきちゃよ!ゆっくりできないよ!」 「もうやだ!おうちかえりゅ~!!」 そんな日々が唐突に終わる。 突然、今まで感じた事の無い程の衝撃を感じたかと思うと、 目の前が明るく開けた!! 「ゆ?おそとのせかいがみえる?れいみゅうまれるの!?」 やっぱり生まれたのは気のせいだったんだ。 体に激痛が走って締め付けられるけど、 生まれる時にお母さんから出る為の苦しみなのだろう。 随分ゆっくり出来なかったけど、生まれたらお母さんに挨拶しよう。 上手に「ゆっくりしていってね」って言えるかな? お母さん喜んでくれるかな? お母さんのお腹の中で、凄く怖い夢をみて寂しくて泣いちゃった事を話そう。 沢山沢山すりすりして慰めて貰うんだ。今までの分もイッパイ甘えて、 これからお母さんとずっとずっとゆっくりしよう。 「ゆ~おちょりゃをとんでりゅみちゃい!!」 外に押し出される感覚があり、次の感じたのは空中に浮遊する様な錯覚。 暗闇から明るい世界へ飛び出た為にその様に感じたのだろう。 事実、背中を固定されている感覚がある。 生まれて飛び出た衝撃で飛んで行って怪我しないように、 多分お母さんがお口で支えてくれているのだろう。 「ゆ?めのみゃえににんげんさんがいるよ?」 親から受け継いだ知識で知っている。あれは人間だ。 どうして自分が生まれる時に目の前に人間が居るのだろう? この人間さんがおかあさん?そんな筈は無い。 自分が今生まれるのに、目の前に居るはずが無い。 じゃあ、お父さん?・・・あっ!そうか!!おかあさんは人間さんと住んでるんだ! だったらちゃんと挨拶しなくちゃ。 「ゆっくりちちぇいってにぇ!!」 やった、何度も練習した甲斐があった。キチンと言えた筈だ。 お母さんもコレで鼻が高いだろう。 自慢の赤ちゃんだと喜んでスリスリしてくれるに違いない。 「ゆぅ?にゃんでにんげんさんうごきゃないの?」 おかしい。目の前の人間は全然動く気配が無い。 それだけじゃない。自分も動けない。背中を固定されて身動きが取れない。 「おかあさん!もうだいじょうびゅだよ!はなちてね!れいむうごきたいよ!!」 必死に後ろに居る筈の母に、放して貰おうと伝えるが、まったく返事が無い。 「ゆゆっ!!れいみゅおおききゅなりゅよ!!」 今度は体が膨らんでいく感覚が襲ってきた。 生まれるまで時間が掛かった分、お腹の中で我慢していたので、 一気に成長が始まったのだろうか?きっとそうだ!れいむは大きくなるんだ!! 「ゆぅ?にんげんさん、こっちにくりゅの?」 なんだか人間さんが近づいてくる気がした。動かないと思っていたが、 本当にゆっくりした速度で近付いてくる。きっとれいむが可愛いから スリスリしたくなったに違いない!! 「ゆぎゅっ!な、にゃんだが、かりゃだがあじゅぐなっでぎだよ!?」 急激な成長で体が熱を持っている。それだけではない。 徐々に体内の餡子が掻き回されて、煮立つようにボコボコと気泡が溢れていき、 皮が引き伸ばされ、激しい吐き気に襲われる。 「ゆげっ、にゃ、にゃんにゃのこりぇ・・・れいむどうなってりゅの?」 スポンジの様に膨らんで穴だらけになった餡子脳では、 最早正常な思考は出来なくなりつつあった。 しかし目の前の人間が、さっきよりも近くに来ていて、 このままでは自分にぶつかる事だけは判っていた。 「こきゃいで、にんげんさん!れいみゅおかしいよ!かりゃだがいちゃいよ!」 「ぶちゅかりゅよ!こにゃいで!いちゃいの!こにゃいでったりゃ!!」 「いー!だー!いぃぃぃー!!ちゅぶれりゅ!!れいみゅのおきゃおがぁぁ!」 「やめでぇ!!おちゃないでぇ!!れいみゅほんちょうにちゅびゅりぇちゃう!!」 「やぶりぇりゅ!れいみょのおきゃおが!!それいじょうおちちゃらやびゅりぇ・・・」 「ゆびっ!ゆべべびゃ・・・じにちゃく・・・れいみゅせっきゃくうまれちゃにょに」 「じにゅ・・・じにたく・・・じ?じぬにょに?・・・じ・・・」 「じにゃにゃい?まだじにゃにゃい!?にゃんでじにゃにゃいの?」 「ぢぬにょがにゃがい・・・しぬのがながいよぉぉぉぉ!!」 「じにたくにゃいげど・・・じなにゃにゃいのもいやぁあぁぁぁ!!」 「いだいのぉ・・・もういやなのぉ・・・」 「あんごさんがでてりゅのに・・・まだいぎれる・・・まだいぎてりゅの・・・」 喋れなくなってもれいむはまだ生きていた。 れいむが経験した時間はココまでで0.9秒程度である。 しかし、投薬により成長と思考を加速させられたれいむにとっての時間は 赤ちゃんゆっくりが成体ゆっくりに成長する程の時間的感覚がある。 れいむが完全に潰れて生体機能を停止するまでは残り2秒程しかない。 一瞬の油断が大事故を引き起こす事もある。 我々もこのれいむを見習って、ハンドルを握る際には一瞬も気を抜く事無く 人生の時間を大事にしたいものである。 ★輝ける未来へ★ 技術の進歩に伴い、交通事情はめぐるましく変化し、 安全管理もそれに対応する事が求められている。 ゆっくりを利用した交通安全対策製品は日進月歩でありまだまだ研究段階である。 これからも様々な新製品が開発されて人命保護に役立つだろう。 作者当てシリーズ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11995/1227272050/(※リンク切れ) このSSに感想を付ける